試験に出る英単語

 書籍名は知的所有権による保護対象外である。そりゃそうだ。「現代経済学」なんて書名が新規に使えなくなってしまえば、経済学の進歩は大幅に減ずることになる。
 というわけで森一郎さんの画期的名著。「試験に出る英単語」という語、ほかで使っても問題ないわけだ。ただしここで森さんの名前を出していることと、ソフトウェア名として商標登録しようなんて思ってないところに敬意が現れているとおもってくれたまへ。

 人生、暇になるとよからぬことを考えるもので、今、大学院ってものすごく簡単になってるみたいね。学部(というか研究科)によっては全然専門外でもそこそこついていけるのではないだろうか。実際に受けるとして問題は「論文」か。なにしろ私の出た学部は卒業論文がない。でもIBMのユーザ研究会と日立のITユーザ研究会で受賞した分なら出せるなあ。文系学部ではレアなスキルなので歓迎されるかもしれない。

 しかしながら高い壁となって立ちはだかるのは英語である。これでも時々英語力のメンテをしてきたので比較的マシだと思うが(ギルバート・オサリバンの「Alone Again - Naturally」が何をうたっているか全く訳せなかったので落ち込んでいるのだが)、楽勝とは言えない。特に専門用語が分からない。

 そこでやってみた。数年分の過去問題をスキャナで取り込んで、OCRで読み取らせ、スペルチェックをかけた後、形態素分析ソフトで原型に戻し、一覧表を作成。その際、どの単語が何回使われているか?をカウント。
 そう簡単でもないのだぞ。形態素分析ソフトが<unknown>で戻してきたのも、目でチェックして数値なのか、記号なのか、固有名詞なのか、専門用語なのか、確認するのです。
 ついでと言っては何ですが、中学基本英単語1200に含まれるものは出力しないようにしています。
 最後に出来上がった単語リストを使用頻度順に並べて、訳語を入れてゆき、単語帳完成。辞書引きもプログラムによるサポート付きです。
 ポイントは試験に出る英単語からはじまった単語集の売り文句「過去の(大学入試)問題をコンピュータで分析し、使用頻度別とした合理的な単語集」が、ある程度の規模であれば個人が片手間で作れてしまう、ということである。さすがに使用頻度1回の単語を引くのはめんどくさいと見送ったが、2回以上だと人名入れても500を切る。これなら何とかなりそうだ。

 ところで、せっかくPC(というかMicrosoft Excel)で作った単語帳である。
 単語のセルをダブルクリックすると、その単語が使われている過去問題の該当行をすべて並べて、かつ該当単語を赤字で表示するという機能も付けてしまった。

 もっとも今のところ大学院を受ける予定はない。作ってみただけである。
 しかしこの手のソフト、ほしいという人はいない。わからなくもない。TOEICくらいの大物なら、すでにこの手の単語帳はあるし、県立高校入試問題を10年分処理しても、長文読解というより短文穴埋め問題。そもそも頻出単語は一定している。努力に見合うほどのリターンが得られるのは、確かに大学院入試くらいなものだろう。

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