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キメラ・・・2種類以上の遺伝情報を持つ細胞が混じりあっている生物。

例えば、人魚、ヘビ女、カエル男・・・奴らは、みんなキメラだ。

キメラを、そう簡単に見ることは出来ない。その辺を歩いてはいないから・・・。

恐ろしい生き物。おぞましい化け物・・・。

みんな見たこともないのに、好き勝手にデタラメなことを言っている。

でも、ボクは見たよ、本物を。

実は、奴らはそんなに悪い連中じゃ無かった。いや、むしろ良い連中だよ。

面白い仲間、明るい家族。みんな楽しく生きている。

ボクは、実際に、本当の彼らの姿を、君にも見せてあげたい。本物のキメラを・・・。

え? 君も見たい? 本当に?

実は、居るんだよ。キメラが、あるサーカス小屋に・・・。

 

 

サーカス小屋は、ある小さな島にあるんだ。

不便な場所にあるのに、にぎわっている。

テントも設備も素晴らしく、ローラーコースターとか、面白い乗り物も沢山ある。

楽しいものは何でもそろっている・・・。ここは、夢の国、ワンダーランド。

みんな楽しそうに笑っている・・・ピエロも、見物人も、狂ったように笑っている。

巨大な遊具に振り回され、笑顔に恐怖を貼り付けながら、歓喜の悲鳴をあげて笑っている。

みんな楽しいの? 首から下は、機械に喰い付かれているのに・・・。

おっと、忘れてた。今日は、キメラを見に来たんだった。

心配ないよ。奴等はテントに居る。

でも、気を付けて・・・。腹話術の人形を持ったピエロが見張っているから・・・。

あ、怖いんだ。でも、怖がりたいんだ。

君は、怖いもの見たさに、ここに来たんだから。

 

 

そうだ、あの少年の話をしていなかった。キメラに襲われて、悲惨な姿にされた少年の話を。

ボクに言わせれば、彼が悪いんだ。

不用意にキメラに近付きすぎたんだ。

キメラは半分動物なのに・・・彼は、キメラに触ろうとした。そして、両手を失った。

彼は悲鳴を上げている。

キメラは足が速いのに・・・彼は走って逃げようとした。そして、両足を失った。

彼は悲鳴を上げている。

キメラに噛み付かれて、食いむしられて、ボロ雑巾のようにズタズタに切り裂かれて・・・。

彼は悲鳴を上げている。

でも、生きていた。運が良かった。一命を取り留めたみたいだ。

あれは、何年前のことだろう? 彼は、今ではすっかり元気だよ。心配しなくて良い。

ちょっと、頭はおかしくなったけど・・・。

 

 

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