大きな数

日本の総人口は1億2691万9288人(2000.10)だ。日本全体の人数を合わせて億の単位になる。
地球から太陽までの平均の距離(きょり)は1億 4960万 kmだ。福岡−東京の間はおよそ1100kmだ。なんとのその14万倍もある距離だ。
地球から太陽までの平均の距離をm単位で考えると、
 1億 4960万 km=1496億m
となる。
それでもまだ兆の単位にはならない。さらに、mmの単位に変えると、
 1億 4960万 km=1496億m=14兆9600億mm
だ。

四年生で勉強する大きな数は、「兆」までだな。実際に使うことがあるのか分からないが、
それより大きな数の呼び名がまだあるのだよ。
吉田光由(よしだみつよし)の塵劫記(じんこうき)によれば、つぎのようになる。
 

京(けい)  

垓(がい)  

のぎへん+予(じょ)  

1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
じょう じょ  

1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
こう じょ  

1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
かん じょ  

1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
せい じょ  

1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
さい じょ  

1000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
極ごく じょ  
 この後、まだ、次の位が続く。
「恒河沙(ごうがしゃ)、
阿僧祇(あそうぎ)、
那由他(なゆた)、
不可思議(ふかしぎ)、
無量大数(むりょうたいすう)」
1無量大数は、なんと
「100000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000」
0が68個も つくのじゃ。想像もできない数じゃ。
 これらの位の名前は、中国の書物にあるものをもってきたものだ。
恒河沙から後にあらわれるものはすべて、仏教のお経の中に出てくることばからとられたものなんじゃ。
※ 下線は、矢野健太郎「すばらしい数学者たち」新潮文庫p194より引用
 たとえば、「恒河沙」は、インドに流れるガンジス川の砂という意味だ。
仏教のお経の中に,「数えきれないほど多い」ということのたとえとしてつかわれている。
ガンジス川は、ヒマラヤ山脈(さんみゃく)の中部に水源がある。
インド北部を東西に横切り,ベンガル湾(わん)にそそぐインドでもっとも大きい川である。
すべての長さは、約 2510kmあり,北海道の札幌市から沖縄の八重山諸島までと同じくらいの長さだ。
流域面積は 97万 5900km2にもなる。なんと日本全体の面積の2.6倍にもなる。
「恒河沙」は、そのガンジス川のひとつぶの砂を1つ1つ数えたような数という意味なのだ。
位(くらい) よみ ことばの由来と考えられるもの ※原文をわかりやすく表現を変えている。 参考資料
がい 広辞苑第3版
恒河沙 ごうがしゃ インドに流れるガンジス川の砂という意味で,仏教のお経の中に,「数えきれないほど多い」ということのたとえとしてつかわれている。
ブリタニカ
阿僧祇 あそうぎ 仏教のことばで、数えられないということから,無量や無数の意味だ。 ブリタニカ
那由他・那由多 なゆた 仏教のことばで、古代インドの数の単位だ。とても大きな数量だ。千万または千億に当るなど、いろいろな説がある。 広辞苑第3版
不可思議 ふかしぎ 阿弥陀仏(あみだぶつ)にすがることを表わした「南無不可思議光如来」を九字名号のなかに入っていることば。※これが由来かどうかはわからない ブリタニカ
無量大数 むりょうたいすう 量のはかり知れないほど多い大きい数という意味だ。 広辞苑第3版

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