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俺のルール

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敵の基準

  • リューンとシナリオ内で入手できるカードだけを持った推奨レベルのパーティで、実際に勝利できる強さにする。
  • 強さ調整のための戦闘テストは最低でも10回は行う。
  • 敵のレベルの上限は15とする。
  • 無闇に攻撃を無効化しない。
  • 強ければいいというものではない。敵の強さは演出によって印象づける。

◆基本方針

 プレイヤーが持つカードの強さがまちまちなので、敵の強さを決定するのはなかなか難しい。逆に、他の作者が出す敵の強さが決まっていないから、カードの強さも決められないとも言えるのだが、プレイヤーは使用カードを選択できるが、遭遇する敵は選択できないという事情があり、敵の強さは最低限の装備で勝てるくらいの線に落ち着くだろう。
 最低限の装備とは、リューンで入手できるカードと、シナリオ内で入手できるカードのことだ。もちろん、推奨レベルを加味して装備を想定しなければいけない。

 何よりも大切なことは、推奨レベル・想定装備のパーティーが実際に勝利できるのかどうか、作者自身が確かめてみることだ。筆者の場合は、戦闘だけ抜き出して、最低10回は戦ってみるし、シナリオ全体を通しで5回以上プレイしてみて全体のバランスをとるようにしている。
 シビアなバランス設定をする場合は、この2倍から3倍のテストが必要だろう。拙作「男闘虎塾」の場合は、ラスボス戦だけでも50回は戦い、作戦を立てなければまず勝利できないギリギリの線を追求した。
 実のところ、そこまで突き詰めたところであまり意味がないし、好まれもしないだろう。無難路線で行くなら、推奨レベル上限くらいのパーティーが、ほぼ間違いなく勝てるくらいの強さが良いと思う。

◆数値設定

 ここから先はシナリオ作者というより、プレイヤーとしての意見になるが、あまりに高レベルの敵は好きではない。どんなに高くても、公式ページで「ほぼ最強」とかつて説明されていたレベル15に抑えるべきだというのが個人的な考えだ。
 レベルが高い分、回避能力も高くなりすぎ、必中攻撃以外はかすりもしないというような敵は、はっきり言って嫌いだ。作者さんには申し訳ない話だが、そういう敵が出てくるシナリオを最後までやった試しがない。
 きっと多くの人が同じように感じているのだろう。高レベルの敵を作る場合、回避率にペナルティーを与えているシナリオがよく目に付く。何か考えがあるわけでないのなら回避力は低めに設定した方が良いだろう。

 体力や防御力、抵抗力、の設定はそれほど深く考えなくてもよさそうだ。これらの数値の一つ一つを突き詰めて考えるより、何ラウンドで戦闘を終わらせるのかを先に考えた方が良い。
 特に仕掛けのない戦闘なら、数ラウンドで終わってほしいと思う。ザコ戦なら1〜3ラウンドで終わらせてほしい。ボスクラスならば2桁行っても良いだろう。
 一人シナリオならば、多少長くても構わない。操るキャラクターが少ない分、ストレスも溜まりにくいからだ。
 また、趣向を凝らした戦闘ならばもっと長くても良いだろう。
 要は飽きがこなければ、戦闘が何ラウンド続いても構わないのだ。もっと突っ込んだことを言えば、シナリオの展開に魅力があり、もっと先に進みたいという強い欲望を感じていれば、多少面倒でも戦闘を続けようと思う。

 この「飽き」であったり「欲望の喚起」であったりは、ゲーム全体のデザインで決まるものなので、一つ一つの戦闘をどうこうしても仕方がないかも知れない。
 自作をテストプレイする際、バランスを見るより先に、根本的な問題としてそのシナリオが面白いのかどうかをシビアな目で見るべきだろう。

◆遭遇率

 ザコとの遭遇率もシナリオ全体のデザインによって決定すべき数字だ。カードワースのシステムでは、経験値を稼ぐため(あるいは、ゲームの代金÷プレイ時間ではじき出されるコストパフォーマンスを上げるため)のザコ戦というものは存在しない
 ザコとの遭遇戦闘はシナリオを面白くするためにのみ作るべきもので、いかにもゲームらしい体裁を整えるだけの遭遇戦なら無い方がましだ。
 極端な話だが、筆者の場合は演出上の理由がない限り、遭遇戦闘は作らないというデザインルールを自分に課している。

 もし遭遇戦闘を作るとしても、数%の確率がいいところだろう。確率5%でも、単純計算で20歩に1回の戦闘だ。舞台の広さとか設定にもよるが、緊張感を与えるにはこの程度で十分だろう(遭遇戦が嫌いな筆者にとっては、これでも多すぎるくらいだ)。戦闘を多めにするのなら、ランダムな遭遇戦よりも、いかにもな場所に敵が潜んでいるというシチュエーションの方が楽しめる。そのいかにもな場所に、山勘で「眠りの雲」をかけてみたら、敵がバタバタ倒れる音がした……そんなイベントへ発展させるのも一興。

◆無効化

 少し細かくなるが、攻撃無効化イベントがやたらと発動するのも好ましくないだろう。最悪なのが、「効くか!」と表示するようなイベントが敵全員に仕掛けてあり、全体攻撃をした、あるいは最初のラウンドで袋叩きにした際、鬼のようにイベントが繰り返されるようなタイプだ。
 この手のイベントを組む際には、ステップやフラグを使って、イベントが起こる回数を制限した方が親切だろう。プレイヤーに無効な攻撃の種類を伝えたら、あとは無効音を使う程度のストレスのないイベントで無効な攻撃であることを伝えよう。

 無効といえば、対属性が付いた敵を作る際、なぜその種の攻撃に対して耐性があるのかを少し考えた方が良い。そうでないと、非常に理不尽な印象を与える。そういう印象を持たせないために、対属性を持っていることをプレイヤーに知らせる仕掛けも施しておくのも良いだろう。敵の解説欄にさりげなく書いておいたり、戦いの前や最中に情報を与えたりと、方法はいろいろある。

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