鹿児島は雨らしい。南九州全体、ものすごい雨らしい。これでもかと言わんばかりに降り続いているらしい。フリーソフト開発秘話、目次へ
少しでも力になれば、避難のタイミングをはかる役に立てれば、と思って以前作ったRPAの習作をブラシュアップして公開することにした。
いくら私でも修正に1日二日はいる。従来は豪雨災害があったとしても他の人が使えるまでにブラシュアップしたころには雨は通り過ぎていると予測できるため、そのままにしていたが南九州の雨は今週いっぱい続くらしい。ならば。やってることは単純で、国土交通省の川の防災情報にある河川水位情報を読み取って、一覧にするだけである。ホント習作なのだ。(もっともこの程度のことでも、クリック一つで目的が果たせるようにするにはそれなりに大変、というのはある。)
国土交通省は力を入れるべきところに力を入れているようだ。サイトの反応も速く、すぐに情報が揃う。しかし私が作ったのは習作だけあって誰もが問題なく使えるというわけではない。何が問題だったかというと「河川のどの観測所のデータを読みにゆくか」、これをいちいち調べて設定しないといけないことだ。自分でやっても大変で、地図を見て川を辿りながら、これはという観測地点を開き、URLと属性をコピペしていた。土地勘のあるところなら案外スムーズにいく。が、広島とか山形になると「あれ?ここ同じ川じゃなかったの?」やがて国土交通省が県別に観測所の一覧を作ってくれているのを見つけたが、やはり一つ一つ開いて、観測所名やURLをコピペする手間は膨大である。これでは「九州が危ない」としてもとてもすぐに準備できるものではない。なので作りました。前作業のマクロ。県別の観測所一覧を表示するページをIEで開いておくとソースを読み取って「水系別にMS-Excelシートを作って」くれます。(最初はHTMLソースを手動でセーブしておく必要があるものだったが、作った私がめんどくさくなって改良しました。言うまでもないですが、同一水系の観測所が一覧表の別ページにまたがっていても順序を守ればノープロブレム。完全な自動巡回で集めてきてほしいな、という声がありそうですが労力のわりにメリット少ないのよね。だいたい最初に1回しかやらないことだし。同じ川の名前が別の県で重なったら前の奴上書きせざるを得ないし、もし同じ名称の川がなかったとしても水系が[九州その他]でまとめられているのはどうしましょう。鹿児島県にも宮崎県にもあるよ。
鹿児島のデータを集めた。あれ?危険水位のとこなんぞないぞ。宮崎は?数か所氾濫注意水位があるだけ。テレビ見ると結構堤防超えているみたいなんだけどな。あれはマスコミが視聴率を第一に作ったフェイクニュースなのではないかと思った。それともたまたま小康状態のときに巡回して情報を取得したの?
あるいは国土交通省がチェックしているような河川は治水が行き届いており、氾濫しているのはそれに漏れた小規模な川であるということかもしれない。だとするとせっかく作ったのに残念だな。まあそれを言うならNHKがライブカメラの映像を公開してます、と(ホントに自分が設置したのか?)言うのも無駄である。
でもまあ、せっかく作ったのです。ストレージサービスにアップします。いつもfirestrage使わせてもらってます。ありがとうございます。残念ながら自宅のPCの調子が極端に悪く、最後の詰めでハングアップを繰り返しましたので、睡眠時間を削って間に合わせようとしたにもかかわらず、雨雲がどっかに行ってしまいましたけど。このプログラム。元々RPAの習作って書いたけど、もちろん実用を考えた。以前の勤務場所が川のそばで複数回氾濫危険水位に達し警報が鳴ったなんて経験が動機につながっている。あふれると駅まで辿りつけない。早めに逃げないと。その情報をどうやっていち早く手に入れるか。(こういう危険で前例のない事態の対処はなぜか私の管轄になる。)
勤務場所が変わったものの、今度は「荒川が危ない」なんて言われ出して、一応会社の方で水位チェックしてくれることになったが「河口だけ見てどうすんのよ」そこがダメだと分かった時にはもう手遅れじゃないの。川向こうに渡れない。もっと上流から見てくれないと。でも担当の人大変だよね。じゃあ自動で水位情報収集できるツール作ってあげよう。で作ったの。(なので、荒川と多摩川、せいぜい神田川が対象だったから、せっせと手で観測所の情報をコピペしたので間に合ったのですよ。)感謝されるどころか、お前は考える権限がない、と「諭された」けどね。
ようするに国土交通省の更改しているデータをまとめているだけなので、このツールを使ったから分かるようになったこと、というのはありません。とはいえ水系別にシートができるので影響範囲が見やすい、ついでと言ってはなんですが、観測点の標準的な標高と河口(ないし合流点)からの距離でソートがかけられるので、さらに影響が分かりやすいです。このへんは国土交通省の解説が分かりやすい。あたし今回のことで国土交通省への評価が思い切り上がりました。(「位置」の表記ゆれ、何とかしろよという気はしましたが。)
とはいっても複数の都府県を流れる川をひと続きで見られるようにするのはさすがに手作業が必要です。だから作者がそれをやった。今後のことを考えて関連する人の多い利根川、荒川、多摩川のデータを付属させました。さすがに観測点が多すぎるのもなんなので、河口ないし合流点からの距離および危険水位の設定がないものは省きました。しかしこうしてみると利根川って傾斜が少ないですね。10cmの傾斜で埼玉から犬吠埼まで行っている。島津藩のお手伝い普請、すごい。鹿児島にはこれほどの治水の技術があるのか。
それから埼玉県には「利根川水系」と「荒川水系」しかないとは!さすがは海のない県。
鶴舞う形のグンマ県はもっとすごいぞ。「利根川水系」しかない!!つまり水に関していうと出口が一つしかないわけで、まさに秘境と呼ばれるにふさわしい。