君の声は、ボクの煩悩を揺らがせる

君くらいなんだよ、そんな存在は







THANK U BABY -5-




 

「あ…」

「オツカレサマ◆ 

「ヒソカ…!」

試験も後半、今日もなんとか乗り切ったときだった。
与えられた部屋にもどると、そこに彼がいた。

「ど、どうしたの?」
「あれ、メイワクだったかな

困難な試験ということもあり、あの霧中で会って以来、
試験が始まる前にチラリと見かけるだけ、このように会う機会はなかった。

しかし私から彼を探すことは困難だが、
彼が私を探し会うのは容易だろう。そしてその機会は多々あったはず。

それが、何故今―

 

「話したんだネ  キミのこと」
「…聞いたの?」
「キカされた、が正しい」

ハッ…とヒソカを見ると、気がついた…
いつもと変わらないように見えるけど、怒りの感情が少し感じる。

 

「言わなかったかな 滅多に話さないほうがイイって」

「ええ…この前、初めて話したの」

「ソウ……何笑ってるノ

私はそういわれ、初めて気がついた。
私は笑っていた。
たぶん、それは―

「私のこと、殆ど忘れたんじゃないかと思ってたから」

「オヤ…そんなわけないヨ…たとえばそう―」

彼を見ると、ニコと笑っていた。

 

「ボクのコドモがほしいとか

 

私は…自分の頬が熱くなったのがわかった。
確かに私は言った、何も知らずに。

「キミ、その時、力を使っててネェ…贖うのに苦労したヨ」
「そ、そうだったんだ…」
「ボクは、果物はウれてから食べたいからネェ」

ゆっくりと近づいてきて、手を伸ばす彼に、
緊張しながらも、私は言葉をとめられなかった。

「…私は、熟れた?」

「…試しテごらんヨ」

 

私は、息をのんだ。

 

 

 

 

 

「ヒソカ…”私に貴方の子供をちょうだい”」

 

 

「ダーメ」

 

がくっとなった。

「もう! ダメなら最初から言ってよ恥しい!!」
「クックック…変わらないネェ、まったく」

面白そうに笑うヒソカ。真面目に”言った”自分がバカみたい。

、少しは勉強したらドウだい」
「え?」
「例えばキミが誰か殺りたいと思ったからって、シねって言ってもムリだろう◆」
「うん…」
「でも、ソコの谷に飛び込めとか、誘発するような行動ならさせられるカモしれない」
「…」

それは…私もたまに使う手ではある…

でも、つまり…彼が今回示唆しているのは―

 

「…誘えってこと?」

「ウン ヤッてごらん」

 

遊ばれてる。すぐにわかった。でも…

いつまでもオモチャだなんて、思われたくない。


THANK U BABY -A-ドリームTOPNEXT