アインのひとりごと(スパイクの場合)

「・・・・・・飯か?」
 ソファーで昼寝をしていたスパイクがようやく起き上がった。
 ビバップの人間達のなかで、スパィクほど訳のわからん人間はいない。
 飄々している割には、キレてしまう時もある。健康そうに見える割には、大怪我はする。
 おまけにジュリアという人間を探していて、ビシャスという人間とは何か因縁が絡んでいると思われる。
 常に現実と夢との間をさまよっているかのようだ。
 ただ、わかっているのは、ガキとケダモノとはねっかえりの女が嫌いということ。
 どのくらいかというと、ソファーで寝ている僕を払いのけるわ、お皿にたったひとつ残ったエビフライを巡って、エドと大ゲンカをするわ、シャワーの温度がぬるいと抗議してくるフェイに無視するわの徹底ぶり。
 そしてもうひとつ、やられた借りはきちんと返す。
 例えば、宇宙自然保護活動と称してテロ活動をするトゥインクルという人間に、ウィルスの入ったカプセルをこっそりと入れたり、ウェンという子供の体を持った老人に赤い石を埋め込んだり、さらに大怪我を負わせた東風と戦ったりと。
 とにかくスパイクは戦うことしか報復できないんだろうか?
 僕は疑問に思う。訳のわからないスパイクと戦うことしか生きられないスパイク、いっどっちが本当のスパイクなんだろうか?

  What a doggy dog this is !

作/平安調美人

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