7.21 【保存後の取り消し】 昨日新聞を眺めていたら(苦笑)、「宮崎知事に松形氏6選」というニュースが載っていた。見ると、開票率はたったの2%。当選したという松形氏の得票数が5000、次点の安藤氏が3900だから、それほどの差はないように思える。これだけのデータで「当確」と言い切ることが本当にできるんだろうか。 気になったら調べてみないことには気がすまない。すべての票のうち松形氏への票が占める割り合いをpとすると、その中からn票を取り出した時にその中にr票だけ松形氏への票が含まれる確率は二項分布に従う。二項分布はnが大きい場合、pが0や1に近くない場合は正規分布で近似でき、「平均=np、分散=np(1-p)」である。 開票された票の数は11500票で、このうち松形氏の得票数は5000であるから、開票された票から得られるpは0.4348(=5000/11500)、平均はnp=11500、標準偏差は分散の平方根だからnp(1-p)の平方根で、53.16。本当の平均値が今求めた平均値±標準偏差の間にある確率と今求めた平均値が本当の平均値±標準偏差の間にある確率は同じだから、11500pの95%信頼区間は4896〜5104。よって、pの95%信頼区間は42.57%〜44.38%となる。同様に次点の安藤氏についても求めると、こちらは33.04%〜34.78%。ということは、この後どんなに安藤氏の票が伸びても、34.78%<42.57%であるから、95%の確率で(正確には97.5%か)松形氏には勝てないということか。 95%では不安な気もするから、平均値±3*標準偏差の範囲を求めてみた。この範囲から外れる確率は0.27%ほどだから、「ほぼ」確実といっていいだろう。これを計算すると、松形氏については42.10%〜44.86%、安藤氏は32.77%〜35.05%となり、やはり結果は同じ。これでもまだ差があるから、もっと高い確率で「当確」と決定できることになる。なるほど……。 考えてみると、ここまでの計算で「2%」というのは全く使用していない。計算の前提として「母集団が非常に大きい」ことが必要だから暗に使用しているといえばそうかもしれないが、それより重要なことは「開票された票の数」だ。10000票以上が開票されていることからかなり正確に区間推定することができる。同じ2%でも、100票の中の2票が開票されたという状況とはわけが違うわけだ。 そうすると逆に、母集団の数は今と同じくらいの場合に、どのくらい開票してどのくらいの差がついていれば「当確」となるのか……というのも気になるが、新聞社とかテレビ局にはそういう公式みたいなものがきっとあるんだろうな(^^;;; めんどくさそうなのでここでは求めないけど、計算してみると面白いかも知れない。また、先ほどの推定から開票率100%になったばあいの得票率も推定できるから、それと実際の得票率を比較してみるのもいいかも。ま、最終的な得票数を確認するのが面倒かも知れないけど。 IconPartyでの複数アイコン処理の続き。保存される前には、変更された内容がテンポラリファイルに残っているわけだからそれを使えば簡単に取り消し処理をすることができそうだ。問題は保存された場合だが、保存された場合は古いものを残したままテンポラリファイルを新しく作りなおし、取り消しされた時に現在のテンポラリファイルに情報がなければ古いテンポラリファイルをあたる……という方法でどうだろう。実際のところ、保存後の取り消しを許可しているプログラムというのはあまり見たことがないので、保存後は取り消し不可にしてしまうという方向も一応あることはあるけど……。 CwinCの動作テスト、無事終了。QT-Qでもちゃんと動作してくれた。めでたしめでたし。 |