JpegAnalyzer操作説明 Exif解析機能 Back

JpegAnalyzerはデジタルカメラの撮影情報(Exif)を詳細に表示出来ます。
また、設定を幾つか用意していますので目的に合った表示方法で使用出来ます。

基本タグ情報の表示

IFD(タグデータの集まったブロック)単位に、記録順でタグを表示します。
表示しても余り意味の無い配列データを除き、最新のExif(Ver.2.21)まで、ほぼ全てのタグに対応しています。

表示される情報(列)は左からアドレス、タグ番号、タグの意味、値または値の意味となります。
基本的に数値は10進で表しますが、以下の値は16進表示で表記記号は省略しています。
 アドレス、タグ番号、オフセット値、ポインター、ダンプ値、バイト型のタグデータ

メーカーノートの表示

全てのメーカや機種には対応出来ていませんが、現存のExif解析ソフトの中では、対応機種、表示出来る情報量共に最も多い部類に入ると思います。

メーカーノートは一般にExifと同じくTIFF-IFD形式のものが多く、解析リストはExifと同じ書式で表示します。
基本的に解析済みの意味の判るデータを表示しますが、設定を替えて意味の判っていないタグデータも表示する事が出来ます。
タグの意味が判っていないものは、タグ名の所にタグデータのタイプ、値表示の所に値または値の範囲とデータ数を表示します。

IFD形式以外のメーカーノートは、テキストで読めそうなものはテキスト表示で、フォーマットが分からないものや未登録のものはダンプ形式で出力されます。

ほかに、以下のような二次加工ソフトによりメーカーノートが正常に読めなくなってしまったものでも、補正して表示する機能があります。


メーカーノートのタイプ判定
メーカーノートの中には、先頭に固有の識別符号を記録するものがあり、JpegAnalyzerではその識別符号を基にメーカーノートのタイプ判定を行っています。
これにより、カメラメーカーとは異なるメーカーのソフトで加工を行い、加工ソフト側のメーカーノートに置き換わってしまうものも正しく解析出来ます。

<< メーカーノートとメーカ名が不一致 >>   CANON
000003C4-00000417 MakerNote(000003CE)    NIKON Type 3 Tag-5
000003E0 0001 メーカーノート版数      0.2.1.0
000003EC 0011 サムネイルIFDのポインタ    0000042E (Value-00000060)
000003F8 00A2 画像データーサイズ      158,210 bytes
00000418 0E09 ソフトウェア         Nikon Browser 6.2.5 W
00000410 0E10  (LONG)           190

また、市川ソフトラボラトリー社の現像ソフトSYLKYPIXで出力されたものは、ソフト独自のメーカーノートが記録されます。
これについてはイレギュラーな事ではないので、エラーは表示しません。

000004AC-000004E1 MakerNote(000004BC)    ISL Tag-2
000004CE 0001 メーカーノート版数      30 30 30 31
000004E2 0100 ISL Multi purpose file format 000004E2-000032D5 11,764 bytes


バイトオーダー反転補正
上位Exif IFDのタグとメーカーノートとのバイトオーダーが異なる場合、補正して読み取ります。
<< 数値が逆順(Big Endian)で書かれています >>
00000313-0000042C MakerNote(0000000C)    MINOLTA Type 5 Tag-23


メーカーノートの位置ずれ補正
オリジナルのExif/TIFF/RAWファイルからタグの挿入/削除によってデーターオフセットが位置ずれしたメーカーノートを補正します。
ダグデータの中に識別に使える固有な文字列や値が有る物は自動で位置補正を行い、それ以外はずれ量を入力する形でマニュアルで補正も可能です。

このMakerNoteはOffsetを-17731バイト調整して表示しています
00000289-000003AC MakerNote(FFFFBAC9)    SIGMA Tag-23
               ↑(括弧)内がオフセット値で、値が加減されます。FFFF????はマイナスの16進値です。


メーカーノートデータの欠落検出
メーカーノートによっては、タグで指定されている領域より外、Exif内の未割当な領域にデータを記録するものが有ります。
加工ソフトなどによってExifを書き換えると、そのようなデータは無くなってしまいます。
一部のメーカーノートに限り、データの欠落を検出する事が出来ます。

<< (*)マークされたデータは失われています >>
0000051B-00000660 MakerNote(00000016)    OLYMPUS Tag-26
00001A6A 0200 シャッターモード       *


要約表示

メーカーによっては多量に情報が表示され、見たい撮影情報を見つけ難い場合があります。
要約表示は、主要な撮影情報を抜き出して、まとめて表示することで判り易く表示します。
また、ホームページなどで写真の撮影情報を記載するような場合、コピーして利用すれば、撮影情報を手入力で転記しなくて済み、転記ミスを防ぐ事も出来ます。

要約情報だけの表示に出来るほか、スクロールを末尾にすることで、ファイル読み込み時は要約表示が見える位置で表示させるといった事も出来ます。

表示する情報は以下の通り

1行目 撮影日時、メーカー、機種
2行目 画像サイズ(アスペクト比)、露出時間、F値、ISO、露出補正、ホワイトバランス、焦点距離(35mm換算値)
3行目 機種特有の機能(標準値以外で表示)

レンズ交換式デジタルカメラのレンズ名表示機能

レンズ交換式デジタルカメラのメーカーノートにはレンズIDという、各レンズに割り当てられた識別コードが機種によって記録されている場合があります。
JpegAnalyzerにはレンズIDからレンズ名に変換するための、LensData.iniと言うファイルを用意し、レンズ名を表示しています。
LensData.iniはテキスト形式で記録されていますので、登録されていないものや、間違っているものなど、使用者自ら編集して追加修正が可能です。

他に、レンズIDが記録されない機種でも、レンズの焦点距離データなどが記録されるものは、それらのデータにより、レンズ名を特定し表示することが可能です。
これらのデータもLensData.iniに記録されており、追加修正が出来ます。

レンズIDや焦点距離などから特定されるレンズ名は、場合によって複数表示される場合があります。
ご使用のレンズだけ登録、他は削除するなどすれば判り易くなります。


メーカーノート解析用添付ファイルについて

メーカーノート解析用として幾つかの添付ファイルを用意しています。
これらのファイルはデータの追加・修正を容易にし、JpegAnalyzer本体サイズの肥大化を抑える目的で作りました。
JpegAnalyzerと同じフォルダに保存しておけば、該当の情報が表示されます。
また、無くても該当情報が表示されないだけで、動作には影響を与えません。

LensData.ini レンズ交換式カメラのレンズID変換データ
Canon.ini   カスタム機能などの変換データ
Casio.ini   ベストショット機能の変換データ
Olympus.ini  カメラタイプコード変換データ
Pentax.ini   カメラタイプコード変換データ、シーンモードなど

※LensData.iniなどのサイズの大きなテキストファイルはメモ帳で編集することが出来ません。
 ワードパットやTeraPad(フリーソフト 作者:寺尾進 氏)などの制限の無いエディターで編集して下さい。


PIM(Print Image Matching)の表示機能

PIMデータの番号とデータ(4バイト)を表示します。
メーカーノートと同様に二次加工ソフトにより正常に読めなくなってしまったものでも補正して表示出来ます。
但し、仕様が公開されておらず数値表示のみとなりますので、デフォルトでデータ表示行を非表示にしています。


35mm換算焦点距離算出機能

デジタルカメラでは、35mm版フイルムカメラでの換算焦点距離が画角を表す基準となっています。
画角とは被写体がどの程度の大きさで写真フレームの中に写るかを表す値です。

デジタルカメラには、この35mm換算焦点距離が記録されない機種が多数存在します。
数値が記録されない機種では、LensData.iniに記録された換算倍率データを使って算出します。
結果は要約表示、レンズ焦点距離横の<括弧>内に表示されます。
35mm換算焦点距離が記録されている場合は、タグの値をそのまま(括弧)内に表示します。


被写界深度算出機能

通常カメラでピントを合わせた位置より手前と奥はピントが合わなくなり画像がぼけます。
手前のピントが合っている境界と奥側のピントが合う境界間を被写界深度と言います。

Exifには被写界深度を求める為の数値が含まれており、あと少しの数値を加える事で、被写界深度を計算出来ます。

必要な数値は「レンズ焦点距離」「被写体距離」「F値」「許容錯乱円径」で、足りない数値は「許容錯乱円径」と「被写体距離」という値になります。

「許容錯乱円径」は撮像素子の大きさが判れば計算出来ますが、JpegAnalyzerはこれを35mm換算焦点距離の値を使って比率で求めています。
「被写体距離」はExifやメーカーノートに記録されている場合がありますが、一般には記録されていません。
よってこの値だけ設定するようにしています。

ご自分の撮影で使う被写体までの距離を最大5パターン登録できますから、それらのうち一番近い距離に対応した深度を参照して下さい。


関連機能

・表示する項目を選択可能
・ファイル読み取り直後にExif表示が可能
・Exifの表示位置を前回位置、先頭、メーカーノート先頭、末尾の中から指定可能
・ダンプ画面からTIFF形式、IFD形式の先頭アドレスを指定し、解析表示が可能
・多重起動によって、複数ファイルの比較が可能
・メーカーノートの記録位置ずれの補正
Exif/TIFF/RAW設定(上段項目)
ファイル読取り直後の画面指定
Exif/TIFF/RAW設定>Exif表示位置
TIFFヘッダー解析・IFD解析
多重起動禁止・許可
Exif/TIFF/RAW設定>メーカーノートOffset自動調整
Exif/TIFF/RAW設定>メーカーノートOffsetマニュアル調整


関連ページ

Exifについて
メーカーノートについて
PIMとExif Printについて
Exif解析例

メーカーノートの調査状況は以下のページで確認出来ます。
http://homepage3.nifty.com/kamisaka/makernote/