2006年 4月 4日 火曜日 22:08:08
2006年 4月 20日 木曜日 追記
● パソコンは壊れる
毎日持ち歩いているので壊れるのは当然のような気がする。結局1年4ヶ月で先代のパソコンが壊れた。振り返ってみると前兆はあったのだが、停止は突然なので面食らってしまった。3か月前の全体バックアップと一週間前の書きかけ原稿は保存してあったのだが、メール系は全滅。今回は壊れ方がきつく、全く動かなくなった。さて、どうするか。
前兆というのは、振ってみるとカラカラ音がするのである。約一週間前から。後でわかったのは、CPUのクーラーのファンを支える3本のビスのうち、2本が脱落したのであった。残りの一本はビス頭が筐体表面まで出ているので締めればよいのだが、内部の2本は、利用者ではどうすることもできない。それに、ファンのビスであることが分かったのは後のことで、何か異物が入ったものと最初は考えていた。
さしものCeleronMもファンが外れては故障する。一部が溶けてしまったのではなかろうか。あるいは外れたビスが回路に悪さをしたのかもしれない。とにかく、電源を入れるとそれっきりで、画面は真っ暗、ハードディスクの回転音もなし。
● ハードディスクを無理矢理動かす
こうなってはパソコン自体の動作はあきらめないといけない。本体を修理には出すとして、ハードディスクのデータを取るための工夫を開始した。
まず、ハードディスクを5年前に買ったノートパソコンの内蔵ディスクと交換。電源を入れるととにかく動作はする。画面上はメーカーの初期画面の後、カーソルが出た状態で停止。
次にセーフモードを試みる。セーフモードの選択画面までは表示されるのだが、その先はカーソル表示で停止。
CD-ROMからOSをスタートさせると、一部のファイルは読めるようになったが肝腎の自分の作成したファイルには到達できない。Windowsのセキュリティは万全のようだ。昔ならここで決着していたはずである。
修理に店に持ち込むと、判で押したように「ディスクの内容は保証できない」とのこと。決まり文句ではあるが、たぶん、ハードディスクに異常なくともデータは消されるのだろう。昔は意地になって残したものだが…。それに、修理には3〜4週間かかるとのこと。
そこで、さらにいろいろ試すために、故障機をいったん持ち帰ることにした。
ハードディスクをUSBに接続するケーブルというのがあって、試してみたのだがマニュアル通りではきちんと動作せず。
結局、家にある道具では解決しそうにないことが分かった。
● 後続機の購入
同じ機種の本体が別にあったら動作しそうな雰囲気ではあった。最近のPC互換機とOSは複雑になったためか、いちおう互換機だからといって動作はしてくれず、近縁の機種でないといけないようだ。
上で試した古いノートパソコンは動作が不安定だし、3〜4週間の空白は許されないので新機種の購入を決断した。
さて、予感がしたのか、最近パソコン売り場をときどき見に行っていた。そこで気づいたのは、キーボードがひどい。すなおに109Aキーボードにしてくれれば何の問題もないのに、妙な縮小をしている。PFUのハッピー・ハッキング・キーボードみたいに完全に縮小してくれれば納得も行くのだが、変なのである。一番困るのは「pg up」と「pg dn」が独立していないことで、特定のソフトの操作性ががくんと落ちる。
デスクトップ機ならまともなキーボードを別に買えばよいのだが、ノートパソコンでは選択の余地がない。国産勢はほぼ全滅である。
キーボードと互換の問題から、後続機のHP Compaq nx4820を検討することにした。一カ所気になる点(後退キー)はあるのだが、キーボードは合格である。HPのホームページもろくに見ず、さっそく大手のパソコン小売店に出かけた。
● 中古の豪華nx4820
さて、そのパソコン販売店、中古パソコンも新品の売り場のすぐ近くで販売している。案の定、ノートパソコンはひどい状態で、ついでにnx4820も売っていない。ところが、隣の中古の棚に今回購入した超豪華仕様のnx4820が置いてあったのである。
国産勢に肩入れしておくと、大画面の富士通のノートパソコンと東芝のQosmioは検討の範囲に入ると思った。ただ、17インチの液晶の機種は今回の目的と合わないし、Qosmioは上述のキーボード問題が出現した。数年後には再び検討するかもしれない。
その中古nx4820で一瞬目を疑ったのは、Pentium M 760 2GHz搭載、つまり、普通のnx4820ではない。店員の話では、カスタマイズモデルの最上位機種とのことで、店頭にあるのは異例とのこと。私ならもったいなくて注文しそうにない高級機である。
選択の余地はなく、早く購入したかったので買ってしまったが、幸い、良い選択であった。
● まずは素直に動かしてみる
画面は流行の14インチクリア画面で、1280x768の横長なので、結果としてドットは細かい。大型画面を選択しなかったのだから、当然である。前のご主人様が手放した理由は知る由もないが、スピーカがいまいちなのと画面の小ささが原因でなかったかと邪推する。
それにしても状態がよい。おそろく3〜4か月前の新品だろう。液晶も完璧だし、ほとんど使った形跡がない。こんな逸品を途中で手放すなんて、私には信じ難い。でも、そのおかげで私はほくほくなのだから、感謝しないといけない。
キータッチが改良されているような気がする。若干だが打ちやすくなった。私などは、こんなところで満足してしまうのである。打つのが楽しいノートブックパソコンは久しぶりのような気がする。
CPUはやけくそに速い。グラフィックエンジンが違うし、1GBもメモリを積んでいるので前機種とは比較しにくいが、こんなに図形ソフトが軽々と動くのは初めて見た。一昔前のプロのデザイナ御用達の超強力マッキントッシュみたいだ。Celeron
Dなら4GHz相当、といったところだろう。シングルコアCPUの行き着く先を見たような気分だ。もちろん、少し前の3Dゲームなどには余裕の処理速度である。
あとは標準機と同じ。無線LANと(デジカメなどの)メモリーカードスロットの内蔵はありがたい。ドライブはDVD-ROMまでだが、私には十分。ハードディスクは40GBだったが、どうせ中古で再インストールされているので、家にある100GBと交換した。外観が1.4GHzのCeleronの機種と同じなので、分かる人にしか分からない、一歩間違えば悪趣味なぎんぎんマシンである。
● CDとDVDを試してみた
まず、液晶画面がたいへんきれい。値段相応であり、コントラストはまずまずで、見るに良好な角度が狭くて厳しいのだが、個人用としては贅沢と思える画質である。通常のパソコンとしての動作では全く問題ない。映画を注視しないと欠点は分からないほどよくできている、ということだ。バックライトは明るく、調節しないとまぶしいほどだ。
スピーカはいまいちと表現したが、それはゲーム音楽のような無謀な重低音が出ない、という意味である。このスピーカ、中高音は表現に困るくらいの美しさで、楽器の音がぴたりと決まり、通受けする要素がある。思わず耳をすましてしまう。
ただし、極低音をアンプが通してしまうためか、ゲーム音楽などでは大音量で音が割れてしまう。また、筐体が筐体なので妙なところで共振してしまう。そんな場合は、素直にヘッドフォンを使えばよい。
バッテリは2時間半はもつ。パソコンとしての実用を第一に考えているようで、マルチメディアに深入りしてはいない。パソコンはパソコンなのだ。この辺りで、使う人を選ぶような気がする。少なくとも、私にとってはすばらしい計算機である。
● データの復旧
壊れたマシンのハードディスクを入れて電源を入れると素直に動作した。最初はセーフモードで動かし、バックアップを取ったのだが、慎重すぎたようだ。単なるラッキーとは言え、助かった。旧機は数日後に修理に出す予定である。
● 究極のパソコンがここに
これ以上、何をお望みですか。といったキャッチフレーズが出そうなパソコンである。とうとうここまで来たか、と感慨深いものがある。OSはしっかりしているし、CPUはこれ以上望めないだろうし、記憶も十分。画面、スピーカ、DVD-ROM、6in1メディアスロット、USB、イーサネットなどの周辺機器も満足。レガシーインターフェースがアナログVGA出力のみで、これは発表会などでプロジェクタに接続する都合上、当面必要である。
あと必要な改良は細かい点でしかない。しかし、上述したように、改良したつもりが改悪になる場合は多いのである。本機のような真っ直ぐなパソコンには今後も活躍の機会は多いと思える。
● どんな人にお勧めか
パソコンを仕事にガンガン使う人。パソコンとしての基本に妥協がないので、気持ちよく使える。プログラミングやデータベースや統計ソフトも軽々とこなせる。
さらに、息抜きにパソコンゲーム、イベント会場でもらったDVDを即見たい、などで役立つ。無線LANがあるので出先でも使える。カードリーダは昔のスマートメディアやXDカードにも対応している。通をうならせる仕様である。
▼ 良い点
軽い。2.4kgで、かばんに入れて持ち運ぶと3kg級のマシンとの違いが分かる。
ちょうどよい大きさ。標準キーボードが変形せずに入っている。奥行きが短いので、いわゆるA4ノートよりコンパクト。
▼ 議論の対象になりうる点
何にせよ、経済的なマシンである。妥協すべき点が多いのは覚悟の上で検討すべき。
一応AVパソコンであるが、AV機能(液晶、スピーカ、関連ソフト)やゲーム機能に期待しすぎると失敗する。それなりで妥協できる人にはすばらしいマシンである。テレビ機能は無い。
液晶はドットが細かいのだが、画面を大きくするわけにも、ドット数を少なくすることもできない。どちらも改悪になるだろう。身を乗り出して画面に30cmまで迫るしかない。しかし、近づくと視野角の狭さのためコントラスト低下につながる。いずれにしても、パソコンとして使うには十分すぎるほど。
640x480の画面のゲームを全画面表示すると、ワイド画面にあわせて横に伸びるか、あるいはドット通り小さく表示するしかない。比率を保ったままの拡大機能は欲しい。
キーボードで良い点は、まずまずのキータッチ、左のコントロールキーの位置、独立し、かつ縦に並んでいる「pg up」「pg dn」、矢印キーの位置と大きさ。検討すべき点は、バックスペースキーの位置と大きさ、スペースキーは「vbn」のキーの下にちゃんとあってほしい。いっそのこと、英語キーを用意してもよかった。
標準電池では2.5〜3時間くらいか。発表などには十分なので、許せる範囲と思う。が、8時間など、できるだけ長時間な方がありがたいのは確か。
ファンの音は気になる人には気になるらしい。私も静かな部屋では、最初、高速回転時に驚いた。仕事場では全く気にならない。
デザインは賛否分かれる。私は普通に気に入っている。パームレストはこれでよい。
● 修理完了 (追記)
修理に出した先代のパソコンは2週間で戻ってきた。結局ボード交換で、ハードディスクも初期化されていた(交換?)。ハードディスクではOSが完動しているのを確認してから修理に出すのだから、私も意地悪なユーザーだが、まあ、こんなものだろう。
さすがに完璧に磨かれて帰ってきたので、質のよい中古品みたいだ。システムは抜かれていたので、付属のCD-ROMから初期導入した。一世代前のパソコンとは言え、特に欠点もなく、すこぶる快適。家族で使い回しする予定である。