ADW

CSVの仕様と情報

ADWではほとんどの情報収集にも情報設定にも、CSVを使用します。

・CSVの第一要素は"LDAP://"から始まるADsPath(DNパス)を指定する必要があります。
 CSVはADsPathと1つ以上のパラメータが含まれる必要があります。
 例
 #AdsPath,パスワード
 "LDAP://CN=千田 直幸,ou=総務部,DC=example,DC=local",p@ssword!!

・一行目にヘッダが含まれていると、CSV読み込み時に設定パラメータが自動選択されます
 例
 (ヘッダ)   #AdsPath,姓,名,ユーザログオン名(Win2000以前),パスワードは無期限,姓(フリガナ),名(フリガナ)
 (編集データ) "LDAP://CN=千田 直幸,ou=総務部,DC=example,DC=local",千田,直幸,s.naoyuki,True,センダ,ナオユキ

・CSVで設定値に空白を渡した場合、プロパティ値は消去もしくは初期化されます。
・パラメータで「,」を含む情報を設定したい場合は、ダブルクォーテーションでくくる必要があります。
・一行目のコメントはヘッダに当たり、設定プロパティを指定しておくとCSV読み込み時に項目が自動選択されます。
・以下の2つは#から始まるため、どちらもコメント行として無視されます。
 #"LDAP://CN=,ou=総務部,DC=example,DC=local",千田,直幸,False,センダ,ナオユキ
 "#LDAP://CN=千田 直幸,ou=総務部,DC=example,DC=local",千田,直幸,False,センダ,ナオユキ


値の解説

値は大別して以下の種類に該当します。

「単純な文字列」
パスワード、会社名などへ入力される単純な文字列です。
例 会社名

「複数行の文字列」
その他の電話番号などへ入力される、複数の文字列です。各文字列を「,」で接続します。
例 "0120-xxx-xxx,0121-AAA-AAAA,090-BBB-XXXXX"

「文章」
メモや番地に入力される文です。ADWは改行を「\N\」という特殊な文字で表現します。
例 "入社年\N\20XX年度"

「フラグ」
パスワード変更フラグなどに設定される、有効無効の設定です。「True」もしくは「False」という文字列です。
例 True

「日時」
アカウントの有効期限などに設定される「2000/01/01」形式の日付の文字列です。
無期限を表す場合は「なし」と記述します。
例 2012/12/31

「ログオン時間」
「日0-24/月0-24/火0-24/水/木9-12,13-18/金9-17/土」形式の文字列です。

「その他」
定められた文字列によって制御する場合です。

変更したい値になにを設定してよいか判らない場合は、管理ツール「ActiveDirectory ユーザとコンピュータ」を使用してテストユーザの設定を変更します。
その後、テストユーザの情報をエクスポートすれば、その値が参考になります。





ユーザの編集可能なプロパティ一覧
グループの編集可能なプロパティ一覧
コンピュータの編集可能なプロパティ一覧

ユーザの編集可能なプロパティ一覧

ユーザアカウントの新規作成は、ADsPath、ユーザログオン名(Win2000以前)、パスワードの最低3つを指定する必要があります。
項目
形式
入力例
ADsPath DNパス 必須です。オブジェクトのDNパスをLDAP形式で記述します
ダブルクォーテーションで括られている必要があります


"LDAP://CN=鈴木 一郎,OU=総務部,DC=example,DC=local"
文字列 例 鈴木
姓(フリガナ) 文字列 例 スズキ
文字列 例 一郎
名(フリガナ) 文字列 例 イチロウ
イニシャル 文字列 例 i.s
表示名 文字列 例 鈴木 一郎
表示名(フリガナ) 文字列 例 スズキ イチロウ
説明 文字列 例 これはテストアカウントです
事業所 文字列 例 東京本社
電話番号 文字列 例 012-345-6789
電子メール 文字列 例 suzuki.i@example.com
Webページ 文字列 例 http://example.com/suzuki.i/
その他の電話番号 複数文字列 複数の値はカンマで接続します


012-345-6780,012-345-6781
その他のWebページ 複数文字列 複数の値がある場合、カンマで接続します。
その場合ダブルクォーテーションでくくる必要があります


"http://anon1-example.com/suzuki.i/,http://anon2-example.com/suzuki.i/"
ユーザログオン名 UPN @マークとドメイン名を接続した文字列です。
指定しない場合「ユーザログオン名(Win2000以前)」から自動生成されます


i.suzuki@example.local
ユーザログオン名(Win2000以前) 文字列 新規作成の場合、必須の項目です。
既存アカウントと重複しない必要があります


i.suzuki
パスワード 文字列 新規作成の場合、必須の項目です。
指定する文字列はドメインのパスワード要件を満たしている必要があります


P!AassW0rd
ログオン時間 文字列
仕様あり
曜日とログオン時間範囲を以下形式で表現します。
全ての曜日が必要です。各曜日は/にて区切られます。
ログオン許可時間の範囲を-で指定します。
0-24は全ての時間です。9-17は9時から17時の間を許可します。
一日に複数のログオン時間を指定する場合はカンマで接続します。
/金/のように曜日のみで時間指定が無い場合、ログオンが
許可される時間はありません。


日0-21/月9-17/火9-12,13-17/水0-13/木0-24/金/土0-21

アカウントのロックアウト FALSE
ロックアウトの解除。FALSEのみ指定できます


FALSE
次回ログオン時にパスワード変更が必要 真偽値 TRUE もしくは FALSE を文字列で指定します


TRUE

「パスワード変更ができない」が有効になっていると、この値は設定できません
「パスワードは無期限」が有効になっていると、この値は設定できません
パスワード変更ができない 真偽値 TRUE もしくは FALSE を文字列で指定します


TRUE

「次回ログオン時にパスワード変更が必要」が有効になっていると、この値は
設定できません
パスワードは無期限 真偽値 TRUE もしくは FALSE を文字列で指定します


TRUE

この値を有効にすると、「次回ログオン時にパスワード変更が必要」の設定は
クリアされます
アカウントは無効真偽値 TRUE もしくは FALSE を文字列で指定します


FALSE
アカウントの有効期限 日付形式 /形式の年月日で指定します。
(表計算ソフトの特性として00:00:00を含む形式にならないようにしてください)
無期限に設定する場合は「なし」と記載します

例1
2012/9/30
例2
なし
ログオン先 文字列 選択可能なドメイン名(FQDN式)である必要があります

example.local
プロファイルパス 文字列 移動プロファイルなどの場合に使用します。次回ログオン時に自動でユーザ名で
フォルダが生成されるため、{username}などは使用しません


\\fileserver.example.local\profile
ログオンスクリプト 文字列 例 \\example.local\netlogon\logon.bat
パス 文字列
仕様あり
ホームフォルダパスです。フォルダのローカルパスを指定できます。
ファイルサーバの共有名を指定する場合、「接続ドライブ」も同時に指定する必要があります。
{username}を指定すると、ログオンアカウント名がフォルダ名に使用されます。
ホームフォルダを設定しますが作成はしません。
ホームフォルダの生成も同時に行いたい場合は別機能の「選択編集」を使用してください。

例1
C:\HomeDrive\i.suzuki
例2
\\fileserver.example.local\homedirectory\{username}
接続ドライブ 文字列
仕様あり
ホームドライブです。必ずコロンを付加します、
「接続ドライブ」を指定するときは「パス」も指定されていなければなりません。
「パス」は共有名となります。


Z:
郵便番号 文字列 例 000-1234
都道府県 文字列 例 ○○県
市区町村 文字列 例 ××市
私書箱 文字列 例 102号
番地 文章 改行を含めることが出来る文字列です。
改行コードは「\N\」という単語を使用します。


1番地\N\1号室
自宅 文字列 例 001-123-1234
自宅 その他 複数文字列
複数の値がある場合、カンマで接続します。
その場合ダブルクォーテーションでくくる必要があります


"001-123-1235,002-123-4567"
ポケットベル 文字列 例 001-123-1234
ポケットベル その他 複数文字列 複数の値がある場合、カンマで接続します。
その場合ダブルクォーテーションでくくる必要があります


"001-123-1235,002-123-4567"
モバイル電話 文字列 例 001-123-1234
モバイル電話 その他 複数文字列 複数の値がある場合、カンマで接続します。
その場合ダブルクォーテーションでくくる必要があります


"001-123-1235,002-123-4567"
FAX 文字列 例 001-123-1234
FAX その他 複数文字列 複数の値がある場合、カンマで接続します。
その場合ダブルクォーテーションでくくる必要があります


"001-123-1235,002-123-4567"
IP電話 文字列 例 001-123-1234
IP電話 その他 複数文字列 複数の値がある場合、カンマで接続します。
その場合ダブルクォーテーションでくくる必要があります


"001-123-1235,002-123-4567"
メモ 文章 改行を含めることが出来る文字列です。
改行コードは「\N\」という単語を使用します


テストアカウントです。\N\おおむねの情報を設定します
会社名 文字列 例 example社
会社名(フリガナ) 文字列 例 エグザンプルシャ
部署 文字列 例 テスト部
部署(フリガナ) 文字列 例 テストブ
役職 文字列 例 一般
上司 DNパス LDAP://を含まない形式で、上司アカウントのDNパスを指定します。


"CN=Administrator,CN=Users,DC=example,DC=local"
リモートアクセス許可 文字列
仕様あり
指定できる文字列は「許可」「拒否」「NPS」の3種類です。


許可



グループの編集可能なプロパティ一覧

グループアカウントの新規作成時、ADsPathだけを指定すれば残りの値はデフォルト値が使用されます。
項目
形式
入力例
ADsPath DNパス 必須です。オブジェクトのDNパスをLDAP形式で記述します
ダブルクォーテーションで括られている必要があります


"LDAP://CN=従業員Grp1,OU=総務部,DC=example,DC=local"

新規作成の際は、この値だけでグループの作成が可能です
グループ名(Win2000以前) 文字列 既存アカウントと重複しない必要があります。


employGrp1

新規作成時に「グループ名」を指定しない場合、ADsPathのコンテナ名が
自動使用されます。

説明
文字列 例 従業員用グループ
電子メール
文字列 例 employ1@example.local
グループの範囲
文字列
仕様あり
指定できる値はドメインローカルグループ、グローバルグループ、
ユニバーサルグループの3種類です。


ドメインローカルグループ

新規作成時に「グループの範囲」を指定しない場合、デフォルトでは
グローバルグループとして作成されます。

ドメインローカルグループの範囲をグローバル・ユニバーサルのいずれかへ
変更するとき、メンバにドメインローカルグループが含まれていないことが条件です。
これは変更後範囲(グローバルグループ・ユニバーサルグループ)が
ドメインローカルグループをメンバにできないからです。
あらかじめドメインローカルグループをメンバから除外してください。
 
セキュリティグループを配布グループへ変更する場合、ファイルサーバ上のACLとして
使用されていないことを
確認してください。
グループの種類
文字列
仕様あり
指定できる値は、セキュリティグループ、配布グループの2種類です。


セキュリティグループ

新規作成時に「グループの種類」を指定しない場合、デフォルトでは
セキュリティグループとして作成されます。

メモ
文章 改行を含めることが出来る文字列です。
改行コードは「\N\」という単語を使用します


従業員用セキュリティグループ\N\全社員が所属
管理者
DNパス LDAP://を含まない形式で、本グループアカウントを監督する人物のアカウント
DNパスを指定します。


"CN=総務部長,OU=総務部,DC=example,DC=local"



コンピュータの編集可能なプロパティ一覧

コンピュータアカウントの新規作成は、ADsPathだけを指定すれば残りの値はデフォルト値が使用されます。

コンピュータアカウントを事前に一括作成する理由は、多数の新規のコンピュータをドメイン参加させるときです。
1.事前にOUにコンピュータアカウントを作成しておけば、ドメイン参加と同時にGPOが設定される。
  (ドメイン参加と同時にソフトウェア配布が可能)
2.OU配下にコンピュータアカウントを作成しておけば、間違ったホスト名でドメイン参加したとき、アカウントは
  Computersに作成され、発見しやすい。
3.コンピュータアカウントへ「管理するユーザアカウント」を割り当てておけば、ドメイン管理者パスワードを
  周知しなくてもドメイン参加させられる。(一般ユーザがドメイン参加させられる台数は10台まで)
4.コンピュータアカウントを事前作成し「管理するユーザアカウント」を設定しておけば、他のユーザに同じ名前の
  コンピュータ名をドメイン参加されてしまうトラブルを防げます。

項目
形式
入力例
ADsPath DNパス 必須です。オブジェクトのDNパスをLDAP形式で記述します
ダブルクォーテーションで括られている必要があります


"LDAP://CN=PC0001,OU=Client,DC=example,DC=local"

新規作成の際は、この値だけでコンピュータアカウントの作成が可能です
コンピュータ名(Win2000以前) 文字列 新規作成時のみ指定できます。
重複しないアカウント名を指定します。
新規作成時に指定しなくても、自動生成されます。


Computer1

コンピュータアカウントとWindows2000以前のコンピュータアカウントは
通常、同じ値です。
しかしコンピュータアカウントが日本語、あるいは16文字以上の場合、
Win2000以前のアカウント名として使用できません。
コンピュータアカウントが16文字以上の場合、コンピュータ名は15文字に
切り詰められてWin2000以前のコンピュータ名に使用されます。
従って重複の恐れがあります。
例えば以下2つのコンピュータ名は15字に切り詰めると重複します。
(PC00000000000000001 / PC00000000000000002)
重複するとき、別途Win2000以前のコンピュータアカウントを指定することが
可能です。(末尾の$は自動で付加されます)
説明
文字列 例 従業員用PC
場所
文字列 例 大阪
管理者
DNパス
LDAP://を含まない形式で、本グループアカウントを監督する人物のアカウント
DNパスを指定します。


"CN=総務部長,OU=総務部,DC=example,DC=local"
管理するユーザアカウント
文字列
仕様あり
新規作成時のみ指定できます。
ドメイン名\アカウント名 の形式で指定します。
管理するユーザアカウントを指定しない場合、デフォルトで
Domain Adminsが割り当てられます。
詳しくは「コンピュータの新規作成#管理するユーザアカウント



EXAMPLE\i.suzuki

デフォルトでは、一般ユーザでドメイン参加させられるコンピュータ数は
10台に制限されています。(増やせないことはない)
i.suzukiは、i.suzukiが管理者アカウントに指定されたコンピュータなら
何台でもドメイン参加させられます。
またi.suzuki以外のユーザは同じ名前のコンピュータをドメイン参加させられ
ません。(ドメイン管理者除く)
アカウントは無効
真偽値 TRUE もしくは FALSE を文字列で指定します。
コンピュータアカウントは作成時、デフォルトで有効です。


TRUE
Win2000以前のコンピュータアカウント
真偽値 新規作成時のみ指定できます。
TRUE もしくは FALSE を文字列で指定します。デフォルトはFalseです。


TRUE

16文字以上のコンピュータ名でWin2000以前のコンピュータが使用する
アカウントとして作成するかを指定します。初期パスワードを15文字以下に
切り詰めます。
ここでいうWin2000以前のコンピュータとは、WindowsNTやSambaなどの
15文字以下のパスワードしか認識できないシステムを示します。






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