機密ほじ(くり)

 金融庁が目を付けたからホリエモンは終わりだ、とか
 継続的な取引を想定していないマネーゲームの代表格はホリエモンだ、とか
 とどめは国税庁だろう、とか私のホリエモン予言は今のところ良く当たっている。あとから考えれば当たり前なのだが、時代の寵児ともてはやされていたときからそーゆー判断はしていた、ということだ。一部には「こいつはライブドア関係者か」と思っている人もいるかもしれないが、そんなことは絶対にない。もしそうだとすれば、削除したライブドア社内メールが復旧できるわけ無かろう。
 通常、メールソフトは「ゴミ箱を空にする」の機能はあるが、メールの完全削除の機能はない。ところが拙作DiscRambleを使えば痕跡が消えるのだな。
 ライブドアがボクを知らなかったおかげで、ボクは東京地検に呼ばれずに済んだ。ボクも自分が書いたプログラムにそんな使い方があるとは思わなかったが。

 これでDiscRambleのダウンロード数がぐぐっと伸びたら嫌なものがあるが、セキュリティを高めることは絶対的善。というわけで懲りずにまたもや変なものを作ることにした。自分としては役に立つと思うが、世間一般の常識では多分変なものなのだろう。その証拠にセキュリティソフト会社から私への照会は今のところ一件もありません。

 社内にごまんとあるパソコンを外に持ち出すとき、情報漏洩が心配だから機密性のあるファイルは消してゆきなさい、というルール。いまやない会社の方が珍しかろう。DiscRambleはそもそもそれを支援するために書いたのだ。しかし、ルールはあっても消し漏れや確信犯的持ち出しは防げない。それを構造的に実現するためのツールとして書いたのがKurdamm。ところが、Kurdammを使いたいという人ないし会社は一つもない(一件も照会がないということはそういうことだろう)。じゃあどうやっているのだろう。各人を信じる?まさか、機密ファイルの持ち出しがないことを第二者が確認する?(第三者という言い方が普通だが、消すべきファイルかどうかは、第三者には判断できないはずなので「第二者」。)

 常識から言って、確認する、なんて手段は考える方が間違っている。フロッピー1枚ならまあなんとかなる。しかし、物理的にPCを持ち出すときは何十ギガバイトのハードディスクを抱えている。OSだけで万に達する数のファイルをいちいち見ていって機密ファイルがないことを確認、なんてできるわけがない。それでもやれ、という人がいたら、その人は自分に嘘をついているか、責任逃れをしたいだけなのだ。
 が、一つの業界標準を是認し、一つの前提をおけば、形ばかりかもしれないが確認できることに気がついた。機密性に限らずビジネス文書はMS-OFFICEで作られているのが、まー普通。で、機密性の高い文書の記入フォーマットを特定の使用者を登録したパソコンで作る。すると、ハードディスクの中のファイルを片っ端から検索して「作成者」プロパティがその特定の使用者であるファイルがないことを確認できれば、まあ確認したことにはなる。「作成者」プロパティは、編集しても、コピーしても変わらないからね。
 全文ごっそりコピーという抜け道はあるが、これについては都合良く無視する。まあ元のフォーマット文書に「フォーカスが違う作成者プロパティの文書(または作成者プロパティがないウィンドウ)に移ったら、クリップボードの中身を消す」という起動時マクロでも(作れるとして)付けておけばこの抜け道も消えるんだけどね。

 よし、書こうか。OLEを使わなくても作成者プロパティを得る手段があるというのが分かったから。これなら検索時間が非実用的なレベルになることはあるまい。

 が、・・・コンパイラがない。あー、アンインストールしていたんだ。メディアは???どこだ、どこだ、どこだ。参考文献も随分捨てたなあ。

 というわけで、ここで終わり。実際にプログラムを書いたわけではない。なぜ書いていないかというのは犯罪に使われると嫌だから、といういいわけでもしておこう。いや、マジで書きたいんだけどね。ホントに開発環境がないの。実はね、Kurdammの論文、あんだけ書いたのに、しょーもない事情で提出できなくて、で、その研究会の他の入賞論文を読むと、それにしてもアレで。まず間違いなく入選以上だったなと、愛・地球博にも招待してもらえるはずだよなと、日立のパビリオンは待たずに入れただろうな、と。さすがに力が抜けてしまいました。で、開発環境も外したし、本も相当捨ててしまったと。まあそういう事情なんだわさ。

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というわけでなし。
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