ある日の午前中友人宅でパソコンを使っていたら突然画面が真っ暗になった。自分
が何か操作ミスをしたかと一瞬理解できなかったが扇風機がからから止まったので
停電であることが分かった。この島では停電は日常的に起きるそうだ。発電機とい
うような大それた物ではなく小規模なジェネレータで発電を行っていて、それが怪
しいそうだ。この島の電気代は割高で友人は「俺が大金持ちだったら、海底送電線
を買って、ネグロス島とシキホール島を結んでしまうね。そうすれば、この島の人
々の電気代は半分以下になる。」と話していた。帰国してから調べてみたところ、
セブ=レイテ間には日本も関わって海底送電線が引かれているようだ。これはセブ
の電力需要が増えている事に対処するための物のようである。シキホールのような
小さな島までくるのはまだ先の事だろう。停電により近所のカラオケが聞こえなく
なり静かになったのは救いであった。
毎日夕食は市場で魚を買って、友人宅の隣に住むおばさんに料理してもらって食
べた。漁師が直接市場に持ってきて売っているような感じなので、魚の鮮度はか
なり良いようである。市場に並ぶ魚はほとんどが青背魚で、赤や黄色の南国特有
と思っていた魚はあまり目にしなかった。ある日買ってきた大型のアジのような
魚をあんかけ(こちらではとろみづけにコンスターチを使うそうだ)は、絶品で
あった。東京の高級中華料理店で出てきてもなんら不思議はないほど見栄えも良
かった。夕ご飯はサンミゲルを飲みながら、いろいろな話をした。食後にはフィ
リピン産のラムであるタンデュアイをいただいた。サンミゲルは日本でも有名で
あるが、タンデュアイはあまり知られていなと思う。シキホールの町の中ではサ
ンミゲルのポスターはほとんどなくタンデュアイのポスターが至る所にあった。
これはアルコール分あたりの単価がタンデュアイの方が安いからではないかと友
人は話していた。日本ではあまりお目にかかる事がないが、サンミゲルにはレッ
ドホースというアルコール度数が8%もあるビールがある。元来酒飲みなので、試
してみたが美味しかった。フィリピンにはビアナビアというメーカーのビールも
ある。帰りの飛行機の中で飲んでみた。サンミゲルに比べると軽いが味はしっか
りあり美味しかった。(アルコールが入っていればすべて美味しいというわけで
はないのだが)
今回の旅行では友人のコテージに泊まっていたので、あまりお金を使う事がなか
った。現金で支払った一番大きな額は、帰りのマニラ空港の出国税の750ペソだ
った。これを払って、所持金が100ペソ程度しか残らず、空港ではほとんど買い
物が出来なかった。フィリピンは日本に比べると物価がかなり安いが、均一に安
いわけではないので、注意が必要だ。
日頃から時計を持ち歩かない生活をしているので、腕時計などを持たずに旅に
出た。今回の旅行で唯一のうまくいかなかったドゥマゲッティでの移動も時間に
余裕がある事を分かっていればもう少しうまくいったのかもしれない。また友人
にも、いらぬ心配をかけてしまったかもしれない。次に旅行に出る時はベルトを
新しくして腕時計を持って行こう。
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