●皐月賞二着の法則●
〜北海の星コスモバルクに明日はあるのか?〜

執筆時2005年11月14日 加筆修正 2007年10月19日


 北海の星、コスモバルクがどう精細を欠いている…先にカミングアウトすると、私はコスモバルクの大ファンである。なんとかして彼の将来を占いたいと。皐月賞2着の法則を見つけようした…そのためヤフーの競馬名鑑とずっとにらめっこをしていていたが…その作業は非常に頭を悩ませる作業となった。というのも皐月賞二着馬の法則ははダービー二着のようにきれいにわかれることはなかったのだ。…もっといってしまえば、のちの重賞ウイナーがダービー二着に比べて少なすぎて…これという劇的な分類ができなかったからだ。…とりあえず、皐月賞2着馬はおおむね以下の傾向にあるということを紹介しよう。

皐月賞2着馬の成績一覧と分類()内は勝ち馬

皐月賞2着が幸だったのか不幸だったのか
早熟?一世一代の大フロック
シルクライトニング
(サニーブライアン)
皐月2着後は掲示板にも載らずに終わった。
サクラスーパーオー
(ナリタブライアン)
薫風ステークス(1500万下)
タイガーカフェ
(ノーリーズン)
テレビ静岡賞(1600万下)2着など皐月賞の後は勝ちもできず
力はオープンクラス
ディクターランド
(ヤエノムテキ)
函館3歳S 六甲S UHB杯 
シャコーグレイド
(トーカイテイオー)
東京スポーツ杯
力は重賞クラス
マティリアル
(サクラスターオー)
京王杯オータムハンデ スプリングステークス
ナリタタイセイ
(ミホノブルボン)
NHK杯
オースミブライト
(テイエムオペラオー)
神戸新聞杯 京成杯3歳S
ダイタクリーヴァ
(エアシャカール)
京都金杯(2回) 鳴尾記念 スプリングS シンザン記念 マイルCS2着
サクラプレジデント
(ネオユニヴァース)
中山記念 札幌記念 札幌2歳S 朝日FS2着
ロイヤルタッチ
(イシノサンデー)
菊花賞2着
G1 とっちゃいました
あんたがダービー馬!
ウイナーズサークル
(ドクタースパート)
日本ダービー
アイネスフウジン
(ハクタイセイ)
日本ダービー 朝日杯3歳ステークス 共同通信杯
タヤスツヨシ
(ジェニュイン)
日本ダービー ラジオたんぱ3歳ステークス
悲願のG1奪取
ダンツフレーム
(アグネスタキオン)
宝塚記念 アーリントンC 新潟大賞典 皐月賞2着 安田記念2着
キングヘイロー
(セイウンスカイ)
高松宮記念 東京新聞杯 中山記念 東スポ3歳S マイルCS2着
異例の大出世
ビワハヤヒデ
(ナリタタイシン)
宝塚記念 天皇賞(春) 菊花賞 オールカマー 京都記念 神戸新聞杯 デイリー3歳S 有馬記念2着 ダービー2着 朝日杯2着


 まとめてみると、以下の傾向が見られることがわかる。

(1)基本的に1200〜2200の間で活躍する中〜短距離馬が多い。
(2)皐月賞で2着をとった後に勝ち星がない馬も決して少なくは無い。
(3)ダービーで掲示板に名前を載せなければ先行きは暗い。
(4)低人気で皐月賞2着であるほど活躍を残せない。
(5)なぜかダービーを勝つと引退が早い(燃え尽き症候群)。


 皐月賞は俗に最も速い馬が勝つといわれている。ところが、ディープインパクトの陣営が「三冠で一番難しいのは皐月賞だ」もらしていたように、菊やダービーと比較しても中山2000はコース特性上最も難しいレースとも耳にする。今までも幾多の名馬が中山2000の魔の手に落ちて力を出し切れずに終わってきたことだろう。そうなると、実力下位馬が勝負のアヤで2着に突っ込んだりするケースもきっと多かっただろう。拙作のダービー二着馬の法則にあるように、ダービー二着になった馬にはオープンクラスでうろうろした馬は滅多にいない。ところが皐月賞になるといきなり条件馬が増える。仕上がりが速いゆえの衰えのはやさがあるのだろうか。やはり皐月賞二着馬はダービーの二着とはまた違った性質を持つ。以下に、私なりの分類の説明をかいていこう。。

●早熟?一世一代の大フロック
 皐月賞の後にオープンからクラスを落として条件戦に戻った馬達がこのカテゴリに属している。彼らは皐月賞の後は見事に条件戦すら勝てずに終わっている。この馬たちはまさに中山2000にすみつく魔物がほほえんだ馬たちかもしれない。残念ながら大駆けを見せた後は活躍を見せないが、おさまるところにおさまって案外本人達は安心しているかも…しれない。

●力はオープンクラス
 上とまったく同じだが、力がオープンクラスであったというだけのことである。彼らを見てみると、成績を残した距離がマイル前後が多いので、やはり皐月は「最も速い馬が勝つ」という言葉を裏付けている。その一方で、シャコーグレイドとディクターランドはクラシック前までは非常によい成績を残している。皐月賞2着は…早熟すぎる馬が集まるのかもしれない。

●力は重賞クラス
 多くの皐月賞馬が属するのがこのカテゴリ、ある程度の力があってなるべくして皐月賞2着になった馬たちがここに入る。皐月が唯一のG12着であることが多く、ほとんどが1400〜1800で重賞を勝っている。ここで異例なのがロイヤルタッチであるが、この馬は皐月賞2着馬の傾向(3)で実はダービー4着になっているのだ。ノーリーズンが菊花賞で支持されたように、皐月賞・ダービーともに善戦した馬はたいていは菊花賞でもよい結果を残すことを期待されているし、実際に残している。ナリタトップロード、ビワハヤヒデなどがそうであるように。

●あんたがダービー馬!
 皐月賞で人気を集めて敗北した馬達はダービーで雪辱を果たす、そんな馬がこの馬たちだ。ただ不思議なことに、この馬はダービーで燃え尽きたせいかなぜか引退が早い。このカテゴリに属する3頭中2頭がダービーのあとすぐに引退している。便宜上ダービー燃え尽き族と呼ぼう。

●悲願のG1制覇!
 キングヘイローは米国でG1を勝ちまくったグッバイヘイローと欧州最強とまで言われたダンシングブレーヴの子である。良血であるゆえに人気を集めたが好意差しの戦法に執着したのが災いしてかなかなか勝ちきれないレースが続いた。思い切って路線変更をしたところ、フェブラリーSで面白いくらい負けたにもかかわらず、新天地を求め続けて1200である宮記念を勝利。さらに引退の有馬記念ではまたまた思い切って追い込みをはかったところ4着と大健闘。「思い切った」ことをすると勝ったこの馬…まるで皐月賞というレースを象徴しているようだ。どういうことかというと…「何が起こるかようわからん!」

●異例の大出世!
 ビワハヤヒデのように変態的に力があるとこのような芸当もできます。以上(爆)!

☆となると、『シックスセンス』と『コスモバルク』は??


 最強の一勝馬シックスセンス(2005年11月現在9戦1勝)と、北海の星コスモバルクはどうなるのか!これをここで考えていきたい。

☆コスモバルク(ダイワメジャー) JC2着 セントライト記念 ラジオたんぱ2歳S 北海優駿
 この馬はダービーで見事に沈んだだけでなく2005年になって成績が落ち込み気味である。『このままいったら仕上がりの速い重賞クラスになっちゃうか!?』と思われる。しかしこの馬はまだ思い切ったことをしていない。というのも、コスモバルクは戦法が逃げの一点なのである。コスモバルクの母父はトウショウボーイ。トウショウボーイといえばミスターシービーの父親。となるとコスモバルクにも切れる脚があるかもしれない。ぜひとも一度バルクが追い込むところがみてみたい!と、思うのは自分だけだろうか?そういう意味ではまだバルクは力を隠しているものをもっているかもしれないので、楽しみである。来年からはマイルにもっと積極的にいけばいいかもしれない。

☆シックスセンス(ディープインパクト) ダービー3着 菊花賞4着 
 最強の1勝馬、目の前にアドマイヤジャパンやディープインパクトといった大きな壁があるのがこの馬にとっては不幸だ。距離が延長するにつれて着順を下げていることからもこの馬は距離が伸びてよいということはなく、マイル〜中距離向けだろう。皐月二着でマイルCSの勝ち馬はいないが2着ならいるので、ぜひともシックスセンスには皐月二着組の初のマイルCSや安田記念の勝利馬になって欲しい。マイル路線になったときにこの馬の真価が出ると思われる。

●検討不足の感があるので次回はダービーでの着順や、血統などをみて健闘していきたい。


修正(2007年10月現在)
☆コスモバルク(ダイワメジャー)
 コスモバルクはその後好位差しの戦法でなんと国際G1シンガポール国際Cを勝利!そしていまだ現役…これによって、「悲願のG1制覇」のグループに入れたい。さて、私が散々力説したマイル戦線だが…岡田総帥によると「マイルは忙しすぎる」とのこと。
 これからも現役で走り続ける限りは北海の星であり続けてほしい。

☆シックスセンス(ディープインパクト)
 香港ヴァースでG1二着で、期待を持たせ、年明けは京都記念で大外ブン回しデットヒートと、本当に見せ場の多く、感動させられるレースをたくさん見せてくれたのですが…最初で最後の重賞制覇となった京都記念を最後に引退してしまいました。私の中で最強の2勝馬として、永遠に記録でのこるでせう。

戻る