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自分独自の環境のバックアップ


 Windows のトラブルやハードディスクの破損などに備えて、重要なファイルのバックアップをしておくことは常識になっています。

 ところで、どんなファイルをバックアップしておけばいいでしょうか?

 すぐに思いつくのは、文書ファイルなどのデータです。最低限データだけでもバックアップしておきましょう。学校での仕事に使っている文書や、生徒の成績などのデータが無くなってしまうと困りますからね。
 フロッピーディスクでは容量に限界があるので、MO や ZIP などの大容量リムーバブルディスクを利用している方も多いと思います。

 データ以外には何をバックアップしておきましょうか?

 システム設定関係の win.inisystem.ini、レジストリファイルである user.datsystem.dat のバックアップも有効です。しかし、これらのファイルはマシンの状態が絶好調(?)の時にバックアップしておかないと意味がないですし、バックアップしてあっても Windows が起動しないときにこれらのファイルを使って修復するのは結構大変で、それなりの知識も必要になります。せっかくバックアップしておいても、それほど使えないような気もします(笑)。
 わたしの場合、深刻なトラブルが起きたら Windows を再インストールしてしまいます。その方がシステム上のゴミもなくなってきれいになるので、かえってすっきりして気持ちがいいです。

 さて、Windows にトラブルがあって再インストールするとして、OS以外のソフトをそれまでの環境(つまり自分にとって一番都合がいい環境)に早く復帰させることは、現実的にはとても重要です。そのためのバックアップこそ、大切だと思います。つまり、自分独自の環境のバックアップです。わたしは、次のようなファイルをバックアップをしてあります。

●IME の辞書ファイルの中で登録単語を一括して書き出したテキストファイル
 IME の登録単語は貴重なデータです。IME の単語登録機能は使えば使うほど便利であり、ぜひ積極的に利用したい機能(「IME への単語登録」のページを参照)ですが、それだけバックアップしておくことが重要になります。たくさんある登録単語を一から登録し直すことは考えるだけでも恐ろしいことです。
 くわしい方法については、「IME の登録単語の整理」のページを参照してください。

●アプリケーションソフトのユーザー設定ファイル
 Word や Excel などアプリケーションソフトで、ツールバー・メニュー・初期設定などをカスタマイズしておられる方も多いと思います。また、Excel などでマクロを使って独自の環境を作っておく方法を、この「教師のためのパソコン小技集」でも紹介しています。こういった情報はバックアップしておかないと、再インストールしたあとで再び設定し直さなければならなくなります。これは非常に面倒です。こういった情報が保存されているファイルがどこにあるかがわかっていれば、それをバックアップしておいて、あとで上書きコピーすれば、自分独自の環境が簡単に復元できます。
 Word と Excel の関連ファイルの場所を以下に示します。NEC98 シリーズをお使いの方は、「C:\」を「A:\」に読み替えてください。なお、環境によっては違う場所にあるかもしれません。

Word 97/98 の標準テンプレート(ユーザー設定と汎用マクロが保存されています)
   C:\Program Files\Microsoft Office\Template\Normal.dot
   (Word 2000 の場合、C:\Windows\Application Data\Microsoft\Templates\Normal.dot です)
Excel 97 の標準設定ファイル(ユーザー設定が保存されています)
   C:\Windows\○○8.xlb(○○はユーザーの名前です)
   (Excel 2000 の場合、C:\Windows\Application Data\Microsoft\Excel\Excel.xlb です)
Excel 97 の個人用マクロブック
   C:\Program Files\Microsoft Office\Office\XLStart\Personal.xls
   (Excel 2000 の場合、C:\Windows\Application Data\Microsoft\Excel\Xlstart\Personal.xls です)

●インターネット関連のファイル
 ブラウザの「お気に入り」(「ブックマーク」)や、電子メール、アドレス帳も貴重なデータです。バックアップしましょう。
 InternetExplorer の「お気に入り」は C:\Windows\Favorites の中身をコピーしておけばOKです。
 電子メールとアドレス帳は、お使いのメーラで確認してください。通常はメーラをインストールしたフォルダの中にメールとアドレス帳のファイルがあるはずです。

●使用中のハードウェアのドライバ
 プリンタやスキャナなどのハードウェアにはそれぞれのドライバが付属しており、それぞれのフロッピーディスクや CD-ROM で配布されていますが、これらを1枚のディスクにまとめておくと再インストールの際に便利です。また、ドライバはインターネット等で最新のものに更新しておき、そのたびにバックアップ用のディスクも更新するようにするといいでしょう。

●シェアウェアやフリーウェアの書庫ファイル
 Windows を再インストールしたあとで、シェアウェアやフリーウェアをインストールするために、インターネットからダウンロードしたり、雑誌のおまけ CD-ROM を探したりするのは面倒です。使用中のシェアウェアやフリーウェアの圧縮書庫ファイルはそのままの状態で1枚のディスクにまとめて保存しておくと便利です。

 バックアップのためのツールもたくさん出回っているので、利用するといいかもしれません。あちこちにあるファイルをエクスプローラなどのファイラでコピーするのは面倒です。専用ツールを使えば、コピーしたいファイルとコピー先を指定しておけば、ボタン一発ですべてコピーしてくれます。また、バックアップの履歴をとったり、フォルダの同期をとったりできるものもありますし、バックアップファイルから復元することも簡単です。わたしは、Marbo さんの『みやばっく−【簡単バックアップ】』というフリーソフトを使っています。Vector などからダウンロードできます。

 Windows は未だに「安定」とは程遠いしろものです。フリーズして固まるくらいは日常的なことであり、いつ起動しなくなってもおかしくない(?)ものです。唯一の自衛手段としてバックアップを励行しましょう。



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