TimpaniでRPGを作ろう!

―5.3. イベントを作る―


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5.3. イベントを作る

5.3.0.1. イベントとキャストイベント

イベントは「キャスト」に対して行動を起こした時に発動する「キャストイベント」と、マップに入ってきた時と、イベントとしての戦闘の後に自動的に始まる「イベント」の2種類に分けられます。

この2つの編集の方法は、ほとんど同じですが、少し差もあります。

イベントを編集するときには、右上のプルダウンメニューで「イベント編集...」を選びます。

これは、イベント編集画面です。

イベントは、「状態」毎に違う場所に格納されるため、状態毎に一括して切り替えることが出来ます。

キャストイベントを編集する時には、各キャスト編集画面から、「イベント編集」ボタンを押します。

これは、キャストイベント編集画面です。

キャストイベントは、全て一箇所に格納されるため、状態毎に一括して切り替えることはできません。ただ、イベントが発動する条件として、「状態が〜のとき」と設定することはできます。

また、イベントは、何もしなくても保存されますが、キャストイベントは「キャライベント編集終了」を押さないと保存されないことに注意してください。


5.3.0.2. イベント/キャストイベントの編集

イベント/キャストイベントは、次の2つの要素から成り立っています。

  1. イベント/キャストイベントが発動する条件
  2. イベント/キャストイベントの内容
まず、イベント/キャストイベントが発動する条件の方から説明したいと思います。






5.3.1. イベント/キャストイベントが発動する条件を設定する

イベント/キャストイベントを作るには、まず、発動する条件を設定します。設定するには、青で示したプルダウンメニューから、「無条件」または「新規」を選びます。「新規」を選んだ場合、次のようなメニューが表示されます。

「無条件」以外のイベントは、作正順が新しいものから順番に、「条件1」「条件2」……と呼ばれます。

実際のRPGの中では、まず「無条件」が実行されたあと、「条件1」から、該当するものが実行されます。該当する条件が2つ以上ある場合は、数字の若い方から順番に実行されます。

発動する条件には、以下のものがあります。

  1. 無条件
    ゲームの進行状況に関わらず、常に発動します。
  2. 状態
    状態によって発動します。
  3. フラグがOn
    特定のフラグがOnの場合に発動します。
  4. フラグがOff
    特定のフラグがOffの場合に発動します。
  5. ストーリー進行度が
    ストーリー進行度が[数字]以上[数字]未満の時に発動します。
  6. キャラがいる
    特定の戦闘参加キャラがパーティーに加わっている時に発動します。
  7. キャラがいない
    特定の戦闘参加キャラがパーティーに加わっていない時に発動します。
  8. アイテムがある
    特定の消費アイテムがある時に発動します。
  9. 初めて来たとき
    状態にかかわらず、主人公がマップに初めて入ってきた時に発動します。
  10. 戦闘の直後
    とことこ歩いてぶつかる敵ではなく、イベントとしての戦闘が終わった時に発動します。
  11. カスタム
    条件を「〜かつ〜」など、複数組み合わせる時に使います。選択すると、以下のようなダイアログボックスを表示します。
    1. 状態→CondMap([状態の数字])
    2. フラグがOn→CondFlg([フラグの数字])
    3. フラグがOff→CondGlf([フラグの数字])
    4. ストーリー進行度→CondStr([〜以上],[〜未満])
    5. キャラがいる→CondChr([キャラ編集画面での、キャラの順番])
    6. キャラがいない→CondRhc([キャラ編集画面での、キャラの順番])
    7. アイテムがある→CondItm([消費アイテムのID(下の種別ID・アイテムID早見表参照)])
    8. 初めて来たとき→Cond1st()
    9. 戦闘の直後→CondBtl()
    この時、「Cond1st()」と「CondBtl()」は、常に最後に来なければならないことに注意してください。






5.3.2. イベント/キャストイベントの内容を設定する

イベントを編集するには、先ほどの「発動する条件」で、編集したいイベントを選択した後、今度は左側にあるボタン群で編集します。

キャストをクリックすると、「台詞を言う」「上下左右に一マス動く」「間をあける」「ジャンプする」が、クリック一つで入力出来るボタンが、キャストの周りに表示されます。そのキャストを再びクリックすると、この編集ボタン群は消えます。



それでは、個々の構成要素の説明に移ります。


5.3.2.1. 主人公の位置を指定する
まず、必要な場合は、「主人公を設置」ボタンを押して、このイベントが始まる時の主人公の位置を指定します。

特に必然性がなくても、主人公が現れる場所が決まっている場合、主人公の位置を指定した方がいいと思います。これは、その方が、後に述べるTimpani内でのテストプレイがうまくゆくためです。


5.3.2.2. セリフ




5.3.2.3. 歩く/振り向く



「歩く」「振り向く」は根本的に編集方法は同じです。上のプルダウンメニューで行動するキャストを選び、下のプルダウンメニューで、どちらに歩くのか/振り向くのかを設定します。


5.3.2.4. 現れる/消える

ここでは、プルダウンメニューで、現れる/消えるキャストを選択します。


5.3.2.5. テレポート

座標([横軸,[縦軸])で、キャラクターがテレポートする位置を指定します。


5.3.2.6. ジャンプ



プルダウンメニューで、ジャンプさせたいキャラクターを選択します。


5.3.2.7. アイコン変更



キャラクターを変身させる時に使います。


5.3.2.8. フラグ設定/ストーリー進行





フラグのオン/オフ、ストーリーフラグの入力はここで行います。ストーリーフラグは、最後に入力された値が、イベントを発動する時に使われます。つまり、以前のイベントで、例えば「6」まで進んでいたとしても、その後に「4」が入力されれば、それからは「4」が現在のストーリー進行度とみなされます。


5.3.2.9. パーティーに加える/パーティーから外す



パーティーに入れたい/パーティーから外したいキャラクターを、プルダウンメニューから選びます。


5.3.2.10. パーティー交替

2つのパーティーを切り替えたい場合、これを選択します。これを使うためには、前もって、第2パーティーを設定しておく必要があります。第2パーティーを設定するためには、自分でスクリプトを書く必要があります。簡単な例は、「改造したりなんかする」の章で、実際のスクリプトを挙げて述べようと思います。


5.3.2.11. 待機

イベント要素と要素の間の時間を入力します。単位は60分の1秒です。


5.3.2.12. イベント発動

例えば、「状態1」と「状態2」では、表示されるキャストの種類は違うけれど、発動するイベントは全く同じという場合に使います。プルダウンメニューで、状態を選択します。
このイベントを選択すると、それよりも後にある条件が全て無視されます。このイベントを見つけると、TimpaniRPGは、ここで選択されている状態のイベントを見に行って、戻ってこないためです。


5.3.2.13. 戦闘突入

ここでは、とことこ歩いて遭遇する敵ではなく、ボス戦など、イベントの中に組み込まれる戦闘を編集します。この戦闘が終わった後、設定していた場合は、「戦闘の直後」イベントが発動します。



まず、ここで、戦闘の背景を設定します。戦闘の背景を使い分けたい場合のやり方は、「改造したりなんかする」の章で述べます。



ここで、敵の種類、頭数、レベルを編集します。


5.3.2.14. マップ移動



場面転換して、主人公が他のマップに行き、そのままゲームが進行する時に使います。場面転換した後のイベントは、場面転換先で編集します。


5.3.2.14. カードを見せる

場面転換して、他の画像が表示された後、また元のカードに戻り、そのままゲームが進行する時に使います。


5.3.2.15. ゲームオーバー/エンディングへ

ゲームオーバー画面/エンディングを呼び出します。


5.3.2.16. テキスト登録/テキスト実行



オープニングで表示されるような黒地に白の文字を表示させる時に使います。「テキスト登録」で、文章を登録した後、「テキスト実行」を指定します。


5.3.2.17. カスタム

Timpaniには、このプルダウンメニューには載っていませんが、まだ以下のような機能があります。こういう時に、「カスタム」を選択して、命令文(「ハンドラ」と言います)を打ち込みます。

オリジナルのハンドラを作り、ここに打ち込むことも出来ます。この方法は、「改造したりなんかする」の章で述べます。

「種別ID」、「アイテムID」の早見表を、下に用意しましたので、参考にしてください。もちろん、種類やアイテムはもっと増やすことが出来ます。

  1. 所持金額を増やす/減らす
    setflg 1,(readflg(1)[+値段、または-値段(全て半角)])

  2. アイテムを使う
    useitem [種別ID],[アイテムID]

  3. 指定したアイテムを削除する
    deleteitem [種別ID],[アイテムID]

  4. アイテムを追加する
    getitem [種別ID],[アイテムID],[数]

  5. 現在パーティーに参加しているキャラクターの装備を変更する
    ChangeTool2 [ステータス画面でのキャラの順番],[種別ID],[アイテムID]

種別ID・アイテムID早見表
消費アイテム武器防具アクセサリ
種別ID1234
アイテムID種類1種類2種類3種類1種類2種類3種類1種類2種類3
1121411214112141
2222422224222242
3323433234332343
4424444244442444
5525455254552545






5.3.3. Timpani内でテストプレイをする

Timpani内で、編集中のイベントのテストプレイをする時には、左下にあるボタンを使います。

Timpani内でのテストプレイでは、「せりふ」、「現れる/消える」、「歩く」、「振り向く」しか確認できません。







5.3.4. イベント/キャストイベントの順番を変える

イベントは、「無条件」から始まって、条件の数が若い順に実行されるため、条件の順番が重要になる場合があります。条件の順番を変えるには、HyperCard上で編集する必要があります。HyperCard Playerでは編集ができません。


5.3.4.1. キャストイベントの場合

まず、キャスト編集画面で、そのキャストが、リストの何番目にあるかを確認します。

その後で、HyperCardでRPGを起動し、編集したいキャストのあるカードまで、矢印キーを使って移動します。

目指すカードについたら、「command(またはリンゴ)キー」と「M」を一緒に押します。すると、RPGではせりふが表示される窓(メッセージボックスと言います)が出ます。

ここに、

edit script of cd btn "Cast [先程確認した順番]"

と入力し、リターンキーを押します。すると、下のような画面が出るので、

イベントの順番を入れ替え、保存します。


5.3.4.2. イベントの場合

イベントの場合も、根本的にはやり方は同じですが、イベントは、キャストイベントとは、編集画面の呼び出し方が違います。

まず、そのイベントが、どの「状態」にあるかを確認します。その後、HyperCardで、目的となるカードを呼び出します。その後、「commandキー」+「M」で表示されたメッセージボックスに

  1. 状態1を編集したい場合
    show bg fld 3

  2. 状態2を編集したい場合
    show bg fld 4

  3. 状態3を編集したい場合
    show bg fld 5

  4. 状態4を編集したい場合
    show bg fld 6

    と打ち込みます。すると、

    のように、右上に小さな四角(専門用語では、バックグラウンドフィールドと言います)が現れます。この中に、イベントが入っているわけです。

    HyperCardの「ツール」プルダウンメニューから、右上の、「目」のような形をしたボタンを選択し、続いて、そのバックグラウンドフィールドをダブルクリックします。すると、ダイアログボックスが出るので、右上にある「形式」から、「スクロール」を選び、「OK」を押します。

    バックグラウンドフィールドをクリックし、辺をドラッグして大きくしたあとHyperCardの「ツール」プルダウンメニューから、左上の、手の形をしたボタンを選択します。

    あとは、キャストイベントでの編集と同じです。編集した後、反対の手順で、RPGを元通りにします。バックグラウンドフィールド隠す時には、メッセージボックスに「hide bg fld [先ほどの番号]」と入力します。







5.4. 状態の発動

状態が発動する条件を決めるには、イベントが発動するのと同じように、編集画面で指定します。

「状態の発動」では、「ワープ」も指定することができます。これは、この状態になると、自動的に指定されたマップへと主人公が移動するものです。


今回は長かったですが、ここまで読んでくださってありがとうございました。次回は、残りの編集画面の説明をしたいと思います。




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最終更新:2006年1月21日