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第3章 力と力積 今回は、力についてです。 力 さて、力とは何でしょう? まず、腕の筋力やなんかを想像するんじゃないかと思います。 ですがもっと単純に、二つの物がぶつかった場合について考えてみます。 重さ10kgの物体Aが10m/sで動いていて、重さ20kgの物体Bが20m/sで動いていたとします。 このときに、物体Bが物体Aにぶつかると、BがAに力を加えるというのはわかりますね? さて、ぶつかって力が加わった後、物体Bは5m/s、物体Aは40m/sになったとします。 ここで、運動量を使って考えてみます。 最初、物体Aは、10*10=100の運動量を持っていました。物体Bは、20*20=400の運動量でした。 ぶつかった後、物体Aは、10*40=400の運動量になりました。物体Bは、20*5=100の運動量になりました。 さて、何か気付きませんか? 物体Aは、運動量が300増えています。物体Bは、運動量が300減っています。つまり、運動量が交換されています。 さらに、この運動量が交換されたとき、この二つの物体には、力が働いていました。 このことから、力とは、運動量の交換をわかりやすくするために人間が作ったものと考えられます。 例として、身近な腕に筋力で考えてみましょう。 まず、腕の筋肉が動きます。この動き(=運動量)が手の先に移ります。そして運動量を得た手の先は、その運動量を指に与えます。運動量を得た指は、その運動量を、あなたの握っているマウスに移します。 マウスは、運動量を得たので動き出し、パソコンのカーソル(矢印)が動きます。 結果的に、腕の筋肉に力、つまり運動量を与えることで、マウスを動かしたしたことになります。 このように、実際は運動量だけで考えられますが、それを力が働いたと人間が言っているだけなのです。 ですがもちろん、運動量というものを考えるより、力というものを使って考えたほうがわかりやすいので、物理では力というものが存在するつもりで考えます。ので、ここからはまた普通に力というものを使って説明します。 力積 さらに力について考えます。まず、箱を動かすとき、あたなは箱に力を加えます。 このとき、どれくらい箱が動くかは、力の大きさによって決まりますね? ですが、力を1分間加えたら、一秒加えたときの60倍の距離進みますよね? さらに、宇宙のような摩擦のないところで考えます。摩擦がないので、物は動いたらほかのものにぶつからないととまりません。この状態で一分間力を加えたら、一秒加えたときの60倍の速度になるというのも直感的にわかりますよね? さて、ここで先ほどの説明から力とは運動量の交換でした。つまり、式で表すと (運動量)=(力) のような気がします。ですが、力を1分間加えると、運動量(速さ*重さ)は、速さが60倍なんですから、60倍です。 つまり、上の式の力というのには、力を加えていた時間も関係してきます。つまり、 (運動量)=(力×力を加えた時間) この、(力×力を加えた時間)のことを、力積といいます。 まあ要は、「力」の効果というのは、力の大きさだけでなく、時間にも関係するということです。 例として、右利き野球選手のホームランはバックスクリーンより左側が多いです。 これは、右手でバットを振り、できるだけ左までボールにバットを当てると、力積が大きくなり、ボールに与える運動量が大きくなり、ボールはよく飛びます。 さて、次回はいよいよ有名なニュートンの運動方程式です。
もう少しちゃんとやってる人へ
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