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サファイア


後編。途中いきなり切れます。実際原案も……。

アメジスト 私はサファイア様の妹、アジュの所をたずねた。彼女は要職についている兄と違って山奥でひっそりと暮らしていた。
 サファイア様同様、不思議な感性を持った彼女は人のオーラを読む事が出来るので色々と辛い目に合い、世捨て人になったのだとサファイア様に昔聞いた事がある。
「お兄様は、失踪する少し前にここを訪れました」
「本当にっ!?」
 来た甲斐があった。今までサファイアさまの軌跡は皆無だったから。
「お兄様は『自分は死んだものと思って探さないで欲しい』と言っていました」
「どうして……?」
 その時アジュがハッとした表情をしたので何か思い出したのかと思ったので即座に聞いてみた。
「何か心あたりでもあるのか?」
「いいえ……あの、向こうにいる方が、えぇとあの方のオーラが少しお兄様に似てるんです」
「え……?背の高い方か?」
「いいえ、あの小さくて真っ黒な髪の……」
「ル、ルビーが……?」
 ルビーとサファイア様のオーラが似てるだなんて、いくらサファイア様の妹でも頭がおかしくなったとしか思えない。
「絶対似てないっ!!」


 その疑惑は日に日に膨らんでいった。

 私はルビーに催眠術をかけてみる事にした。術にはまったルビーの第一声は……。
「そうだよアメジスト、ボクがサファイアさ」
「ル……サファイア様!?」
「別の人間になりたかったボクはコランダムを持って毎日さまよっていた」

 出来るだけ人が居る所を避けて歩いていたある日、久しぶりに人の声が聞こえた。
「ルビー、死んだなんて嘘だろっ!?うぅっ……」
「誰かが泣いている。どうしたんだろう?」
 それは弟、ルビーを失った兄、ホープだった。
(↓回想続き。当時の漫画そのままで)
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「そのルビーって子はボクに似ているの?」
「あぁ、ルビーは剣士見習いだったけどサファイアと瓜二つだって評判だったんだ……」
「そっか、外見がそんなに似ているなら魂の色だって似ているかも……」

「その先は予想がつくかい?アメジスト」
「ルビーと融合?」
「まぁ、そんな所だね。別人になりたかった僕はまだその辺にいたルビーの魂と一緒にコランダムと契約したんだ。ボクらの魂半分ずつが天昇していった」
「どうして、そんな事を……?」
「どうして……?君には解らないかもね。ボクは君の思う程素晴らしい人間なんかじゃないよ。自分の欲望の為だけに恩がある協会を裏切ってコランダムを持ち逃げしたのさ」
「貴方は何でも手に入れていたでしょう?」
「ボクの欲しかったモノを捨ててしまった君。ボクは剣士になりたかったのさ。でも錬金術能力に恵まれそれを極めるしかなかった。でも毎日毎日剣士になりたくて……恋焦がれてもその才能はボクには皆無だった。そんなある日アメジストが現れた。」
「私が?」
「折角ボクのなりたかった剣士になれたのに錬金術師になりたいから弟子にしてくれと、瞳を輝かせて言う君。そしてあっさりある程度の錬金術師になってしまった。僕はここから動けない」
「ボクは君が羨ましかった。君を壊したかった!!」
「え?」
「どうして探しに来たんだ!?そっとしておいてくれれば……」
「サファイア様……」
「毎日平然としたフリして耐えていた。アメジストはボクを慕ってくれている。でも何度行動に起こそうとした事か。今すぐあの純粋な瞳をいつもの笑顔を奪ってしまいたかった……」
「昔の私は…それでもかまわなかった。正直な感情をぶつけてくれるのならショックな事が起きても、たぶん」
「ありがとう。でも、サファイアは死んだんだ。今のオレはルビーでありサファイアであり、ルビーでもサファイアでもない。もう、そっとしておいて欲しい。オレは残りの人生を精一杯、生きたいんだ」
「わかった。さよなら、サファイア様」
(でも、たぶん……)
 目の前に元の、私の知ってるルビーの姿になった人を抱きしめた。
(また、貴方を好きになりそうな気がする……)

※END※

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