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建築構造Q&A

「解説書」はLotus123による多層多スパン骨組の計算(当シリーズエクセル版,ロータス版ソフト共通解説書),「センター技術基準解説書」は日本建築センター2001年版建築物の構造関係技術基準解説書,「センター構造規定」は日本建築センター建築物の構造規定1997を示す.
解説書に掲載のある物は,原則としてそのページとさせていただきます.ご了承下さい.
構造Q&A質問はトップメニューよりメールでお送り下さい.ただし基本的にソフト及び解説書にそった内容として下さい.
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ソフト全般
解説書CD-ROMをエクセルで読み込む時の注意点。
エクセルと123の操作の違いについて解説書を読む上でのポイントを教えて下さい。
ソフトのうたい文句に耐震壁ブレースを除くほぼ全ての骨組みが解けるとありますが、片方がピンのC,Mo,Qoはコードがないので解けないのではないでしょうか?
エクセルや123になれておりませんが、ソフトの方は使えるでしょうか?また、エクセル版、ロータス版どちらのソフトがお奨めでしょうか?
構造力学
Q:集中荷重、圧縮力はどうしてPなのか?
Q:
剪断力はどうしてQなのか?

Q:水平剛性はどうしてkなのか?
断面2次モーメントや剛比算定時のx及びy軸はどの軸に対して求めればよいのでしょうか
基本事項
柱脚固定の条件、解説書P92とP176はどの様に異なるのか教えて下さい。
左右で高さに差がある場合の軒高の取り方は?
             ↑                  の根拠はあるのですか?
ペントハウスがある建物等上部に差がある場合の高さの取り方について、ルート判定時等どのようにするのでしょう?
荷 重
人が上がらない屋上は積雪だけ見ればOKですよね。
小梁用の積載荷重は基準法に乗ってませんが、どのようにとれば良いのでしょう。
基準法の車庫の床荷重5400N/uは重すぎると思いますが、減らせる方法はないのでしょうか。
その他
ソフトは柱抜けは解けないとのことですが、考え方だけでも教えていただけないでしょうか。「中略」書籍多層多スパン骨組の計算は利用させて頂いてます。構造計算に取り組んでいますが、理解するには難しく感じられます。その時この本に出会いましてもう一度学ぼうと決心致しました。
あと施工アンカー(ケミカルアンカー等)は構造部材には使用不可なんでしょうか?
C,Mo,Qoの計算
CMoQoδの計算で4点、及び5点の荷重ケースが見あたりませんが計算する方法を教えて下さい。
鉛直荷重時応力の計算
汎用固定モーメント法でDFの値が入力できない。
現在M市の小中学校耐震診断の作業をしており,2つほどおたずねいたします.対象の小学校体育館は桁行き方向のブレース構造を避けて軒高7.7m平屋(S1タイプ)を3段の梁(LH-250×120)を入れ4層のラーメン構造です.
●1.→保有水平耐力の計算質問参照
●2.上記体育館は柱脚ピン構造のBH型鋼(BH-500×200〜900×200)による山形ラーメンです.この場合の長期荷重の応力算出の入力方法をお教え下さい.



このシリーズのソフトの説明「山形ラーメンの計算」に一貫計算プログラムは剛床仮定により変な応力が出るとあります。3次元剛性マトリックス法の精算法で解いているし、評定ソフトであるので変な応力が出るはずがありません。その記述はおかしいのではないでしょうか。
固定モーメント法を計算する時、柱梁の表の位置が複雑に感じます.うまく覚える方法はありませんか?
水平荷重時応力の計算
このシリーズのソフトD値法及び反曲点高比の計算で、α1の値がy1の表にない値すなわちα1<0.4 または>0.9などの場合、エラー「####」表示になる
エキスパンションジョイントの間隔の取り方は?…たとえば柱脚のバネ例題4についてお伺いします。1階での変位が2.04cm場合、3階にEXPジョイントを設ける場合は既存の駆体との間隔をどの様に考えれば良いのでしょうか?鉄骨の場合の単に5cmしても良いのでしょうか?良く理解していないままの質問で申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
保有水平耐力の計算
このシリーズのソフト保有耐力の計算で、最上層の梁を梁降伏以上のMuを入れないとヒンジ部その他がエラーとなります。対応法を教えて下さい。
現在M市の小中学校耐震診断の作業をしており,2つほどおたずねいたします.対象の小学校体育館は桁行き方向のブレース構造を避けて軒高7.7m平屋(S1タイプ)を3段の梁(LH-250×120)を入れ4層のラーメン構造です.
●1.貴著P152,156-Step5終局曲げ耐力の再入力値の算定方法をお教え下さい.コピーを送付しております.
●2.→鉛直荷重時の計算の質問参照


ベクターサイト、ソフトの内容説明に鉄骨系必要保有水平耐力のソフトはDs=0.4とすれば不要と書かれていますが、柱脚の設計は非常に面倒だと聞いています。柱脚の設計がありますので、ルート3の保有水平耐力の計算はそう簡単にできると思いませんが。
梁の保有耐力横補剛とはなんですか?
小梁の保有耐力横補剛はどうすれば良いのでしょうか?
基礎構造
















ソフト

解説書CD-ROMをエクセルで読み込む時の注意点。
:エクセルのメニューで[ファイル]→[開く]のダイアログボックスの下のあたり、ファイルの種類で[▼]ボタンを押してLotus 1-2-3ファイル (*.w*)を選んで開いていただくと、多少のエラーは出ますが、続行していただくと問題なく開くことができます。

エクセルと123の操作の違いについて解説書を読む上でのポイントを教えて下さい
:まず123のカレントセル(カーソル)のことをエクセルではアクティブセルと言います.Excel&123-Stressソフトの方はSTメニューとほとんど数字キーのみで入力が行えますので,特にソフト意識せずに行えると思います.
ただし,他のセルを参照する場合はロータス版は”+”キーを押してから,エクセル版は”=”キーを押してから方向キーで目的のセルを指定してEnterキーを押します.数式を入力する場合もエクセルは”=”を押してから数式及び関数を入力します.ロータス版は”+”を押し数式を入力し,関数の前には @ を付けます.

ソフトのうたい文句に耐震壁ブレースを除くほぼ全ての骨組みが解けるとありますが、片方がピンのC,Mo,Qoはコードにないので解けないのではないでしょうか?
:解けるように考えられております。他端ピンの公式を載せると非常に計算式が複雑になるので,初めての方のことを考えて公式で対応させない方法としています.他端の0.5Cを加える方法です.詳しくは解説書(P205)を参照して下さい.

エクセルや123になれておりませんが、ソフトの方は使えるでしょうか?また、エクセル版、ロータス版どちらのソフトがお奨めでしょうか?
:Excel&123-Stressソフトの方はSTメニューとほとんど数字キーのみで入力から印刷までが行えますので,表計算が多少苦手な方でもお使いいただけるものと思います。強いて言えばエクセル版はセルの計算式に文字が入力されたセルがあるとエラーになるため,エラー回避の計算式がセルに含まれています.セルの計算式も見て理解の一助とするされる方には不向きな部分があるかもしれません.

構造力学

Q:集中荷重、圧縮力はどうしてPなのか?
こじつけかもしれませんがPoint load(しかし英語にはこの使い方はありません)P、圧縮することからpressure のPあたりではないかと思われます。
Q:剪断力はどうしてQなのか
:これはドイツ語の剪断力を意味するQuerkraftから来ているものと思われます。
Q:水平剛性はどうしてkなのか?
:水平剛性は一種の水平バネであることから、フックの法則F=kx(kはバネ定数)のkから来たのではないかと推定されますが、確証はありません。代表的なのはD値法のD値ですが、これも水平バネですね。
断面2次モーメントや剛比算定時のx軸及びy軸はどの軸に対して求めればよいのでしょうか
:作用する荷重に対して直交する軸で求めます.詳しくは「解説書」(P86)参照.

基本事項

柱脚固定の条件、解説書P92とP176はどの様に異なるのか教えて下さい。
:基本的に露出柱脚はバネの固定度を有する半固定、それ以外(RC造、S造埋め込み柱脚)は、P92の条件を満たす場合柱脚固定と見なされます。ただし露出柱脚でも例外的にP176の条件を満たす場合にのみ固定となります。
左右に高さの差がある場合の軒高の取り方について教えて下さい.
:軒高はルート判定等に必要と思われます.片流れの様に左右で差がある場合は大きい方を軒高とします(WRC:壁式鉄筋コンクリート造も同じ).ただし束などで小屋組がある場合はその部分は含みません.山形ラーメンの場合は両肩の部分を軒高とします(棟部分に柱があるものを除く)

             ↑                  の根拠はあるのですか?
:「誰にもわかる建築法規の手引き」,建築知識2002-2月号最新集団規定難解条文攻略ガイド,センター新WRC設計指針等.
参考:建築基準法施行令第2条 軒の高さ…地盤面から建築物の小屋組又はこれに代わる横架材を支持する壁,敷げた又は柱の上端までの高さによる.

:ペントハウスがある建物等上部に差がある場合の高さの取り方について、ルート判定時等どのようにするのでしょう?
:ルート判定に用いる高さは意匠設計で用いる高さと同じとします.つまり基準法施行令第2条に取り決めのように,地盤面(基準法で言う平均地盤面=建物が接する地盤の平均面)からの高さとし,通常パラペット天までとします(解放性のある手すり等は含まない).また,ペントハウス等の屋上突出物は含みません.また各行政庁で定める高層RCの取り扱いについてはこれによらない場合もありますので,所轄の行政庁に問い合わせて下さい.ただし,地震力を算定するときのRtに用いる高さは,屋上の水下コンクリート天とします(ペントハウスを除く).切り妻屋根の建物に対しては平均の高さでとります.

荷 重
人が上がらない屋上は積雪だけ見ればOKですよね。
:屋上を使用しない場合でも住宅用の床荷重(施行令85条参照)の半分のLL(積載荷重)程度を見るのが一般的です.ただし勾配屋根と鉄板ふき屋根の場合は見なくてもOKです.

小梁用の積載荷重は基準法に乗ってませんが、どのようにとれば良いのでしょう。
:床用の値をとるか,床用とラーメン用(架構用)の中間の値とします.(→解説書P40)

基準法の車庫の床荷重5400N/uは重すぎると思いますが、減らせる方法はないのでしょうか。
:乗用車しか利用しない場合が明らかな場合は,床用4000N/u,大梁柱用(架構用)3000N/u,地震用1500N/uとすることができます.(東京都指針)
全 般
ソフトは柱抜けは解けないとのことですが,考え方のみでも教えていただけないでしょうか。「中略」書籍多層多スパン骨組の計算は利用させて頂いてます。構造計算に取り組んでいますが、理解するには難しく感じられます。その時この本に出会いましてもう一度学ぼうと決心致しました。
:解ける場合もあるのですが,全ての場合が解けるとは限りませんので,混乱を避ける意味から一応解けないとしました.手計算では部材角が発生しない場合は解くことができます.つまり最上階の柱のみがが抜けている場合です.2F建ての2F柱が抜けている場合を説明します.1.固定モーメント法(鉛直荷重時)この解法は実務上節点の移動のない場合に適用されます.つまり部材角が発生しない場合です.おたずねの場合1Fの柱が抜けていると部材角が発生しますが(1Fの柱が無い部分の2FLの節点が下がる),これに該当しないので通常の固定法の解法が可能です.柱が抜けている部分の上の梁は全長で剛比の計算をしていただければ,そのまま固定法の計算が可能です.CMoQoもその梁の全長で計算します.2.D値法(水平荷重時)柱が抜けている部分の上の梁は全長で剛比の計算をするのは固定法に同じです.柱抜けをした下の柱の反曲点高比は,1F建ての1F柱として計算します.なぜなら,左から水平力が掛かる場合,上の柱が無ければ,上の柱が節点を時計回りに回転させようとする力が働かないので,反曲点高比が下がる(柱頭のモーメントが増える)と言うことになります. しかし,実務的にはなんの疑いもなく2F建ての1F柱とする事が多いようです.試しにyoの表(p113)を引いていただければ,同じk_の値なら,2F建ての1F柱より,1F建ての1F柱の方が反曲点高比が下がっています.と言うことからその柱は平屋建ての1F柱として反曲点高比を計算していただければ良いでしょう.なおこの柱は2F柱脚からのモーメントが無いので,キの字型モデル(P185)の層数1のケースにぴったりあてはまりますので,これを適用していただいても良いでしょう.また,D値を計算する際の平均剛比は上階,下階に柱があるか無いかは計算式から一応関係無いことになっています.D値はそのまま計算すれば良いでしょう.なお,考え方を述べましたが,最近はPCが身近に使えますので梁抜け柱抜けの場合は剛性マトリックス法などのプログラムを使うこともよいでしょう.3.節点振り分け法(保有水平耐力時)お送りした,新壁式WRC計算例を参照して下さい.なおソフトでは保有水平耐力の計算のみ別に利用することがあるとの考え方から,白地ワークシートを公開しました.
あと施工アンカー(ケミカルアンカー等)は構造部材には使用不可なんでしょうか?
:建築構造行政連絡会資料によると,日本建築防災協会「耐震診断基準・同解説」による補強に用いる場合,又は,増築工事等に置いて施工上やむを得ない場合に,余力を持たせた設計をし,実験等により耐力を確認した場合には,既存部分に取り付く小梁,壁スラブ,間柱等に使用することとする.ただし化学的な作用で定着させるもののついては熱による体力低下が大きいため,仕様箇所等に配慮すること.
C,Mo,Qoの計算
CMoQoδの計算で4点、及び5点の荷重ケースが見あたりませんが計算する方法を教えて下さい。
この荷重ケースの場合は荷重コードに該当するものがありませんが通常の手計算と同様、集中荷重が4以上の場合は等分布荷重にならすと言う方法を採ります。(このソフトは手計算の意味合いを持たせ構造的感覚を養う事を重視しているため)
ωの計算方法は、
●解説書をお持ちの場合。
P206を参照下さい。詳しく述べられています。
●解説書をお持ちでない場合。
簡単に言えば、等分布荷重にならす場合両端にも1/2Pがあると考えωを計算し、等分布荷重(荷重コード6)として計算すれば通常安全側の値となります。計算シートの空いている部分にその旨記入しておけば良いでしょう。
鉛直荷重時応力の計算
汎用固定モーメント法でDFの値が入力できない。
:DFは剛比から計算されますので、剛比を入力すると計算されます(直接入力はできません)。


現在M市の小中学校耐震診断の作業をしており,2つほどおたずねいたします.対象の小学校体育館は桁行き方向のブレース構造を避けて軒高7.7m平屋(S1タイプ)を3段の梁(LH-250×120)を入れ4層のラーメン構造です.
●1.→保有水平耐力の計算質問参照
●2.上記体育館は柱脚ピン構造のBH型鋼(BH-500×200〜900×200)による山形ラーメンです.この場合の長期荷重の応力算出の入力方法をお教え下さい.
●2.以前はピンと見なしていたものでも,いくらかの回転剛性があるので現在では柱脚をバネとするのが一般的です→解説書P9参照(この手の柱脚を持った実物実験で水平荷重時0.1〜0.2程度の反曲点高比).この場合もP191〜と同様な方法で求めることができます.
a)まず,KBS.xls(又は.wk4)で柱脚のバネ定数及び置換梁のkを求めます.このときdt+dcの寸法は鉄骨圧縮フランジからアンカーボルトまでの位置とします.P9上図左から2番目の図のようにアンカーボルトが4本の場合は,4本のアンカーボルト重心の位置までをdt+dcとします.
b)次に柱脚固定の場合の山形ラーメンの応力を山形ラーメン.xlsで求めます.
c)そして固定法.xlsにて層数1,スパン数1,柱脚形式4(バネ:ダミー梁置換)を選択し作表を行います.その柱脚モーメントを解放した場合を固定モーメント法で求めます.柱脚モーメントの入力法はP194【例題1】K113セル,O113セルと同様です(左側+,右側-),柱脚モーメントのみ入力します.
d)最後に,両者を重ね合わせた物が求める応力となります.ここで柱脚応力は固定法Σ欄のままです→P195上図参照.
※1:変断面の剛比は現在のところ求める方法がありませんのでBH型鋼(BH-500×200〜900×200)の平均部分のにて剛比を求めます.これを考慮するには,部材を何分割かにして剛性マトリックス法で行うのが良いでしょう.
※2:お送りいただいた図を見ると3ヒンジラーメン(棟部分ピン)に近くも見えますがこの場合はこの解法によることができません.
●備考:ロングスパンですので長期応力はもう少し正確に求めた方が良いでしょう.柱脚の固定度が少ないので山形屋根部分の応力が下に下がります(下側の曲げが大きくなる).屋根の軒部分の応力(P194【例題1】で言うとL108セルの値)の1/2を棟部分のモーメントMcに加算すると良いでしょう.また略算法ですので,応力は余裕を持って下さい.

このシリーズのソフトの説明「山形ラーメンの計算」に一貫計算プログラムは剛床仮定により変な応力が出るとあります。3次元剛性マトリックス法の精算法で解いているし、評定ソフトであるので変な応力が出るはずがありません。その記述はおかしいのではないでしょうか。
:15度以上の角度が付いた骨組みも評定からはずれることはなくなりましたが,剛床仮定があるため電算チェックリストにより所見を書くよう要求されているはずです.山形ラーメンの一貫計算プログラムによる計算値を載せましたのでここから参照して下さい.

固定モーメント法を計算する時、柱梁の表の位置が複雑に感じます。うまく覚える方法はありませんか?
:梁は感覚的に理解できると思いますが,柱の両横が柱を計算する欄と覚えれば良いと思います(残りの欄が梁です).
水平荷重時応力の計算
エキスパンションジョイントの間隔の取り方は?…たとえば柱脚のバネ例題4についてお伺いします。1階での変位が2.04cm場合、3階にEXPジョイントを設ける場合は既存の駆体との間隔をどの様に考えれば良いのでしょうか?鉄骨の場合の単に5cmしても良いのでしょうか?良く理解していないままの質問で申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
:間隔の取り方は次が参考になるでしょう.建物相互の距離は各階の層間変形の累加値の2倍以上とする(建築構造設計指針:東京都).つまり例題4の方法で残りの階も求め,各階を加算した物を2倍します(捻り補正が必要な場合は補正する).2倍するのは終局時も考慮するためです.既存の建物も同様にして求め,エキスパンションジョイントの間隔は両者を足し合わせた数値以上とします.

D値法の基本が分かっていないのでしょうかD値法 y1についてお尋ねします。このシリーズのソフトD値法及び反曲点高比の計算で、α1の値がy1の表にない値すなわちα1<0.4 または>0.9などの場合、エラー「####」表示になる。α1=0.4またはα1=0.9として表を適用してはいけないのでしょうか、ご教示ください。
:基本的に、D値法は柱に取り付く上下の梁の剛比にあまり差がないことを前提に理論が導かれているので、表の範囲を超えるとD値法の適用外となります。表を外れるときは剛性マトリックス法など他の解法によって下さい。
なお、ソフトは表の範囲を外れるとエラーを出力し、続行できない仕様としています。ただしα1は小数点2位を四捨五入して表を適用していますので0.35までは0.4と見なされ、計算が可能です。0.9より大きい場合でも四捨五入して0.9となる場合は表の範囲内です。それ以上で四捨五入して1.0となる場合は解説書P114のとおりα1=1.0の時はy1=0となりエラーは出ないはずですがいかがでしょうか?また上梁の剛性が大きいときは解説書P114にもあるように、逆数としますので1.0以上の値は出ないはずですが、いかがでしょうか?
保有水平耐力の計算
このシリーズのソフト保有耐力の計算で、最上層の梁を梁降伏以上のMuを入れないとヒンジ部その他がエラーとなる。対応法を教えて下さい。
これは柱分割係数の欄が0で入力されていると、最上層は上の柱の分割係数が無い(=0であるのと同じ)為、柱にモーメントを割り振る際に分母が0であるため0除算エラーを引き起こすためです。解説書にもありますように、分割係数の入力は最左部より入力するとその類の入力ミスを防ぐ事ができます。

:現在M市の小中学校耐震診断の作業をしており,2つほどおたずねいたします.対象の小学校体育館は桁行き方向のブレース構造を避けて軒高7.7m平屋(S1タイプ)を3段の梁(LH-250×120)を入れ4層のラーメン構造です.
●1.貴著P152,156-Step5終局曲げ耐力の再入力値の算定方法をお教え下さい.コピーを送付しております.
●2.→鉛直荷重時の計算の質問参照
:●1.鉄骨ですので終局曲げ耐力計算式は解説書P149上部のMpcの式を使用します.この式にはN(軸力)の値が含まれているので,1次崩壊時軸力(付加軸力)と長期軸力を加算してNを算定する事により,再入力値が求められます.計算のポイントは解説書P153:「軸力によりMpcの値が変動しない場合が多いので,まず長期軸力のみを考慮し,次に外柱のみ1次崩壊時+長期の軸力を考慮して,Mpcが変動しないかを確認する.」です.中柱は左右の梁の剪断力がうち消され柱に付加軸力が少ないので外柱のみMpcを再計算すると言う方法が通常行われています(梁ヌケ部は計算必要).
※:保有耐力算定のプログラムは梁抜けには対応していませんが,簡略的に梁の無い部分のMuを0にして入力すれば便宜上計算可能と思われます.ただし正式な方法ではありませんのでその旨記入すると共に,検算を行った上で使用して下さい.又は保有水平耐力用白地ワークシート(保有白地.xls)をご利用下さい.

ベクターサイト,ソフトの内容説明に鉄骨系必要保有水平耐力のソフトはDs=0.4とすれば不要と書かれていますが、柱脚の設計は非常に面倒だと聞いています。柱脚の設計がありますので、ルート3の計算はそう簡単にできると思いませんが。
:ご指摘も一理ありますが,柱脚を楽に計算する方法があります.それは,柱脚を根巻き柱脚として設計する方法です.根巻き柱脚は露出柱脚に比べて耐力式がはっきりしない部分もありますが,センター柱脚の設計のフローが12通りもある現在,根巻き柱脚とするのも止むを得ないでしょう.また,コストが許せばベースパック等の保有耐力接合柱脚もよいでしょう.(実務者の間では柱脚の設計が非常に面倒とのことからベースパック等が選ばれる一面があるようです)根巻き柱脚の設計はセンター技術基準解説書(P496〜),センター構造規定(P302〜)を参照下さい.


梁の保有耐力横補剛とはなんですか?
:H型鋼梁に荷重が係っていくと,横にはらむ現象が生じます.これを横座屈と言います.鉄骨造建物の終局時に梁の持っているMpを発生させるためには,横座屈を止めて梁の持つ耐力を十分に生かす必要があるわけです.終局時に部材で横座屈を止めることを保有耐力横補剛と言います.通常この横座屈を止めるには小梁で押さえるわけですが,その際Mpを十分に発生させるための小梁の本数を満足させる事を保有耐力横補剛を満足させると言います.

小梁の保有耐力横補はどうすれば良いのでしょう
:小梁は水平力に抵抗しませんので(鉛直力だけを負担している)保有耐力横補剛は必要ありません.
基礎構造