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Upconv 0.3.x

紹介

このソフトは Wave ファイルのサンプリングレートやビット数の変換を行うソフトです。音声ファイルのアップサンプリングとダウンサンプリングに対応しています。失われた高域の補間もできます。
CDからリッピングしたWaveファイルを32KHz、48KHz、88.2KHz、96KHz、176KHz、192KHzに変換できます。 44.1KHzのファイルを96KHzに変換するような非整数倍のサンプリングレートへの変換もできます。

バージョン

0.3.x

分類

フリーソフト(GPL)

OS

Microsoft Windows 2000,XP,Vista,Windows7

公開日

開発中

ダウンロード

upconv0.3.3は以下の機能に対応しました

upconv0.3.2は以下の機能に対応しました

upconv0.3.1は以下の機能に対応しました

upconv0.3.0は以下の機能に対応しました

開発途中のお試し版は upconv033.lzh がダウンロード可能です。
Norton Antivirus 2009でチェック済みですが、無料オンラインウイルススキャンのvirustotal.comでスキャンすると、 upconv.exe、upconvfe.exeが この結果 になります(Symantec、Suspicious.Insight)。
41個のうち1つだけ検出されているので誤検出の可能性が高いです。 心配であれば情報が更新されるまでお待ちください。
サポート用の掲示板があります。こちらからどうぞ。

upconv03xのスクリーンショット
バージョン03x

upconv03xの設定画面1
バージョン03x

upconv03xの設定画面
バージョン03x

技術情報

ビット拡張用の調整(ABE)

upconv0.3.0はビット数を16から24等へ拡張する場合にデータを調整する処理をしています。
MJ無線と実験2008/08月号~2008/10月号にはデジタルオーディオ30年の歩みという記事中に、各社のビット拡張技術の詳細が説明されています。
デノンのALPHAプロセッシング、 ヤマハのPRO-BIT、 ケンウッドのDRIVEシステム、 日本ビクターの20ビットK2プロセッシング等の記事があり、 本ソフトでは、ケンウッドのDRIVEシステムのように、量子化ビット数が足りずに階段状になってしまう波形に対して 信号周波数に近い遮断周波数のLPFを通しています。
それに加えて、斜め方向の立ち上がり波形や、立ち下がり波形を考えると、 量子化ビット数が足りない場合は量子化後のデータが実際のデータに対して多めであったり、少なめであったりするため、 変化ステップ数を平均化すれば誤差が減るであろうということで(隣接するデータはそんなに多く変化しないため)、 変化ステップ数を平均化する処理も入れています。
それらの処理が終わった後に、周波数毎に一定db以下の音を除去するようにしています。
たとえば16ビットで1LSBしか変化しないデータを解析し、それより小さいレベルの音は 表現できないので含まれてないはずと過程し、1LSBより小さいdbに相当する音は量子化誤差による音であろうということで 周波数毎に消去しています。
なので曲の始まり等音のレベルが小さいときには高い周波数成分がカットされています。
この処理を入れるか、入れないかですが、最初の実装ですので入れてあります。
なんとなく、ノイズ成分が除去されて聞きやすくなるのではと考えています。

以下のデータは1kHzの-3dbサイン波です。ビット数は16です。
1kHz以外のところに出ている周波数は量子化誤差だと思います。
ABE用比較画像1
以下のデータは1kHzのサイン波を24ビットで保存した生データです。
1kHz以外のところに出ている周波数は16ビットのものと比べると少ないです。 ABE用比較画像2
そして以下の画像は、ビット数を16ビットで保存したサイン波をupconv0.3.0でABEをONにして変換したものです。
ABE用比較画像3
ところどころ1kHz以外の周波数も残っていますが、それ以外のところは24ビットデータに近くなっています。
次に、ある曲の最後の部分の波形を表示します。
CDからリッピングしたものです(44.1kHzでビット数は16です)。
ABE用比較画像4
これをupconv0.3.0でABEをONにして変換したときの波形は以下のようになります。
ところどころ階段状の波形が残っていたり、少しつなぎ目で段があったりしますが、24ビット精度は出ているのではと思います。
ABE用比較画像5
次の例は1kHzで-80dbのサイン波です。
振幅が少ないので階段状になっています。
ABE用比較画像6
これをupconv0.3.0でABEをONにして変換したものが以下の波形です。
ぎざぎざは取れかけていますが完全ではありません。
ABE用比較画像7
1kHzで-80dbのサイン波(44.1kHz)を192kHzにアップサンプルしたものです(ABEはOFF)。
アップサンプリングしても波形は滑らかにならずにリンギングの部分だけ滑らかになっています。
ABE用比較画像8
1kHzで-80dbのサイン波(44.1kHz)を192kHzにアップサンプルしたものです(ABEはON)。
ビット拡張処理(ABE)をした後にアップサンプリングするのでABEがOFFのものより滑らかです。
ABE用比較画像9