何年か前からずっと考えていたことがあります。
電子メールソフトでNiftyServeの会議室を読めないだろうか。
PDAでNiftyのログを読みたい。しかし普通はNifty用のログブラウザがついているわけではない。ならばPDAによく内蔵されている電子メールソフトで代用できないかという発想です。返信メールを書くと、こんどはそれがNiftyの会議室へのレスになる、通信そのものはパソコンで行うとしても、ああこれができればなあ。あちこちで尋ねましたが電子メールソフトのフォーマットはセキュリティ上バイナリになっているはずだから駄目ではないか、というお答え。どうしてもと言うならパソコン上でメールサーバーのソフトを立ち上げて、Niftyの発言をメールとして送りつけ、それをPDAで受信するといった回りくどい方法をとらなければならないようです。
でもとてもそんなことはできない。で、仕方なく書いたのがNiftyのログファイルをindex付きのHTMLファイルに書き直すHyperLogConverterです。Webブラウザが付属したPDAというのは結構ありますから、それが使えないかということ。ときどき思い出しては考え直していましたが、いつも立ち消えにしていました。とりあえず出先でログを読むのにはMobileGear(DOS版)を使っておりましたのでそんなに不自由はない。
ところがそんな私にもういちど「こいつでログ読みレス書きがしたい」と思わせるだけのPDAが登場しました。WorkPadC3です。以前は2MBのメモリではちょっと、それに私はキーボード派だし(HP100LXでブラインドタッチができる)と思っていたところ8MB版が登場しました。これで心はユラユラグルグル。
そうこうしているうちにニョーボが購入しました。横で見ていると目一杯ほしくなる。「買ってあげるよ、これでいい?」。部品が不足して生産が追いついていないという情報もあり、なら在庫があるうちに、というわけで秋葉原に走りました。m(_ _)mこいつの最大の特長である、HotSync、パソコンとの一発連携の対象にはもちろん電子メールも入っています。で、電子メール連携の対象としてはNetScape,Outlook,Eudoraとかが対象らしい。そういえばNiftyのメールをEudora形式にコンバートするソフトはあったなあ、ということはこのソフトなら割とフォーマットは解析しやすいのかもしれないぞ。ちらっとMAPIを使って連携をとることも考えましたが、よし、Eudoraのファイル形式を通して変換することは可能かもしれない。ともかくやってみよう。
でも私はEudoraを持っていない。そこで当然のことながら、その辺のプロバイダ配布のCD-ROMを探してお試し版をインストール。で適当にメールを受信して、ふむふむ中身はテキストファイルなのね、しかしヘッダーがよくわからないなあ。前述のNiftyのメールをEudora形式にに変換するソフトNifty Mail To Eudora Mail をダウンロードしてきて、例えば「From ???@??? Fri Jun 09 00:13:48 2000」なるほどこの形式にすればよいのか、と納得。ではヘッダーの具体的情報はどんな風に作ろうかとこんどはakira32GoldをダウンロードしてきてNiftyの会議室を巡回させてみて参考にする。ちなみにシェアウェアフィーは払っておりません。
ちなみに私、インターネットメールのヘッダーがどうなっているのか、このときまで知りませんでした。私の持っているインターネット関連の本はわずか1冊、94年発売の「インターネット漂流記」第一刷です。索引に「ホームページ」という記述がないレアものです。おかげで未だに「In-Reply-To」というのが何か分からないまま使っています。結構ややこしい動作のプログラムですが、今まで作ったNiftyログ解析関連の関数を書き換えながら使ったりして、まあ2日くらい睡眠時間を削ればなんとかなりました。
変換したログを何度かEudoraに読み込ませてデバッグ。そしてついに、Eudoraがログをメールとして読み込んだ。うん、いけるよいける。おまえもまだまだまんざらじゃねえなあ。>自分。とっくに午前0時を回っていましたから、とりあえずNiftyを巡回して最新のログをとってきます。(デフォルトでは当日受信したAirCraftのログファイルを読み込むように作った。)即変換。ふみふみ、いいじゃんいいじゃん。使えるよこれ。
ここでいよいよWorkPadとの連携に挑戦。しかし盛り上がったのはここまででした。どうやらHotSync実行時にEudora本体が起動するみたいです。あー、ではあと試用期間の残り27日しか使えないのね、このプログラム。(^^;
で、標準の「受信.mbx」でないとシンクロしてくれない。ま、まあいいわ。とにかくWorkPadにログは読み込まれたんだから。標準boldにすると結構読みやすい。いざとなればEudoraレジストしてもいいかも。でもなんか変。WorkPad内部では勝手に発言時刻順にソートされております。つまり、いろいろな会議室の発言がごちゃまぜに並んでいるということ。差出人順にソートするとハンドル順になってしまうし、タイトル順は完全にナンセンス。あー駄目だあ、私は何をやっていたんだあ。
かくして私が作ったのは、自分では使うことがないメールソフト向けにNiftyの発言をコンバートするソフトであることが判明しました。そのうち内部に定数で持っている出力ファイル名等を、iniファイルで設定できるように書き換えるつもりでしたが、その気力もない。あたま真っ白。
しかし、まあ、ここまで書いたんだから、と気を取り直しいろいろと修正。
Eudoraのインストールされているディレクトリはレジストリから読みとろう。同じ日に2回以上実行しても同じ発言を切り出すことがないように制御しよう。単純な終了メッセージではなく、終了後Eudoraを起動するかどうか尋ねることにしよう。じたばたやっているうちに気がつきました。なんのことはない、メールの日付は送信日付ではなく受信日付なんだから、適当といえば適当でいいんだ。そこで変換するログファイルからログアウト時刻を取得して(なければファイル日付を取得すればいいや)、1発言語とに1秒減算してゆけばよい。だったらWorkPad内でソートしても問題はない。
一方、日経パソコンによるとEudoraの機能限定版はフリーになるとか。いやあ盛り上がりを回復しましたねえ。かくして土日の睡眠時間と引き替えにこのプログラムは大幅な改良を加えられました。
ニョーボの方も使うと言い出すだろうからと、自動的に探すログファイル名にNiftermの分も加えたりして。EudoraはWorkPadとのHotSync以外では使わないから受信メールボックスを強制的に削除するオプションもつけたりして。Niftyのメールは取り込まない。原則生ログしか変換できないので(会議室ヘッダーがあれば変換はしますが)ログを持ち出さないのならあまり意味がないソフトですが、さすがは構想3年。作者としては愛着があります。
とりあえずプログラム名は、なにがいいかなあ、PilotとAircraftを取り持つので、最初は機長が飛行機に持ち込む鞄の名称(パイロットケースというらしい。Thanks>ASKAさん、楽しいフリーソフトがたくさん置いてあるページです)にしようかと思っておりましたが、途中WorkPadとの連携はあきらめていた時期もあり、AIRclaftとEuDorAからの連想でAiredaleという名前にしました。RとLの区別なんて、日本人にはつけにくいし、母音なんて弱く発音すればみんな同じに聞こえるはず、というこじつけであります。なおエアデールと読みます、犬の品種です。
この名前のよいところは"A"から始まるのでフォルダの中身を名称順に整列させたとき最初の方に来ることです。念を入れて実行ファイル名は"@iredale.exe"にしました。こうすると数字よりも前に来る。プログラムはAirCraftないしNiftermの日次ログファイル格納ディレクトリに置いておく必要がありますので、この辺は結構使い勝手に影響が出そうなところです。
アイコンはエアデール犬愛好会のホームページから気に入った写真をダウンロードして加工しました。使用許可もいただきました。あと悩むのは、WorkPadのメールソフトで作った返信ファイルを、AirCraftの発言自動送信ファイルにコンバートするプログラムです。今回作ったファイルと統合してしまうか、それとも別プログラムにするか。これは毎日使ってゆく場合のフローを捉えてから考えないといけません。またAiredaleを使ってくれる人のうち、WorkPadとの連携に使ってくれる人がどれくらいの割合を占めるかが、大きな影響を与えます。
でもまあ、発言のほうはAirCraftにしか対応できそうもないということで、別プログラムにしましょうかね。