君によろしくって言われた奴は、俺のあとにボールコントロールをした奴だった。 結人に「英士が舌打ちした奴、ロッサにいたよな」と言われて思い出した。 どうして君がそんな奴と面識があるのか、苦しくて仕方なかったよ。 【8】を背負う男 -4-「…覚えててくれてたなんて嬉しいな」 「目立ってたからな。小さくて、ガリガリで」 「おかげでどんどん追い抜かれた。悔しかったよ。どんなに技術を身に付けても 基本的な体力がなきゃ上は望めない。でも今は、あの頃より15cmも背が伸びた。 今なら負ける気がしない」
「”よろしく”って奴」
それ以上の会話はなくて、俺は君と奴の関係を知りたかったけど、聞くことなんてできなかった。
もし君じゃない誰かに聞かれたら、きっと俺は”遊びに行ったんじゃないよ”って答えてるだろうけど 「楽しかったよ」
本当に。君がよろしくって言った奴に本気になってサッカーしたら
たぶん、その楽しさは、この痛みに裏づけられているんだろう…
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