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グラフ・数式処理電卓 TI-89 Titanium その2

2005年10月17日

● グラフ機能、その1

 数学関数のグラフが見たい、と思う機会は意外にあるものであって、私は、最近はMicrosoft Excelやロータス1-2-3を使っている。たとえば、エクセルではxの値とyの値を並べて「散布図→折れ線」を使うとよい。値の行き先や解の個数チェックなどに使う。
 そんなことからか、高級関数電卓によくあるグラフ機能が特に欲しいと思ったことは無い。つまり食わず嫌いである。電卓のグラフ機能が真剣に使えるかどうかは今後の検討課題だが、デモすると受けることは確実。

 TI-89 Titaniumでは6種類のグラフが表示できる。
 1. (普通の)関数 FUNCTION y(x)
 2. 媒介変数 PARAMETRIC {x(t),y(t)}
 3. 極座標 POLAR r(θ)
 4. 数列・時系列 SEQUENCE u(n)
 5. 三次元 3D z(x,y)
 6. 微分方程式 DIFF EQUATIONS y'(t)

 4. 以降は次回から説明する

● 1. (普通の)関数 FUNCTION y(x)

 二次関数の放物線だとかは通常の関数グラフ表示で見られる。単に表示するだけでなく、2曲線の交点を求めたり、接線を引くなど、ある程度、加工できる。
 「MODE」でGraph項目を「FUNCTION」にする。「Y=エディタ」で、
    y1=x^3 (x3のこと)
 などと関数を打ち込む。前半のy1=は最初から画面に表示されていて、変更はできない。打ち込むのはx3の部分である。「GRAPH」画面を表示するとグラフが出てくる。グラフの表示範囲は「WINDOW」画面の「xmin」「xmax」「ymin」「ymax」などで指定するか、「GRAPH」画面でズーム機能(F2)を使用する。
 二本目のグラフを描くには、「Y=エディタ」でy2=に関数を打ち込む。
    y2=x^2 (x2のこと)
 などとすると、二本目のグラフが描かれるので比較したりできる。「F2」「2」のズームイン機能を使うと、原点付近の様子なども分かる。

 カーソルをグラフ上で動かすことができ、最大値・最小値や変曲点や接線を求めたり、簡単な数値積分ができる。2つ以上のグラフがある場合は、交点を求めることができる。ただし、これらは簡易機能と考えたほうが良い。

 慣れてくると、関数のささいな振る舞いや解の個数などに注目することになる。しかし、本物の関数のグラフというものは、それなりに美しいので、初心者でも、ながめるだけで楽しめると思う。たとえば、
    y1=sin(x) 三角関数
    y1=e^(x) 指数関数
    y1=(x+2)*(x-1)*(x-2) 3次式
    y1=(x+2)*x*(x-1)*(x-2) 4次式
 などなど。ただし、ズーム機能を生かして、見やすくする必要はある。y1=sin(x)だと、
  「ZoomStd」「ZoomIn」「ZoomSqr」
 などとする。「ZoomStd」は表示域の初期化、「ZoomIn」は4倍拡大、「ZoomSqr」は縦横の拡大比を合わせる指令である。

sinグラフ

● 2. 媒介変数 PARAMETRIC {x(t),y(t)}

 媒介変数表示は便利なグラフで、任意の平面曲線が描ける。サイクロイドやリサージュ曲線という名前を聞いた方もおられるだろう。思い通りに描くには多少コツが必要だが、それだけに、遊ぶには最適である。

 サイクロイドは直線上に円を転がして、円周上の一点が動く軌跡である。走っている自転車のタイヤの空気バルブの動きを横からながめた感じである。式は、
    x=t-sin(t)
    y=1-cos(t)
 と、媒介変数(tのこと)表示になる。「MODE」でGraph項目を「PARAMETRIC」にし、「Y=エディタ」で、
    xt1=t-sin(t)
    yt1=1-cos(t)
 と打つ。「GRAPH」画面にすると一周分が描かれる。これは、初期の設定ではtが0から2π、つまり一周分だからである。たとえば二周分にするには「WINDOW」画面で、θmax=とする。ズームに工夫が必要だが、それらしく表示される。

 リサージュ図形は、オシロスコープのX軸とY軸の入力に整数比の正弦波を加えたときに見られる図形である。たとえば、
    xt1=sin(2*t)
    yt1=cos(3*t)
 などとする。「ZoomSqr」で縦横の拡大率を合わせると、それらしく見える。ちょっと位相を変えてみよう。
    xt1=sin(2*t)
    yt1=cos(3*t+π/6)

リサージュ曲線

● 3. 極座標 POLAR r(θ)

 極座標のグラフは、アンテナやマイクの指向性グラフとしてパンフレット等で見た方もおられるだろう。1.のグラフでx軸方向に移動するのを原点周りの回転に置き換えた感じだ。

 手許の参考書によると、半波長ダイポールアンテナの指向性は、
    cos((π/2)cos(θ))/|sin(θ)|
 とのことである(絶対値は私が追加)。「MODE」でGraph項目を「POLAR」にし、「Y=エディタ」で、
    r1=cos(π/2*cos(θ))/abs(sin(θ))
 と打つ。最初の表示は小さいので、適当にズームする。

 初期値ではθは0〜2π、つまり一周になっているが、広げることもできる。たとえば、アルキメデスの螺旋は、
    r1=θ
 で描けるのだが、一周だけなので螺旋には見えにくい。「WINDOW」画面で、θmax=などとすると、三周分描かれる。

アルキメデスの螺旋

(続く)