パソコンは皆兄弟?
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部品は案外同じ |
フロッピーディスクコントローラー ソニー製MSX2をはじめとする各社のMSXに搭載されたFDC(フロッピーディスクコントローラー)は、富士通が1ドライプ片面(1D)専用に開発したものを両面倍密度倍トラック(2DD)の2ドライブでも使えるように改良したという8876系のチップです。80年代前半までしごく一般的ではあったものの、MSXが発売された84年には、すでに若干古いタイプのFDCでした。そのためでしょうか、読み書きする速度はあまり速くありませんでした。また、当時のフロッピードライブは完全に読み書きが終わりI/Oポートが切替わってからも4秒間はモーターが回り続けるという仕様でした(えっ、今のも?)。 パナソニックブランド機やSANYOのMSX2+(注1)に搭載されたFDCは、現行FDCの先祖であるNECμPD765系の東芝TC8566AFで、設計段階から両面高密度倍トラック(2HD)の4ドライブを想定してあり(ただし、MSX系内蔵のBIOSでは2DDまでしか読めない)、ドライブコントロール用の周辺回路までをまとめてワンチップにしてあります。一般ユーザーには縁のない話(かな?少なくとも私には)ですが、上記の8876系のものよりホストの負担が軽くドライブコントロールがしやすくなっているそうです。逆に一部のユーザーにとっては嬉しくない事かも知れませんが、ワンチップ化されているために、ドライブに対する通常操作以外のハッキング行為はしにくいようです?? 市販ゲームにおけるソニー機対パナソニックブランド機&サンヨー2+機のディスクアクセス時間には相当の差が有り、ある程度大きなファイルを読むときには圧倒的にパナ&サンヨー2+機が速いのです。例えば日本ファルコムの『ドラスレ6』はソニー機がパナソニック&サンヨー機の2倍程もアクセスに時間が掛かりました。他社製MSX実機を使用していて、ゲーム時におけるディスクアクセスが気になる方は、パナソニックかサンヨーのMSX2+以降を使用すれば幾分ましに感じられるかもしれないでしょう。 注1.サンヨーのMSXは松下のOEMというか、サンヨープロデュース→松下工場 で生産だったらしい。で、サンヨーからオランダのフィリップスにMSX2を OEM提供ってことは、パーツは幾分違ってもパナソニック・サンヨー・フィ リップスのMSXは皆、松下製ってこと?? もっとも、なんだかんだ機能を謳っている現行の各メーカー製PCも、殆ど が、台湾等の特定メーカーの工場の製造で“OEMもどき”であるらしいが コナミは遅すぎる! フロッピー外伝? MSXコミュニティでコナミMSXゲームの事を悪く言うと集中砲火を浴びそうですが、コナミのディスク版MSXゲーム=『スナッチャー』『F1スピリット3Dスペシャル』『SDスナッチャー』は、どれもやたらにディスクアクセスが長く、アクセスに入るタイミングも悪いのです。『スナッチャー』はPC-8801版の移植ですが、後の2本はMSXオリジナルのゲーム、なのに・・・。 例えば『スナッチャー』と同じアドベンチャーゲームでリバーヒルソフトの『琥珀色の遺言』MSX版は、他のパソコン機種に引けを取らない短いアクセス時間とタイミングですし、『SDスナッチャー』と同じRPGでは、同じくリバーヒルソフトの『ブライ上巻』MSX版や日本ファルコムの『ドラゴンスレイヤー6』MSX版も、殆どアクセスを意識しないでプレイ出来るように作られています。 思えばコナミは、大まかに分けて“1軍”のアーケードと“1軍半”の任天堂、そして“2軍”のMSXという開発布陣だったわけで (後に2軍はPCエンジンに移動。ただし2軍でもそこらのソフトハウスより上でしたが)、その時点では、いずれもROMのゲームしか作っていなかったのです(注1)。恐らくPC系ゲーム本格参入狙い(注2)で試しに作ったのが『スナッチャー』で、売れる事が確実なMSX版で保険をかけたのでしょうが、コナミには、当時のマニアに研究し尽くされていたPC系ディスクとそのゲームの上手な作り方テキストは有っても、MSXのディスク(版ゲーム作り)に関するノウハウが無かったのではないでしょうか?(注3)。例によって、PC系のノウハウは、ことMSXに関しては有効では無い場合が多いですし。 コナミMSXゲームのディスクアクセスが特に長いので、実際以上に “MSXのディスクは遅い” という印象が広まってしまったんですよね。で、一度そういう評判が出来れば、考え無しの88流用移植でも、単に手抜きでも、開発者の腕が未熟でも、“ハードの性能” で逃げられるわけです(注4)。MSXにはファミコンみたいに、質を管理している元締めも有りませんでしたし。 注1.おっと、ファミコンのディスクシステムを忘れていた。『悪魔城ドラキュラ』は 開始と区切りに読み込むだけだが、『ドラキュラII呪いの封印』だと、マップ 移動の度に読み込んで、前に移動アクセス→敵の攻撃で後ろに飛ばされる→後ろ に移動アクセス→仕方ないのでもう1回前に移動アクセス→敵の攻撃で後ろに移 動アクセス→仕方ないのでもう1回前に移動アクセス→敵の攻撃で後ろに・・・ という人を発狂させる目的としか思えない恐怖のイライラ循環が待ち受けていた。 いずれにせよ、当時のコナミはディスクが苦手だった 注2.結局本格参入は無かった。思うほど売れなかったらしい。失敗というより、同じ お金と時間をかけて作るなら、たとえロイヤリティを払おうが、市場の小さいP C系よりゲーム機の方がずっと儲かると認識出来たのだろう 注3.ノウハウがなければ研究すればいい。順に3本作って3本とも遅いのは、やる気 の問題と見られても仕方ない。もっと小さい他社は出来ているのに、である。『 SDスナッチャー』はスクロールも重い。もはやMSXゲーム開発は終了、2軍 はPCエンジンに乗り換えが決まっていて、今さら・・・という所だったか? 注4.例えば、東京新宿歌舞伎町の某在日系ゲーム会社が複数ブランドで出していた各 ゲームのMSX版は、どれもとんでもなく酷いシロモノで、ディスクアクセスも 死ぬほど長かったが、MSXソフトの出なくなった90年代、彼等のまだましな PC98版が売れていると、釣られてMSX版を買う厨房が後を絶たなかった。 えっ、私ですか? ジョイパッド、マウス MSXの外部ポートは俗にアタリ仕様と呼ばれる80年代もっとも一般的だった(ものをソフト的に拡張した)ものです。マウス、トラックボール、ジョイスティック(ジョイパッド)のほかに、MSXのみの拡張機能としてタブレットやMSX間の通信ケーブルにも使用できます。このポートはジョイパッドを使用する場合はごく単純にスイッチのオン・オフを受け取るだけなので、互換のジョイパッドが手に入らない場合には、何のマイコンチップや抵抗・コンデンサを使用せずとも、ファミコン等のコントローラーの基盤をはずし、各ボタンの位置やGNDに配線した自作基盤との入れ替えのみ(もちろん本体に差し込むアタリ仕様(≒D-sub9メス)のコネクタは必要ですが)で2軸2ボタンのゲームパッドとして普通に使用できます。当時市販されていたエレコムのアタリ仕様ゲームパッドの内で一番安かった製品の中身がまさにその状態です。SEGAの8ビットゲーム機用のジョイパッドも、ABボタンが逆になるだけで、改造無しで使用出来たと記憶しています(?)。 このアタリ仕様(ライク)なMSX外部ポートにつなぐマウスは、PC-8801シリーズや富士通の32bitパソコンFM-TOWNSシリーズとも互換性があり、やや設計の古いPC-9801シリーズのバスマウスのように読み取った信号をそのまま本体に送る単純な構造ではなく、マウス内部のチップで信号を4bitずつの移動量に分けてから本体に通知するようになっています。 海外では、今もMSXポートにも使えるATARIパッドや、ATARIマウス(こちらはMSX等で使用可能か知りません)が細々ながらも製造販売されています。しかも普通に買える程度の値段(三千円程度)で、です。それに対して日本でMSX・PC-8801・FM-TOWNSに共通して使えるマウスやジョイパッドを手に入れるのは2011年現在、かなり難しくなってきています。もし今もそれらのマシンを現役で使用していて、マウスやジョイパッドが故障し、代わりの品はなかなか手に入らないとなれば、自分で修理するしかありません。 このページは、1024×768画面に合わせて作りました。ちゃんと見えなかったらスミマセン |