アインのひとりごと(エドの場合)

 僕がエドと出会ったのは、地球の落書き事件の時だった。
 人工衛星を使って、地球のあちこちに落書きをする犯人に、かなりの賞金がかけられていて、賞金稼ぎ達は躍起になっていた。もちろん、ビバップ号の人間達もそうだった。
 当初は、『ラディカル・エドワード』という天才ハッカーが怪しいとみて、ジェットとフェイが探していたが、手掛かりがなく、途方に暮れていたところに、コンピューターから突然現れた。
 僕の目には、赤毛で小麦色の肌を持った子供しか見えなかった。そんな人間の子供がハッカーだということは、僕と同じかしこい人間に違いない。
 だが、実際に会った時、僕の期待は早くも砕け散った。
 訳のわからん言葉を話すわ、よほど僕の毛並みが気に入っているのか僕を枕にして寝るわ、よほどお腹が空いているのか何でも食べるわ、よほどジェットとフェイが好きなのかいつもそばにいるわの無軌道ぶり。
 でも、時にはたくましい一面を見せる。
 例えば、ゲート事件に絡んで通信チェスで真犯人と勝負してきたり、イオで毒キノコを売りさばく賞金首を追っ掛けしたり、スパイクを大怪我を負わせた東風の秘密を懸命にネットダイブしたりの天才ぶり。
 能ある鷹は爪隠すとは、エドに当てはまるかどうかは僕にはわからないけど・・・。

  What a doggy dog this is !

作/平安調美人

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