ワープロ機能拡張セット For MS-Word には、100以上の機能が新たに付加されています。
そのすべてを記すわけにはいきませんが、主なものについてのみ、簡単に説明をします。
1. superカット、superコピー、superペースト
カット、コピー、ペーストできる範囲は、通常、一箇所のみです。これを二箇所に増やします。つまり、クリップボードを二つに増やすのと同じです。
通常のクリップボード履歴ソフトと異なるのは、テキスト以外のもの(表やルビを含む)を扱えるということです。また、履歴からいちいち切り替える必要がありません。
2.クリップファイル
文書の不要な箇所を削除するとき、念のために、その箇所を、予備的なファイルとして保留しておくことができます。 「 しまった! いらないと思って削除したけど、実は必要だった! もう復活できないのか!」と、あとになってあわてることがなくなります。superカット、superコピー、superペーストと違って、クリップファイルは、個数に制限はありません。つまり、いくつでもクリップファイルを作ることができます。
3.一覧検索
検索して、その語のある箇所すべてを、一覧形式で表示します。一覧形式で表示された結果から、元の箇所に、ただちにジャンプできます。(これは一部のエディタなどにもある機能です。)
このソフトでは、しかも、二重検索の機能が加わっています。すなわち、一覧形式で表示された結果に対して、さらに検索を加えることが可能です。たとえば、「パソコン」という語を含む行をすべて検索し、そのなかから、「アップル」という語を含む行をすべて検索できます。こうして得られた検索結果から、元の箇所に、簡単にジャンプできます。
4.ゴシック体の画面表示 (ドラフト・モード)
簡単な操作で、画面の文字をゴシック体にできます。もちろん、通常の表示に戻すのも、簡単です。
5.スクリーンセーバー (Word95用のみ)
席をはずすときなど、ワンタッチで、作業中の文書を他人に見られないようにします。つまり、MS-Word を最小化し、かつ、「ただ今 席を外しております」というスクリーンセーバーを画面上に流します。
席に戻ったら、マウスを動かして、MS-Wordを最大化すれば、また元の画面で作業ができます。
6.版歴保存
同一の文書の、多くの版を保存できます。推敲の履歴を残すことが可能です。
7.書式解除( No Form )
範囲指定した分について、変更した文字書式を元に戻します。このソフトは次のような手順で使うと便利です。
(1) 推敲の途上で、カットするかどうか迷う語句を、範囲指定する。
(2) それを「小さなフォント」(8 pt ぐらい)または「 NonPrint Words 」の
書式にする。
(3) そのまましばらく使用して、その語句が不要だとわかったら削除する。逆に、
その語句が必要だとわかったら、本機能(書式解除)により、元の書式に戻す。
8.日時名で保存
現在の文書を、日時名(年・月・日・時・分)で保存できます。下書き原稿を書く際など、これを使うと、少しずつ内容の異なるたくさんのファイルの履歴を残せます。
9.名前を付けて保存 Date
通常の「名前を付けて保存」とほぼ同様ですが、ファイル名の最後に、自動的に日付が入ります。
たとえば、「報告書.doc」ならば、本日の日付が最後に付いて「報告書'07'15.doc」のようになります。その翌日にまた本機能を実行すると、今度は「報告書'07'16.doc」となります。(「報告書'07'15'07'16.doc」とはなりません)
通常は、「報告書'07'15.doc」という文書を作成したあとは、そのまま上書き保存します。(つまり文書名を変更しません。)これにより、ファイルの作成日を明示できます。
10.タイマー
指定した時刻に、その時刻になったことを告げます。「時間になったよ、カッコー、カッコー」と鳴くわけではありませんが、画面上で静かに知らせます。ユーザーが「わかったよ」と思ってスイッチを切っても、10分後にまた知らせます。その際、「うるさいな、おせっかいなやつだ」と怒られたくないので、10秒たったら、さっさと消えます。(パソコンに向かっていると、いつのまにか時間が過ぎてしまう、という人には、重宝でしょう。)
( ※ 別途、「カスタムキット」をインストールすることが必要。)
11.マーク設定 (番号なしマーク)
ボタン一つの操作で、文書中にマークを設定できます。あとでマーク位置に戻るのも、ボタン一つの操作でできます。
12.マークまで選択
文書中の任意の範囲を、範囲選択できます。範囲選択は、通常のやり方でもできますが、数ページにわたる大きな範囲指定は、通常のやり方では面倒です。本機能を使えば、ごく簡単にできるようになります。
13.マーク設定 (番号つきマーク)
文書中に9個までのマークを付けて、いつでも簡単にその位置に戻れます。この機能は、エディターや一太郎にはありますが、MSワードにはないので、付加しました。また、操作性をエディターや一太郎よりも向上させました。
14.注釈マーク
非常に強力なマーク機能です。
(1)マークの数に上限はありません。いくつでもマークを付けることができます。
(2)同一語(あちこちにある同一語)に、まとめてマークを付けることができます。
(3)ワイルドカード(?)を使用できます。たとえば、「第?章」についてマークを付けると、「第1章」「第2章」「第3章」……などの語に、まとめてマークを付けることができます。
(それ以外の語句との混在も可能です。)
(4)マーク位置は一覧できるので、簡単に、めざす箇所にジャンプできます。
15.ファイル一覧出力・タグジャンプ
フォルダ内のファイルをすべて、一覧出力することができます。出力されたリストの中から、めざすファイル名の上にカーソルを置いて、「タグジャンプ」ボタンを押すと、そのファイルを開くことができます。
ここでは、複数個のファイルを一挙に選択できます。
また、検索語を登録しておくと、開いたファイルの検索語にジャンプできます。
MS-Word では、ルビ機能にさまざまな欠陥があります。データを消失したり、編集不可能だったり、校正不可能だったり、検索不可能だったり、……このような問題(バグや障害)を、解決します。
( ※ マイクロソフト自体は、これらの問題を解決するソフトを公開していません。 )
さらに、文中の多くの箇所に、一挙にルビをつける機能も加わっています。
たとえば、文中に出てくるすべての「憂鬱」という語に、一挙ルビをつけることができます。
さらにまた、「憂鬱」「薔薇」「海老」……などの多種の語に、一挙にルビをつけることができます。
これらの処理は、1回だけで済みます。
(一太郎にも「総ルビ」という機能はあります。しかしこれは、ルビ1箇所につき1回ずつ、OKボタンを押さなくてはなりません。千箇所のルビがあれば、OKボタンを千回押す必要があります。)
……以上では、16個の機能について説明しました。
その他にも数多くの機能が搭載されています。
特に、文書の推敲を高能率にできるように、設定を加えました。たとえば、カーソルキーや、削除キーを押すとき、通常は、手がホームポジションから離れます。これでは能率が低下します。そこで、ホームポジションを保ったまま、カーソル移動や削除が実行できるように、設定を加えています。また、カット・コピー・貼り付け、などについても同様です。(詳しくはキーの割付を参照。)
新たに付加した機能の数は100以上。 (新たなマクロの数は150以上)
新たな設定も含めると、200程度。 (細かく数えると300以上)
これだけの新機能が使えるようになっています。文書作成の能率は、大幅に向上します。
CPUにたとえれば、こうなります。──本ソフトを使った場合を、ペンティアム200MHzとすれば、元のMSワードの場合は、486の33MHz程度か、それ以下に相当します。具体的にいえば、ペンティアム200MHzで元のMSワードの場合を使った場合(A)と、486の66MHzで本ソフトを使った場合(B)とでは、(A)よりも(B)のほうが圧倒的に高速です。(単なる機械的処理ではなく、通常の文書編集を実行した場合。)もちろん、疲労も激減します。
たとえば、「一覧検索」を使えば、目的の語がたくさんある場合も、めざす箇所を簡単に探し出せます。しかし、元のMSワードでは、めざす箇所が見つかるまで、検索ボタンを何度も押していちいち確認しなくてはならないので、大変手間がかかるし、疲れます。どんなに高速なCPUを使っても、これでは何にもならないでしょう。
ともあれ、本ソフトでは、さまざまな機能強化がなされています。Word95からWord97への向上は、文書編集以外の点に関するものがほとんどです。一方、本ソフトでは、文書編集に関する機能の向上をめざしました。その意味で、本ソフトの目的は、「きれいなデザインの文書を作ること」をめざすMSワードや一太郎とは異なっています。むしろ、エディタと目的を同じくしています。
ただ、エディタでは、テキスト文書以外の編集ができません。(たとえばルビや下線が使えません。)また、印刷機能も貧弱です。──というわけで、既存のワープロとエディタの長所を融合したものが、本ソフトだといえるでしょう。
以上の紹介を読んで、気に入ったら、本ソフトをご利用ください。
なお、「長文の編集はあまりやらない。きれいなデザインの文書を作ることに専念している」という人は、このソフトは使わない方がよいでしょう。本ソフトをインストールすると、画面上に、たくさんの機能が表示されるようになります。だから、使い方がわからなくなって、かえって不便になる可能性があります。
また、同様の理由により、初心者も、このソフトは使わない方がいいでしょう。
( 初心者は、 欠陥解決モジュール という方をご利用ください。)
< Word97版に関する付記 >
本ソフトの機能をフルに発揮するには、Word97ではなく、Word95をご利用ください。
[ 以上 ]