写すのは指!スケールの小さな撮影道具

 ギターを弾いている手元を見るにはどうすればよいか。
 その答えとして出したのが、
「Webカメラをフレキシブルアームの先に付けてギターとの位置関係を固定。」
であった。いい考えだと思って作った。Webカメラは投げ売りの安物。フレキシブルアームは100円ショップのLEDスタンドを分解して取る。片方にカメラを付けて片方は100円ショップの吸盤につけてギターに固定という安上がり。
 これでピッキングの軌道を真横から撮る!なんてこともできたのだが欠点もあった。
 まずはあまりに安く投げ売りのWebカメラなので、あれレンズにカビが生えてませんか?ガラスレンズが売りなんだけどなあ、コレガちょっと。(さりげなくメーカー名。)
 音が悪いのはいいとして、映像がずれまくるのはなんとかならんか。コレガ問題じゃね。
 んでもって「いちいちパソコンにつないで録画するのがめんどくさい」。

 個人が使うならこれでも我慢できたのだが、YouTubeにチュートリアルビデオをアップしたいなあ、という段階になると「フィンガリングの方を写すと視野角が狭すぎてポジション移動が入りきらない」という欠点が容認できなくなった。これはWebカメラの宿命かも。
 このままではハイフェッツ流の効果的な運指練習が紹介できないぞ。

 コンセプトは悪くないと思うので考え直してみた。まずはカメラの変更。
 パソコンにつながずとも撮影できるカメラを使う、ちっこいのが第一条件なので、と調べていたら「アクションカメラ」などというジャンルがあるそうな。一般的なビデオカメラよりも二回り以上小さく、モノによっては60グラム程度とか。というわけで有名メーカーの類似品なのだが、偽物まで出ているというSJCAMのSJ4000というのを買ってきた。
 カメラのセッティングが微妙なのでカメラにモニタ画面が付いていることが必須!ということでこれしかなかったのだ。(その点では本家GoProよりも適している。)今度はレンズが広角過ぎるがな。
 しかしいくら軽いといってもWebカメラとは比べ物にならん。100円ショップのフレキシブルアームでは支えきれない。が、フレキシブルアーム、単品だと高いのよね。そもそもどこに売っているかもわからない。それに今度はアーム自体が重すぎる。うにゅー、もう少し丈夫なLEDライトがあればそれをバラして使いましょ。吸盤も耐荷重1キロじゃ間に合わんかもしれんなあ。
 となると100円ショップの上位互換を探すことになる。となるとまずは上海問屋かなあ?

 というわけで「あきばお〜」にて(さりげなく店が変わっているが秋葉原の位置関係を知っている人にはすんなりと受け入れてもらえるはずだ)、スマホスタンドを買ったのだが「ゴツイ」。アームだけを取り出すことが絶望的だし、重い重い重い。
 次にIKEAに行く。柔いか高いかで、使えそうなものがない。
 仕方ないのでDIYショップを探すが適当なのがない。でもフックの付いた吸盤は買った。アルミ製の曲げやすい棒も買った。最悪これで作ろう。

 原点に立ち返ってみた。要するにカメラを固定するのだ。ならばカメラ屋さんに行けば何かありそうだ。ということで「ヨドバシカメラ」。今やカメラ屋に分類すべきか否か、実に微妙な問題であるのだが、そこは量販店。フレキシブルアーム形式のカメラスタンド、売ってます。しかしゴツ過ぎる。このまま帰るのもなんだからと見ていると両側クリップのアームを発見。太さはよさそうだなあ、ということで購入。ついでにカメラが取り付けられるように、ネジも買ったよ。

 一応部品はそろったかもしれないところで。フレキシブルアームの両側クリップを無理矢理外す。バネとなっている針金がじゃまっけなので、あらかじめ強引に折り曲げておくのがコツ。ナットをラジオペンチで粘り強く回す。ここで天の配剤。このアーム、両端にネジがあるが、ピッチこそ違え口径がカメラ取付とおんなじなので、ねじ込めば何とかつながるのだ。
 あとはもう一方を吸盤にくっつける。フックを切り取って、削って現物合わせでなんとなくフレキシブルアームが付くようにする。針金を巻きつけて固定。(見苦しいが許せ。)エポキシ接着剤を塗りたくる。ドライヤーで温めてしみこませる。フレキシブルアームの強度は微妙だが、どーだ、できたぞ。

 実際に試してみる。広角レンズの歪が気にはなるが、ソコソコ使える。フレキシブルアームの強度も多分ギリギリ丁度良い。これで、頭の位置(ちょっと覗き込んだ体勢)から見た指の形を分かりやすく撮影できるぞ。
 画期的!と思ったら、つい最近、加茂フミヨシさんがやってたのね。くっそー、思いついた時点で、不完全でも動画を撮ってYouTubeに上げていれば、、、。まあ仕方ない。あっちはギネス記録保持者。出版社がバックについている。ハナから勝負にならん。
 それともう一つ。この角度の接写。怖いね。スムーズに動いてないところがモロばれになる。それを承知でDVD付き教本を出した加茂さんは、私より失うものははるかに多いだけに、その覚悟は私の何倍も強かったはず。そこに敬意を表さざるを得ないでしょう。

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