パソコンの歴史つれづれ





 私はいま、パソコンインストラクターの資格をとるためにパソコンスクールに通っています。パソコンスクールにありがちかどうかはわかりませんが(本当は良くないのかな)、古い機種と新しい機種…というか、PC-9800の古いキーボードとWindowsの新しいキーボードがごちゃまぜです。ちなみに私はかってPC-9800のキーボードをよく使っていました。まあ、パソコンスクールには超初心者もよく来るのでその人たちに新しいものを使わせればいいと思うから別にいいですけどね。でも、キーボードが違うので最初はとまどった記憶があります(例えば"XFER","NFER"って何?というふうに)。

 今はNECからも他のメーカーのWindowsマシン(DOS/Vマシン)とほとんど違いのないNXシリーズが出ていますが、それまではNECのパソコンはDOS/Vマシンとはいろいろな面で違っていました。先程書いたキーボードもそうですが、私がよくとまどったのはドライブ名の違いとフォーマット容量の違いです。まずドライブ名の違いですが、かってはDOS/VマシンはフロッピーがAドライブ・ハードディスクがCドライブ、NECマシンはハードディスクがAドライブ・フロッピーがCドライブでした(これがなじめなくてNECマシンをよく避けていました)。そしてフォーマット容量の違いですが、NXシリーズが出るまでは2HDフロッピーでNECマシンは1.25MB、DOS/Vマシンは1.44MBとフォーマット時の容量が違ったのです。多くのWindowsマシンは3モード対応といって1.44MB/1.25MB/720KB(DOS/Vマシン2DDフロッピー)の3種類のフロッピーを読めるようになっていますが、それはこういう理由なのです。

 むかしむかし、Windowsが一般的になる前はMS−DOSというOSが一般的で(Macintoshマシン以外は)、ソフトはDOS/V用・PC−98(NEC)用・Mac用と分けられていました。そのうちWindowsが一般的になり、DOS/V用・PC−98(NEC)用ではなくWindows用とまとめられるようになってきたのですが。
 ところで先程からDOS/Vという言葉を多用していますが、これについて一言。
 本当に昔の話ですが、IBMがPC/ATというパソコンを作り、その仕様をすべて公開したことがあります。当然どうなるかと言うとあちこちのコンピュータメーカーが仕様をそっくりパクリ、事実上世界標準となってしまいました。ところがこの規格は漢字を使うことができなかったため、日本ではほとんど広まらずNEC製のパソコンが広まってしまいました。それで日本IBMはどうしたかというと、パソコンのハードウェアはそのままにDOS/Vというソフトを使ってMS−DOSで漢字を使えるようにしたのです。そしてIBMマシンやその互換機(使用をパクったマシン)が日本にどんどん入って来て、先程書いたようにDOS/V用・PC−98(NEC)用・Mac用とソフトが分けられるようになったのです。

 さてWindowsマシンをお使いのみなさん、表計算ソフトは何でしょうか。おそらくExcelかLotus1-2-3のどちらかで、Excelの人の方が多いでしょう(私もExcelです)。しかし、実を言うと昔はLotus1-2-3がMS−DOS用、ExcelがMac用の代表的表計算ソフトでした。そのうちLotusにMac用ができ、ExcelにWindows用ができ、それからしばらくしてLotusにWindows用ができて今のようになったのです。しかしWindows95/98のパソコンしか知らない人だと時々「"Lotus1-2-3"って何のソフトですか?」なんてことがあります。

 Windows95になってから電源ポンでWindowsが起動するようになってしまったためMac以外のマシンは「Windows=OS」となってしまいましたが、Windows95の前のバージョンWindows3.1のころはMS−DOSで起動し"win"コマンドを入れてWindowsを起動していました。けど、Windows95時代でパソコンを始めた人だとMS−DOSなんて知らないよーということも多いでしょう。

 さてCPUはどんなパソコンにもついている重要な部分ですが、WindowsマシンだとほとんどがPentiumかその互換CPUでしょう。実を言うと、このPentiumという名前にも歴史的変遷があります。 かってWindowsマシンは80286,80386,80486といった具合に数字が名前のCPUが搭載されていました。ところが数字が名前のCPUは商標として認められず、そのために80586ではなくPentiumと命名されたのです。

 ところでこれを読んでいるみなさんはほとんどの人が「インターネット」で読んでいるのでしょうが、以前はインターネットよりパソコン通信の方がさかんでした。今はパソコン通信会社も多くがインターネット接続サービスを行っていますから、興味がある人はちょっと覗いてみてもいいと思います(ちなみに私はパソコン通信会社2社に加入しています)。また最近だと「ホームページ=インターネット」と思っている人が多いのですが、以前はこうではありませんでした。電子メールとニュースグループ、FTP(ファイル転送、今でいうダウンロード他)などがインターネットだったのです。ところがホームページを使うWWW(World Wide Web)ができるとわかりやすいために爆発的に広まり、今のようになったのです。

 長くなってしまいましたがもう1つ。最近はメモリとハードディスクを混同する人が多いのですが、これにも歴史があります。Windowsが登場する前のMS−DOSマシンには、メモリはありましたがハードディスクはありませんでした。というのは基本機能だけを管理すればよかったのでフロッピーディスクで足りたのです。ところが作業場所は必要ですから、メモリはありました(もちろん1MB以下ですが)。そのうちWindowsが登場してたくさんの機能を管理しなければならなくなり(ちなみにWindows98では約220MB必要)、ハードディスクが必要になってやがて内蔵されるのが当たり前になったのです。だからハードディスクはフロッピーディスクの親戚みたいなものです(実際ハードディスクはフロッピーのような円盤がたくさん入っている)。それに比べてメモリは作業場所なので半導体です。ハードディスクとは全然違うのです。

 …と、私のわけわからぬコンピュータ知識をほとんど書いてしまいました。初心者の方、わかりにくい所はどうぞご指摘ください。また上級者の方、間違っている所があったらどうぞご指摘ください。



BGM:サンタルチア/イタリア民謡



もどる