IP Conflict Checker

 私はTCP/IPが嫌いだ。
 速度的な問題ももちろんあるし、自律的に動いているが逆に融通が利かないところもイマイチとおもう。(それが端的に現れたのがDDoS攻撃への耐性だ。)が、これは「ぜいたくな選り好みだ」とは自覚している。
 しかし、実はフラットなアドレス空間を使いこなしで階層的に見せかけているのが嫌いだ、と言えば「まあ確かにややこしいなあ」と多くの人がうなずいてくれるのではなかろうか。
 要するに、MS-DOSやUNIXで階層的ディレクトリを廃止しようと言っているようなものだ。階層構造はファイル名の付け方で表しましょう。ただし使える文字は数字だけでさらに範囲を指定します。なお、ファイル名の重複はOSではチェックしません。こんなファイル構造のOSを喜んで使う人がいればお目にかかりたいものだ。

 でも、これだけ使われている以上、どれだけ欠点があろうとつき合っていかざるを得ないのも事実である。そして、何の因果か嫌がらせか、私はここんところアドレスの採番をやらされている。
 で、これでいいかと持ってゆくと、かならず問われるのが「重複はない?」。
 たしかに私は台帳を作りはしたが(それまではなかった)、全部のローカルアドレスを管理しているわけではない。コンフリクトが「ない」ということを保証はできない。でもまあ、次第次第に管理対象アドレス空間も広がっている(=仕事が増えている)ことでもあるし、ともかく、「重複がない」ことを確認するのは、しなければならない仕事であろう。

 しかし、引き継がれてくるアドレス一覧表のたぐいを見ると、いまひとつ信用できない。いや、定義ファイルの中身ですらあやしいものだ。
 面倒になったので、例によってプログラムを書いた。テキストファイルを読み込んで、IPアドレスらしきものを取り出し、重複がないか検査するというものである。
 そんなもの、grepでIPアドレスを引っ張り出し、sortしてununiqをかければいいではないの、という説はあろうが、まあ個人の趣味と考えてください。その代わり、複数ファイルにわたって重複がないか検査できるし、怪しいところは行番号と、行の中身を表示してくれるし、複数ファイルを調べたときは、ちゃんと元ファイル名も表示してくれる。ね、結構便利そうでしょ。
 例によってプログラムの起動は、チェックしたいファイルのアイコンをプログラムのアイコンにDrag&Drop。複数ファイルにわたってチェックしたいときは、複数ファイルを選択してDrag&Dropすればいい。

 プログラム名は、IP Conflict Checkerとまんまです。凝る心理的余裕がありませんでした。アイコンはまだ作っていません。アイコン作りのうまいコンビがいてくれたらなあ。(うちのニョーボは絵がうまいという話だったが、この手のセンスはないらしい。)

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