WRDファイルの中身は、歌詞表示などを行うための手順を示したものです。いくつかのフリーウェアがこれに対応し、拡張子が主に .MID のSMF(標準MIDIファイル)や .RCP のレコンポーザ用ファイルなどと同時に使用されます。
何小節の何クロック目にこの文字を表示する、と言う形で表されており、曲に合わせた歌詞追いができるほか、絵の表示やごく簡単な直線、円などの図形を描くこともできます。
WRDファイルというものを最初に使いだしたのはPC-9801用に作られた「MIMPI」でした。
最初に使ったというよりは MIMPI が本来独自に解釈するWRDファイルが、他機種のMIDIプレイヤーのいくつかでも解釈されるようになったのです。
MIMPIそのものはPC-9801専用として開発されていたので、WRDファイルで使える命令の中にはPC-9801でもっとも早く処理できるようにするために作られた物があったり、PC-9801専用の実行ファイルを呼び出す命令があったりします。
文字の色の仕様だとか画像の仕様だとかもPC-9801に依存する部分が非常に多いのですが、なにしろ MIMPI の開発開始が1987年、もう10年以上も前のことですから最近のパソコンであればこまかいことは抜きにしても別に再現には困らないはずなのです。
そういうわけでこのWRDファイルという仕様はPC-9801に依存する形のまま広がっていきました。文字処理、画像処理の能力としては少なからず貧弱なものがありますが、たとえば私のような素人が利用する分には十分でした。言い方を変えれば画像処理もなく単純に歌詞追いだけというなら、古いパソコンでも処理速度的に不満なく再現できてしまう特長があります。その一方で機能の上がった現在のパソコンに合わせて新しい仕様を別に作ろうという動きもあります。拡張子 .SRY の SherryWRD といわれるものなどがそれです。が、これらはすでに MIMPI の WRD とはまったくの別物となっています。ですから、これらの新しい物は MIMPI の WRD ファイルに対応しているプレイヤーというだけでは(もちろん MIMPI でも)使用できません。
また、提供されているのは MIMPI 用実行ファイルでありながら、いくつかのプレイヤーが(部分的な場合もある)対応している拡張 WRD 仕様があります。 BUCHIさんの「演出くんメカ」と呼ばれる物がそれで、説明書には「どくきのこ氏にDOS/V、MICHY.氏にWindowsへの、Turbo氏にX68Kへ、演出くんの対応化をしていただきました。」とあるので CMPLAY 、 MIDI Display 、 それからその x68000 用のソフト(確か wrdp.x とか言う名前だったと思う)が対応していると言うことでしょう。他には TMIDI も対応しているようです。
・・・以上の説明は話を簡単にするためかなり端折っているところがありますので注意してください (^^;
紹介している私がよくわかってないらしいので(笑)詳細は各自リンク先で確認してくらさい。
[ 斎藤 ]さんによる、いわゆる本家です。 PC-9801 用の DOS コマンドです。通常は MU という別のツールから呼び出して使う形がいいでしょう。
正式公開の最新版は version 3.8 で DTMマガジン、コンピュータミュージックマガジンに毎号収録されているのが version 4.27 であるとの情報をいただきました。「正式公開」とそうでないのとの違いは・・・ for DTM Magazine みたいな文字列がタイトルにあるかないか、とかゆーやつでしょうか??(^^;;;
で、御本人がインターネット上で公開をしているという話はないのかしら?ベクターに古いのがあったとおもうけど。
どくきのこさんの製作された MS-DOS 用のプレイヤーです。
ふみぃさんの製作された Windows95/NT 用のプレイヤーです。さっきちらっと書いた Sherry WRD に対応しています。
(^^)MICHY. さんの製作された Windows95用のプレイヤーです。Win3.1 用も別にあるようです。インターネット上ではご本人ではなく他の方が公開されています。
HI-RO(綾部 浩士)さんによる Windows用フリーウェアです。Windows3.1用と Windows95/98/NT用があります。前者はサポートを終了し、後者がこれからも開発が続けられる模様。MIDIやWRDは多くの対応ソースの一つに過ぎません。
ここで並べて書いてあるし、実際なんとなく似ているんですが別物です(笑)
WFP は戸上山さん(これで「とのうえ」って読むの?)のプレイヤー、 DECOPLAY97 は DECO さんによるプレイヤーでいずれも Windows95/98/NT用のフリーウェアです。DECOPLAY には DOS版の前身があったようですね。また、各々TMIDIで使われるSRYファイルにも対応しています。
いずれも戸上山さんのページからのダウンロードになります。
Macintoshで WRD 対応のソフトが含まれているようです。ほかにもフリーウェアで Mac 用の WRD プレイヤーがDTMマガジンに最近(1998年8月号?)掲載されたとか。
TURBOさん(故人)によるX680x0用のソフトです。BOMBERさんのBOMBER(Satoshi Arisue)ホームページ内TURBO氏作ソフト公開ページで公開されています。
拙作のMSX用(!)の WRD プレイヤーです。いかんせんハードが貧弱すぎるのがつらいトコですが、「文字だけ表示」「画像だけ表示」「両方強引に混ぜて表示」など涙ぐましい手段が提供されています。詳細はリンク先で確認してください。
/* HIRO */氏による、MSXでもっとも早く登場した WRD プレイヤーです。
拙作のMSX用プレイヤー。本来はSMFやレコンポーザファイルの演奏(だけ)のソフトなんですが、文字だけなら WRD ファイルを表示できます。
実際にいくつか試してみて気づかれた方も多いと思いますが、WRDデータの作者が指定するプレイヤーでないときちんとしたタイミングで表示されないことが結構あります。歌詞と曲とのタイミングがもっとも重要になるはずなのですが、肝腎の MIMPI のタイミング処理にあいまいなところが多いのが原因です。未だに完璧に MIMPI の処理を再現できたプレイヤーはないといってもいいと思います。
実際には各互換プレイヤーが再現を得意とするWRDファイルの中身のクセがそれぞれ違うようです。 MIMPI ではどれも完璧に動作する A,B,C のデータが、ある互換プレイヤーでは A だけ、別の互換プレイヤーは B,C だけを完璧に再現するなんてことがよくあります。ただ、同じ人が作ったWRDデータはプレイヤー1つでうまく動けばそれでたいていきちんと再現できる傾向があります。本当に人間のクセみたいです。
ですから、可能な限りWRDデータ作者さんの指定するプレイヤーで再生することをおすすめします。泣けてくるほど完璧にタイミングを合わせてくれるはずです。
また逆にWRDデータを作る場合は必ずどのプレイヤーでタイミングを合わせたのか必ずわかるところに書いておくようにしてください。必須条件と思っていただいてかまいません。そうでないと、せっかく苦労してタイミングを合わせたデータもきちんと見てもらえる可能性がガタ落ちしてしまいます。
その他、新たな情報が私に入り次第(汗)このページも更新いたします。