撃破伝の仕様

要するに,Readme.txtに載っていないような部分まで含んだ撃破伝の内容説明です.Version0.989用にちょっと更新(2/18)

大まかな内容

  • 基本的な流れ

  • 操作方法

  • 攻撃方法

  • ロックオンレーザー

  • キャプチャー

  • アイテム

細かい話

  • デモ画面

  • 裏技・隠し機能とか

  • インストール方式と英語版Windowsでの動作

内部的な仕様

  • 得点倍率

  • キャプチャの性格

  • キャプチャポイント

  • 勲と賞

  • 各武器の攻撃威力

  • 撃破率と光撃率

  • 自機の移動

  • BGMのフェードアウト

  • 撃破伝の描画状況

<大まかな内容>

基本的な流れ

 

 撃破伝は横スクロールタイプのシューティングゲームです.ゲームは複数のステージで構成されていて,プレイヤーは“撃”,“凛”,“漢”を操作して,敵の攻撃をかわしながら“弾”や“光”で敵を破壊してゲームを進めていきます.ステージの最後には一段と強い敵(ボス)が出現し,この敵を破壊するとステージクリアとなって,次のステージへと進むことができます.敵の弾や敵自身に接触すると“撃”が破壊されて,“撃”のストックがひとつ減ります.ストックが零の時,“撃”が破壊されるとゲームオーバーとなります.

 最後のステージのボスを破壊すると,ゲームクリアとなり,エンディングが表示されて終了となります.

 

操作方法

 

名称 ボタン/レバー 効果
方向キー マウスの移動
カーソルキー
ジョイスティックの方向キー
自機の移動
攻撃ボタン 左クリック
[C]キー
ジョイスティックのボタン1
通常攻撃
レーザーボタン 右クリック
[X][V]キー
ジョイスティックのボタン2
ロックオンレーザー
キャプチャボタン 上記両ボタンを同時押し
[Z][B]キー
キャプチャービーム
キャプチャーの自爆
一時停止キー [P][Pause]キー 一時停止
終了キー [ESC]キー メニューに戻る
画面保存キー [PrintScreen]キー pscr_xxxx.bmpという名の画像ファイルを出力

 

攻撃方法

 

 プレイヤーの攻撃方法には,通常攻撃“弾”,ロックオンレーザー“光”,キャプチャービーム“捕”の三種類,さらにキャプチャービームを使うことによる補助攻撃があります.

  1. 通常攻撃“弾”
    最も基本的な攻撃.攻撃ボタンを押すことで発射される弾.アイテム“双”,“鋭”を取ることで,パワーアップするが,武器としては頼りない.

  2. ロックオンレーザー“光”
    メインとなる武器.強力で,一度に多くの敵を攻撃できるが,敵に命中するまでに時間がかかる.また,使用中は敵の攻撃を受けやすい.敵を倒した際の得点が大きい.

  3. キャプチャービーム“捕”
    命中した敵を捕獲し,プレイヤーの味方として操ることができる.ただしあまり頻繁には使用できない.ほとんどの敵に対して有効だが,一部,捕獲できない敵もいる.

  4. キャプチャービームを使うことによる補助攻撃
    キャプチャービームで捕獲した敵は,プレイヤーの通常攻撃に合わせて独自に攻撃を行う.また,捕獲した敵を自爆させて画面全体に強力な衝撃波攻撃を行うことができる.

 

ロックオンレーザー

 

 ロックオンレーザーの操作は,操作する機体のタイプで異なります.

  • 「撃」の場合
    レーザーボタンでカーソル(狙)が出現します.
    マウス,ジョイスティックでカーソルを動かし,敵に合わせるとロックされます.
    ロックした後でボタンを離すとロックオンレーザーが発射されます.

  • 「凛」の場合
    レーザーボタンでカーソル(狙)が出現します.
    狙は自動的に敵をロックします.
    ロックした後でボタンを離すとロックオンレーザーが発射されます.

  • 「漢」の場合
    最初からカーソル(狙)が出現しています.
    狙は「漢」と共に移動し,敵に合わせるとロックされます.
    ロックした後でレーザーボタンを押すとロックオンレーザーが発射されます.

 ロックオンレーザーで敵を破壊すると,高得点を得ることが出来ます.
 また,最初のロックオンレーザーが発射直後の0.5秒(漢は1秒)はプレイヤーが無敵状態になります.

 

キャプチャー

 

 画面左上に「捕獲 可」の表示が出ている時に,キャプチャボタンを押すとキャプチャビームが発射されます.ビームに当たった敵を捕獲して,プレーヤーの攻撃の補助に使えます.また,敵の弾を防ぐ盾としても活用できます.
 敵を捕獲した状態でキャプチャボタンを押すと,強力な波動攻撃を行えます.また,この時3秒ほどプレイヤーは無敵状態になります.
 一度キャプチャに成功すると表示は「捕獲 不可」に変わりますが,敵を破壊する・ロックオンレーザーを使用する・勲や賞を取ることで少しずつ回復し,やがて「捕獲 可」の状態に戻ります.

 

アイテム

 

 ゲーム中,出現する「卵」を破壊した時などにアイテムが出現し,取ることでプレイヤーの状態が変化します.


  • マウスプレイの場合:自機の移動速度が上昇します.
    カーソル/ジョイスティックプレイの場合:ロックオンカーソル“狙”の移動速度が上昇します.


  • プレイヤーの通常攻撃がパワーアップします.


  • プレイヤーの通常攻撃がパワーアップします.


  • キャプチャ表示が「捕獲 可」の状態になります.


  • ロックオンレーザーで敵を破壊した時の得点が大きくなります.


  • 取ると得点が増えます.

  • 寿
    取るとプレイヤーのストックがひとつ増えます.

また,アイテムを取った直後の1秒(漢使用時かつ「賞」「勲」「充」の場合は2秒)はプレイヤーが無敵状態になります.

 

 

<細かい話>

デモ画面

今のバージョンは付いていません.

 メニュー画面で操作をせずに放っておくと,デモ画面になる.このデモは,ジョイスティック操作時とマウス操作時の二種類があるが,内容には大差ない.
 ちなみに,初回起動後,ゲームを始める前にデモ画面を見てから鍛錬モードを選ぶと,はじめから第二幕をプレイできるというバグもあったりする.

 

裏技・隠し機能とか

 

 撃破伝には隠し機能がいくつか搭載されており,主にゲームをクリアした際の条件で,それらは使用可能になる.
 詳細は掲示板の過去ログに載っているので,そちらを参照のこと.
 なお,裏技としては,キーボードの「Q」を押しながらスペースキーを押すとBGMがファミコンサウンドに変化するなど,どうでもいいようなものがいくつかあったりする.

 

インストール方式と英語版Windowsでの動作

 

 撃破伝は,ダウンロードサイズは1100K程度だが,セットアップ(インストール)実行後は10M近いサイズにまで膨れあがる.気付いている人も多いだろうが,これは画像データをセットアップの時点で生成していることが原因である.
 要するに,通常のゲームであれば画像はあらかじめ圧縮状態で作っておき,それを解凍することでインストールとするわけだが,撃破伝の場合は,

 文字を表示=>画像として保存

 をセットアップ中に行っているので,ダウンロードサイズに画像データが含まれず,軽量化されている.
 そこで問題となるのが,英語版をはじめとする各国仕様のWindowsでの動作だが,これらは当然の事ながら,日本語を表示できないため,正常な画像データは生成されない.
 しかし,実行プログラム本体は一切日本語を用いていないため,ゲーム自体は全く問題なく動作するはずである.
 よって,日本語版以外のWindowsで撃破伝をプレイする場合,

 日本語版Windowsで撃破伝のセットアップを行う.
 各国版Windowsで撃破伝のセットアップを行う.
 日本語版で生成された画像データを各国版に上書きする.

 とすることで,それが可能となる(英語版Windows98にて確認).

 画像データを別途配布する方法もあるが,この場合フォント製作者のライセンスがからんできそうな気がするので,とりあえず現状では画像データは配布していない.

 

 

<内部的な仕様>

得点倍率

 

 撃破伝の得点はロックオンレーザー(光)の使用によって大きく変化してくる.基本的に,レーザー使用による得点倍率の変化は
  N倍 → N×2倍 → N×3倍 → …… → N×M倍
 となっているが,ここでNは敵によってそれぞれ異なった1〜8(だったと思う)の数値が割り当てられている.ここでの注意としてMは,M番目に命中したレーザーであって,ロックした順番や,発射された順番ではない.つまり,仮に耐久力の高い敵Aと低い敵Bがいたとして,Aを5回ロックした後,Bを1回ロックしてこれを倒したとしても,一番初めに命中したレーザーがBのものであればBの得点倍率はN倍となってしまう.
 また,複数回ロックできる敵の場合,破壊した瞬間に命中したレーザーが何番目のものかで倍率が決定される.例えば,敵一体を五回ロックして倒した場合,敵の基本得点が3000点でN=4であれば,得られる得点は4×5×3000=60000点となる.
 例外として,ロックオンで倒しても得点の変化しない敵も存在する(ボス等,耐久力の高い敵に多い).
 勲を取得した場合,倍率計算はN×(M+K)倍となる.ここで,Kは勲を取得した総数である.ただし,10個以上勲を取っても,10個として得点処理される.

 

キャプチャの性格

 

 敵を捕獲して得ることのできるオプションの性格は,捕獲する敵によってそれぞれ異なるが,その機能は大別して

  • 大きさ

  • 動き

  • 攻撃方向

  • 攻撃の種類

 の四つに分けられる.それぞれに数種類のバリエーションが用意されており,その組み合わせから,オプションの性格の総数は
  大きさ×動き×攻撃方向×攻撃の種類
 になるが,全ての組み合わせが登場していることはなく,実際の所,数えてもいないので,総数は不明である.
 ちなみに,攻撃の種類に応じて,ボム攻撃のタイプも異なっている.

 

キャプチャポイント

 

 キャプチャを行うために必要なキャプチャポイントは,敵を攻撃することで増加し,キャプチャを行うことで減少する.内部処理では,キャプチャポイントの最大値は160で,これはゲーム開始時の初期値でもある.キャプチャが可能なのはこの,ポイントが160の状態のみで,キャプチャが成功した場合,キャプチャポイントは0になる.失敗した場合は減少しない.キャプチャポイントの増加値は以下のように設定されている.

敵を倒した場合

敵にロックオンレーザーを命中させた場合

賞を取った場合

勲を取った場合

 ロックオンレーザーで敵を倒した場合,合計で2ポイントとなる.なお,敵にロックオンレーザーを命中させた場合の1ポイントは,対象が破壊不可能な敵であっても同様に加算される.
 なお,ステージ終了時点でオプションを保持していた場合,オプションは放棄されキャプチャポイントは最大値まで回復する.この際,「賞」を取得した時と同等の得点が得られる.

 

勲と賞

 

 勲は敵を50体レーザーで破壊する毎に,賞は一度のロックオンの後,八本のレーザーが命中する毎にそれぞれ出現する.八本目のレーザーで敵が破壊されることがなかった場合,賞はその後,レーザーでいずれかの敵が破壊されるまで出現が保留される.ただし,ロックオン攻撃が終了した場合,この保留は取り消される.
 勲の効力はロックオンレーザーの得点倍率の変更であり,上記〜得点倍率〜を参照のこと.なお,勲の最大取得数は12個で,自機が破壊された場合,取得数は2個分減少される.
 賞の効力は得点加算であり,その点数はそれまでに取得した(賞の数+1)×10000に設定されている.これは賞を取得した瞬間に加算される.こちらも自機が破壊された場合,取得数は5個分減少される.

 

各武器の攻撃威力

 

 各種武器の威力を以下に示す.


  • 初期弾=11 (12 Objects/sec)
    双の弾=4.5 (8.57x4 Objects/sec)
    鋭の弾=8 (20 Objects/sec)


  • 初期弾=7 (12x2 Objects/sec)
    双の弾=6 (12x4 Objects/sec)
    鋭の弾=6 (20x2 Objects/sec)


  • 初期弾=15 (15x2 Objects/sec)
    双の弾=13 (20x4 Objects/sec)
    鋭の弾=12 (10x2 Objects/sec)

  • ロックオンレーザー=64
    衝撃波(オプションの自爆)=64〜255
    オプションの接触=1 (60 Hit/sec)

 通常弾による攻撃は単体の威力に加え,単位時間あたりの発射数が影響する.鋭の弾は敵に命中後,再度散乱し攻撃するので実質的な攻撃力では鋭の弾が最も強力と言える.

 

撃破率と光撃率

 

 各ステージの撃破率・光撃率は以下の式で算出される.

  撃破率={倒した敵の総得点(基本点)/出現した敵の総得点(基本点)}×100[%]
  光撃率={ロックオンレーザーで倒した敵の総得点(基本点)/倒した敵の総得点(基本点)}×100[%]

 これらの得点は全て,ロックオンレーザーによる得点倍率を無視した基本得点で計算される.
 また,これらの得点には各面のボスの得点は考慮されない.これは撃破率・光撃率の値が著しく変化することを避ける為の措置だが,最終的な記録として残される撃破率及び光撃率は,全ステージに渡ってのボスも含めた得点で算出されている.
 なお,各ステージでの撃破率・光撃率に応じて,ステージ終了後0〜200万点のボーナスが与えられる.

 また,雑魚敵の中にも,撃破率,光撃率の対象とならない敵が存在する.

 

自機の移動

 

 撃破伝はマウス操作を中心としたゲームであるが,自機の移動に対応するマウスカーソルの位置更新周期はOSの都合上,プログラムの基本周期である16.7msec(60Hz)より遅い値となっている.そのため,自機の移動に関しては,マウスカーソルと現在位置との差分から移動速度を算出する方式で処理されている.
 例として,ある時点での自機の位置を(50,100),マウスカーソルの位置を(200,80)とする.この時,双方の座標の差分dx,dyは

  dx=150, dy=-20

 となる.また,自機の移動速度は

  vx=dx*k, vy=dy*k (k < 1)

 と定め,仮にk=0.1であれば,自機の更新後の位置は(65,98)に移動する.実際の処理は以下の様になっている.

  x += (dx >= 0) ? (dx + 3)>>2 : x>>2;
  y += (dy >= 0) ? (dy + 3)>>2 : y>>2;

 但し,移動速度が一定値を超えないように,調整が行われている.

 

BGMのフェードアウト

 

 撃破伝のBGMはDirectXの機能であるDirectMusicを用いて演奏しているが,曲のフェードアウト処理に関してはIDirectMusicPerformanceのメソッドであるSendPMsgでシステムエクスクルーシブ(F0H,7FH,7FH,04H,01H,00H,Volume,F7H)を送信してマスターボリュームの変更を行っている.このメッセージはユニバーサルシステムエクスクルーシブであるため,一般的なGM規格のMIDI音源はこれに対応している.しかし,現在のところ,このフェードアウト操作によって音が消失してしまうという現象が確認されている.
 原因として現在,考えられているのは,曲データの冒頭に用意されたGS-Resetに対する動作問題である.このGS-ResetはRoland系のMidi機器に定められた音源初期化命令であり,このメッセージに対応したいわゆるGS音源であればマスターボリュームは規定値に設定される..逆に,GS-Resetを受け付けない種類の音源であれば,直前の曲で最低レベルまで下げられたマスターボリュームが次の曲でも反映され,音が出ないという状態になる.
 そこで現在のバージョンではGS-Reset送信後,更にマスターボリュームメッセージを送ることで対処しているが,これでも一部の音源では依然無音状態となっている.
 なお,RolandのGS規格と共に知られるYAMAHA系のXG規格音源では,GS-Resetを受信することでTG-300Bモードが起動し,初期化が行われるので上記の様な問題は無いと思われる.また,CreativeTechnorogy社のSoundBlasterや,DirectXがインストールされている場合標準で付属しているMicrosoftSoftwareSynthesizerは基本的にGS規格に準拠しているので,これも問題は無いと思われる.

 

撃破伝の描画状況

 

 撃破伝は比較的低性能なWindowsマシンでも動作するように,DirectDrawのBltFastを中心とした描画処理を行っている.厳密に述べると,Windows95上位互換OSと,i386命令セットを持った200MHz以上のCPU,VRAMを2MByte以上持つ,ある程度のハードウェアアクセラレータを備えたビデオカード,32MByte以上のメインメモリを持っていれば大抵の場合,60Hz周期で動作する.この場合,速度を維持できるキャラクタ表示数の限界は約250個で,通常は問題無い数値と言える.ちなみにプログラムとしては,表示キャラクタはポインタによる連結構造を取っているため,メモリの許す限り制限は無い.