PIMとExif Printについて |
PIM(Print Image Matching)はセイコーエプソン社が開発した、デジタルカメラ画像を美しく忠実に印刷するための仕組みです。
同様に、印刷性能を向上させる規格としてExif Printというものもあります。
以降、これら2つの規格を比較しながら説明します。
概要
デジタルカメラで撮影した色とパソコンのディスプレイで表示した色、プリンターで印刷した色、それぞれ微妙にズレがあり、ピッタリ一致することはありえません。
カラープロファイル(ICC Profile)と呼ばれる写真家や印刷会社などのプロ向けに、色の一致を取る仕組みはあります。
しかし、補正データをそれそれの機器用に用意し、特殊な測定器で機器の特性データを取ったり、バージョンによって取り扱いが異なったりするので、一般向けではありません。
また、コンピュータで扱う画像はRGB色空間で指定され、今までは写真画像を十分に再現出来るとされていました。
しかし、デジタルカメラやカラープリンターの性能は日進月歩で、今ではそれ以上の階調表現が出来ます。
今まで通りの処理では、RGB色空間に規格を合わせなければならないため、向上した分の性能は発揮出来ません。
PIMの仕組み
デジタルカメラ側では、仮想のプリンター(理想プリンター)に対し印刷するイメージで、最適な補正データを作ります。
プリンターや印刷プログラムでは、デジタルカメラが発行した補正データとプリンター自身の特性をふまえ、理想プリンターで印刷したものに近い印刷をします。
Exif Printの仕組み
カメラからプリンターへは、Exifデータが利用されます。
撮影時にオートやマニュアルで撮った項目など、カメラの設定内容から、撮影者の意図を汲み取り、撮影者の期待する画像を再現しようとします。
データ
PIMは
現在3つの規格が有ります。
・PIM メーカーノート内の0x0E00タグ配下に記録され、Exif Printとの同時利用は出来ない
・PIMU Exif、0thIFDの0xC4A5タグ配下に記録され、Exif Printとの同時利用が出来る
・PIMV 記録場所や同時利用などはPIMUと同じ、トーンカーブ指定など色補正関連が強化されている
Exif Printは
Exifのタグデータを利用するため、別途データは必要ありません。
Exif 2.2の愛称がExif Printと言うことで、バージョンが2.2以上であれば、Exif Printに必要なタグを必須タグや推奨タグとして規定しています。
JpegAnalyzerではExifのバージョンが2.2以上であれば、、Exifバージョンの項目に"Exif Print"と表示されます。
利用するには
デジタルカメラやプリンターがそれぞれ同じ規格に対応していないと利用出来ません。
ケーブルでカメラとプリンターを直接つなぐダイレクトプリントやメモリーカード渡しが、カメラとプリンターの規格だけ一致させれば良いので、対応させやすいです。
現状、最近のデジタルカメラは、両規格にほとんど対応していますが、プリンターに関してはPIMは実質エプソン社の製品のみ、Exif Printは色々なメーカで徐々に増えつつある状況です。
パソコンを介して処理するには、規格に対応したソフトも必要になります。
汎用的なソフトでそれらの規格に対応したものは余り知られていません。
唯一知られているのがアドビ社のPhotoshopとPIMプラグインの組み合わせではないでしょうか?
このプラグインはExif Printにも対応しています。
また、プリンターに添付されている純正印刷ソフトにも、PIMやExif Printに対応しているものが有ると思いますので、それらの使用説明書などを見てください。