本ソフトウェア (BkGnuPG) は, Becky! Internet Mail Ver.2 (B2) Becky! Internet Mail Ver.2 (B2) 上で動作するプラグイン・ソフトウェアで, Win32版 GNU Privacy Guard (GnuPG) を使ってメールメッセージの署名・暗号化を行います。 また Pretty Good Privacy (PGP) あるいは GnuPG により署名・暗号化されたメールを検証・復号化することもできます。
メールの暗号化を行うプラグインとしては, B2 に標準で同梱されている 「Becky! PGP プラグイン (BkPGP)」 がありますが, このソフトウェアとほぼ同等の機能を GnuPG を使って実現し, 更に GnuPG 特有の機能にいくつか対応しています。
BkGnuPG はフリーソフトウェアです。 BkGnuPG についての権利や, ご利用の際の制限事項などについては, パッケージに同梱されている BkGnuPG\readme_sjis.txt を参照して下さい。 また, BkGnuPG を使用する際のコツや細かい問題点については 「Tips - 暗号化メール利用のコツ」 を参照して下さい。
B2 および Win32版 GnuPG が動作する環境 (Windows 95/98/Me/NT4.0/2000) であれば大丈夫と思いますが, 開発環境の問題で以下のプラットフォームでのみ動作確認を行っています。
上記以外のプラットフォームでうまく動作しない場合は, 状況 (OSやアプリケーションのの種類・バージョン,エラーの詳細など) をできるだけ詳しくレポートしていただけると助かります。 連絡先については 「サポートについて」 を参照して下さい。
まず最初に, B2 および GnuPG のインストールが完了していることを確認して下さい。 特に GnuPG については,
ことをお薦めします。 これらの設定方法については, GnuPG に同梱されている README.W32 ファイルをご覧ください。
次に以下の場所から BkGnuPG の最新版をダウンロードして下さい。
BkGnuPG ダウンロードページ: http://hp.vector.co.jp/authors/VA023900/gpg-pin/index.html
ダウンロードしたファイルを解凍すると以下のファイルが取り出せます。
BkGnuPG をインストールするには,
上記ファイルのうち BkGnuPG ロードモジュール (BkGnuPG.dll) を B2 インストールフォルダまたはデータフォルダ直下の
「PlugIns」
フォルダに置きます。
例えば B2 を
「C:\Program Files\RimArts\」
にインストールし,
データフォルダを
「C:\Becky!\Spiegel\」
に設定しているとすれば,
「C:\Program Files\RimArts\B2\PlugIns\」 または 「C:\Becky!\Spiegel\PlugIns\」
のいずれかのフォルダに置くことになります。
(ちなみに両方のフォルダにインストールすると,
BkGnuPG が2つ立ち上がってしまいます)
なお,
以上の操作は B2 が動作していない状態で行って下さい。
アンインストールは, コピーしたDLLファイルを削除すれば完了です。 BkGnuPG.ini があればこれも削除します。 BkGnuPG 自身はレジストリを汚しません。 (BkGnuPG.ini の置き場所については 「INIファイル仕様」 の章を参照して下さい)
インストールが完了したら B2 を起動して下さい。 はじめてインストールした場合には BkGnuPG を登録するか確認してくるかもしれません。 正しくインストールが完了していればツールメニューから [ツール(T)] → [プラグインの設定(U)] → [GNU Privacy Guard Plug-in] と辿って設定ダイアログを開くことができます。 まず設定ダイアログで必要な設定を行って下さい。
設定ダイアログの設定項目は以下のとおりです。
[OK] ボタンを押すと変更内容が反映され, 設定情報を INIファイル に書き込みます。
作成したメールを暗号化するには, メール作成ウィンドウで [ツール(T)] → [GnuPG: 暗号化...] を選択して下さい。 受信者選択ダイアログが起動します。
受信者選択ダイアログにはあらかじめ宛先 (To) に設定されたメールアドレスがリストアップされています。 設定ダイアログで 「Cc のアドレスユーザの公開鍵でも暗号化する」 などの項目がチェックされている場合は, 該当するフィールドに設定されているメールアドレスもリストアップされています。
このダイアログで受信者のリストを編集して [OK] ボタンを押します。 操作を中止する場合は [キャンセル] ボタンを押してください。
[設定...] ボタンを押すと設定ダイアログが起動します。 ここで設定を変更することができます。 ただし,ここで変更した内容は一時的なもので, INIファイル に反映されません。
暗号化処理が終わると結果が表示され,処理が成功すればメール作成ウィンドウの内容が暗号化されます。
作成したメールに署名するには, メール作成ウィンドウで [ツール(T)] → [GnuPG: 署名...] を選択して下さい。 パスフレーズ入力ダイアログが起動します。
署名するユーザには From のアドレスがリストアップされています。 署名ユーザは変更することができます。
署名ユーザに対応するパスフレーズを入力して [OK] ボタンを押してください。 操作を中止する場合は [キャンセル] ボタンを押します。
[設定...] ボタンを押すと設定ダイアログが起動します。 ここで設定を変更することができます。 ただし,ここで変更した内容は一時的なもので, INIファイル に反映されません。
パスフレーズ入力ダイアログの設定項目は以下のとおりです。
署名処理が終わると結果が表示され,処理が成功すれば署名情報が付加されます。
メールの署名と暗号化を一度に行うことができます。 メール作成ウィンドウで [ツール(T)] → [GnuPG: 署名と暗号化...] を選択して下さい。 受信者の指定とパスフレーズの入力のダイアログが続けて起動します。 処理が終わると結果が表示され,成功すればメール作成ウィンドウに内容が反映されます。
メールに自分の公開鍵を添付することができます。 メール作成ウィンドウで [ツール(T)] → [GnuPG: 公開鍵の添付...] を選択して下さい。 処理が終わると結果が表示され,成功すれば公開鍵が添付されます。
リストビューで署名または暗号化されたメールを選択し [ツール(T)] → [GnuPG: 復号化と検証...] を選択 (または,リストビューから該当するメールを右クリックしてコンテストメニューを開き, [GnuPG: 復号化と検証...] を選択) して下さい。 復号化を行う場合にはパスフレーズの入力を求めるダイアログが表示されます。
処理が終わると結果が表示され,成功すれば内容が反映されます。
BkGnuPG についてのご意見・ご要望・お叱り等はメール (spiegel@alles.or.jp) でお願いします。 なお,現在 Becky! Ver.2 メーリングリスト (Becky! Version 2 Beta) および Becky! Ver.2 Plug-in ML (Plug-in 開発者用のML) に参加しています。 こちらのほうにポストしていただいても構いません。 (情報はみんなで共有すると幸せです)
設定ダイアログの設定項目と GnuPG のオプションとの対応を以下に示します。
--default-key | : | デフォルトユーザID |
--force-v3-sigs | : | PGP 互換の署名・暗号化を行う |
--rfc1991 | : | RFC1991 (PGP 2.6.x) に従う |
--openpgp | : | OpenPGP に準拠した署名・暗号化を行う |
--throw-keyid | : | 受信者を匿名にする |
--digest-algo MD5 | : | メッセージ要約アルゴリズムにMD5を使用する |
なお,デフォルトのメッセージ要約アルゴリズムは SHA-1 (--digest-algo SHA1) です。
ここで設定できない GnuPG のオプションは options ファイル で設定できます。
BkGnuPG の設定内容は全てINIファイル (BkGnuPG.ini) に格納されます。 また,普段使わない機能で設定ダイアログで設定されない項目も, INIファイルに直接記述することで設定可能です。
INIファイルの仕様を bkgnupg_ini_sj.txt にまとめました。 参考にして下さい。 (bkgnupg_ini_sj.txt を BkGnuPG.ini にリネームして,そのままINIファイルとして使えます)
設定ダイアログで設定されない項目としては
があります。
BkGnuPG は起動時に以下の順番でINIファイルを探します。
上記のいずれにもINIファイルがない場合には, BkGnuPG の起動ディレクトリにINIファイルを置きます。 ちなみに GnuPG ホームディレクトリの設定方法については, GnuPG に同梱されている README.W32 ファイルをご覧ください。
INIファイルを直接編集する場合は, 必ず B2 が起動していないことを確認して下さい。 BkGnuPG は起動時にのみINIファイルを参照します。 B2 起動中にINIファイルを編集しても動作中の BkGnuPG には反映されません。
GnuPG のパッケージには日本語化モジュール (ja.mo) が同梱されています。 (日本語化モジュールのセットアップ方法については, GnuPG に同梱されている README.W32 ファイルをご覧ください) しかし,このファイルのメッセージは EUC-JP で記述されており, 残念ながら Windows プラットフォームではうまく日本語になりません。 あゆめみさんのサイトにシフトJIS対応版が公開されていますので, こちらのファイルを使ってください。 また多少コンピュータに詳しい方なら自分で日本語化モジュールを作成することも可能です。 詳しくは venona さんの 「gnupg.mo シフト JIS版の作り方」 を参照してください。
以下に表示例を示します。
BkGnuPG では動作ログを取ることができます。 (INIファイルで指定します) 動作ログには GnuPG起動時のコマンドラインやエラー発生時の簡単な情報が書き込まれます。 BkGnuPG をお使いになって何か障害が発生した際に作者との連絡用に利用していただければ幸いです。 なお,ログ情報は際限なく溜め込まれていきますので, 通常はオフにしておいて下さい。