青山ローラー作戦(後半戦) 4月27日(土)


「渋谷区神宮前」という名前を住所に持つ坂の多い住宅街を、羨望と嫉妬
の眼差しで眺めつつ歩いていると、こぐま夫の様子がおかしい。暑さと歩き
続けた疲労で、どうやら脱水症状を起こしつつあるようだ。アーバンサバイ
バルでは、良くある事である。こぐま妻は
「いけない!このままにしておくと、きっと1杯800円ぐらいもするであ
ろうこの辺りの喫茶店でコーヒーを飲みたいなどと言い出すに違いない。早
急に手当てをしなければ!」
との判断を瞬時に下した。(さすがである。)と、前を見ると、外人ファミ
リーが表参道沿いのガードレールに腰をかけているではないか。そうなのだ、
表参道では、おしゃれ系も外人系もみーんなガードレールに腰をかけ、ヴィ
ッテルのペットボトルを飲む「きまり」となっているのである。ここで大切
なのは、腰を下ろすのではなく、腰をかけるというところだ。ここポイント。
「ここで、何か飲む?」こぐま妻の提案に、こぐま夫は瞬時にうなずいた。
ヴィッテルのボトルは無いが、止むを得ない。森永のド派手な赤色の缶烏龍
茶を自動販売機で購入したのであった。そして、こぐま夫はガードレールに
「ドッコイショ」と、腰を下ろしたのであった。(地点(i))
缶烏龍茶で脱水症状から回復したこぐま夫に、怪しげな男女が近寄ってき
た。「道でも聞く気かな?」こぐま夫は、心良く彼らを迎えた。すると、

「すいません、ちょっといいですか?実は、腕時計に関するアンケート
調査を行っているのですが3分程時間を頂けませんか?」


ちくしょー。田舎者って事がばれた!なんてことだ!こんな奴等に標的にさ
れてしまったではないか。頭にきたこぐま夫は次の様に断ったのであった。

「申し訳ないのですが、今、青山ローラー大作戦の最中なので、時間が無い
んですよ。」

すると、相手は、「ああ、青山ローラー大作戦ですか。」と怪訝そうな顔で
答えると、そそくさと、地点(i)を離れていったのであった。(これは掛け
値無しの実話である。)それにしても、彼らはいったい何者だったんだろう。

あおやまっぷ4

今回のローラー作成の目標地点の一つである「豆大福の瑞穂(j)」によう
やくたどり着いた。一見さんであるという恥じらいから「豆大福下さい。」
の一言を躊躇していたこぐま組であったが、粉が程よくまぶされ、赤ちゃ
んのホッペの様に、いかにも柔らかそうな大福がこちらに向かって微笑ん
でいるのを見ると、その誘惑に抗うことは困難であった。それにしても、
大福1個が190円とは、どう考えても高すぎる!でも、それだけの価値
があるから店が成り立っているのであろうか?うーん、考えていてもしか
たない、えーい。ままよ!
「豆大福、2個下さい!」
その時、店のおばさんの目が「ふふふ、やっぱり豆大福かい?」と言うかの
ようにキラリと光ったのを、我らこぐま組は見逃さなかった。
「こういう客って多いのよね。雑誌とかで見て買ってく人。」と勝ち誇った
おばさんの顔がそこにはあったのである。


さて、恒例のお店紹介。「原宿瑞穂(j)」は、名物の「豆大福」で有名で
す。「こしアン」を餅で包んだ大福なのですが、餅の中に豆が混ぜて有りま
す。こぐま妻によれば「豆にはかなり良いものが使われている。」とのこと
です。さらに「甘い中に、ちょっと混ざった塩が、豆の味とアンの上質感を
引き立てている。」とも言っております。


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last modified 1996 1 Sep.