kr_ryo 徒然日誌 <2006年11月26日分>

シヴィライゼーション3にみるゲームのおもしろさ

今年の秋は雨がつづいてお出かけは非常にしづらい、しかも変なあったかさもあったりで、紅葉もきれいじゃあないみたいですね〜こんな秋の日はゲームの秋(^^;;って、年中やってますか(^^;;;ここでとりだしましたるはおなじみコサックスではなく、シヴィライゼーション3。

シヴィライゼーションの面白さはものすごいバランスのよさで長く遊べることであり、その問題はあまりにもプレイに時間がかかることです(*_*)最近三國志製作がなんとなく精彩を欠いている、というよりどうもおもしろいとはどういうことかということがなんだかよくわからなくなってきて、思わず久々にプレイしてみたら…はまってまいました(´∞`)

以前体験記を書いたんですけど、その時もこのゲームはどうもスカッとしないという感想を持っています(^^ゞ今回プレイしたときもやっぱりスカッとしません(^^;;Aおもしろいんですけどね、バランスが極端によすぎるんです。圧倒できません。

といいつつ、真ん中やや下の「摂政」レベルでプレイして、とにかく最初からがんがん攻めまくる、同時に3か国だろうが5か国だろうが、戦争はするわ攻め込むわ、容赦せず叩きつぶしていきます。帆船技術がなく他の大陸に侵攻できない年代にあっと言う間に大陸を統一して、どうしようかと思っていると、沈没もかえりみずやってきた他の大陸の帆船を発見してこれ幸い、地図を交換したとたんにまた攻め込む(^^;;いやはや、これはこれでスカッとします(^^;;

ところがさすがに大洋をへだてて軍を送るのは無理があります。橋頭堡となる都市を奪っては他の都市に攻め込んだすきに攻め込まれ、防衛を厚くせざるをえなくなる。他の沿岸都市を攻めようと軍を送っているすきに橋頭堡都市が攻められる。そうやって3か国相手に延々何百年も戦争し続け、ちょうどユニットが防衛優位の「ライフル兵」「歩兵」ばかりになった頃、さすがに数年我慢して「戦車」を開発しようと各国と一時休戦したとたん、ゲームが「制覇」で終わってしまいました( °〜 °)

その時の休戦の条件に、各国から2都市と賠償金を奪った結果、もしくわもうすでに世界の陸地の66%を奪っていたようです。このゲームのすごいところに、戦争をつづけてると市民に厭戦感情がわき、不満をいだいて内乱を起こしやすくなるというものがあります。特に政体が「民主制」だと厭戦気分蔓延でほとんど生産できなくなるんですね。逆に「君主制」だと勝ってる戦争してると厭戦気分がわくどころかむしろ高揚し、だからこそ下手に休戦するとかえって不満を抱くという芸の細かさ(^^;;

そこをついて、「君主制」として延々戦争をつづけさせれば、敵国の厭戦気分蔓延でこちらに優位になる、というわけです。もちろん勝ってなきゃなりませんが…そういうわけで平和条約を結ばず戦争し続けていたんですけど、平和になったとたん制覇で終了というのはちょっと欲求不満気味(~_~;)このまま最後まで完全征服を目指すつもりだったのに、途中で終わっちゃったという感じで。実は陸地66%を抑える勝利である制覇なんて知りませんでした(^^;;;

もちろん勝利条件を満たしてもプレイはつづけられるんですけども、やっぱりつづける気はしませんね〜!この場合、完全に敵国を滅ぼす征服を目指してもいいわけですけど、やっぱりそれはおもしろくありません。そうそう、私は滅多にロードしなおしもしません。あれです。不利な状況になったときとか、結果が思わしくない場合、ロードしてやりなおすというやつです。シヴィライゼーション3の場合、ロードしてやりなおしても結果が変わらないようランダムさまで保存されるのも影響してるかもしれませんが(^^;;

話を戻すと、やっぱりゲームは勝利条件を満たす手順をあれこれ考えて、勝利を目指すこと自体がおもしろいんですよ。いくらなんとか生き残ろうが、美しい国づくりをしようが、効率的に運営できようが、勝たなければどうもおもしろくありません。そういう意味では、勝てる可能性がなくなったらさすがにプレイしていておもしろくありません。

先程の勝利の後、1つ難易度を上げて「国王」レベルにしたところ、がんばって文化を上げてもいつも他国より周回遅れの最下位、かといって隣国に攻め込んだらすべての国を敵にまわすことになり、あげくに1100年代で早くも近代文明直前の「騎兵隊」ユニットでがんがん攻められるというひどさに、やってられなくなりました(*_*)

昔プレイした時も感じましたが、バランスがよすぎるため、何かに全力をかけないとドングリのせくらべになってしまいます。たとえば何も考えずに攻め込むとか、脅迫にこびへつらってもひたすら文化を上げるとか。中途半端では勝てないみたいなんですよね〜!

そうして、なんにせよ勝つためにプレイして、勝つ見込みがなくなればやめる。やっぱり勝つことを目指すことがゲームの目的です。ゲームの目的自体は勝つことですが、勝てないならゲーム自体をやめなきゃならないくらいの興味減となります。かといってあまりに勝ちすぎるのも全然おもしろくありません。目的がすぐ達成できるならプレイする必要もないですからね。全然勝てないのもおもしろくありませんが、あっさり勝ててしまうのもおもしろくない。プレイレベルが上がっているのに、初心者レベルでプレイしてもおもしろくないことからもそれがわかります。

そうこう考えると、ゲームのルールは、それ自体が目的達成をはばむ要素でもあり、目的達成に向けて使うツールでもあります。シミュレーションゲームの場合、ルールはある時代や場面をシミュレートするための要素でもありますが、それはやっぱり副次的なものにすぎません。ルールは、ゲームのため、目的達成をはばむ障害のため、目的達成に向けての手段のためにあります。それがたまたまシミュレートしていれば、よいシミュレーション・ゲームであるわけです。

それが逆に、シミュレーション部分を強調するためのルールであれば、窮屈な感じ、プレイというよりはシナリオをなぞらされる感じになっちゃいます。もちろん反対に、ゲーム性を強調するためのルールであれば、シミュレーションは単なる飾りにすぎなくなります。どちらかというとシヴィライゼーションのルールはゲームよりですが、時代や文物をうまくゲームに使っているという感じはうけますね。アメリカに紫禁城があろうが、古代のユニットがずーっと存在し続けたりしようが、なんにせよ時代は流れているというシミュレーションは感じさせれます。

シヴィライゼーションの勝利条件はいろいろありますが、何かが他の国より抜きんでること、というものです。そのため、プレイは常に競争を強いられます。もちろんゲームとは競争なわけですが、長い時間の絶え間なき競争であり、あまりに長い時間すぎるのが息の抜けないものにしています。そういう意味では、スカッとする、というのはそういう競争の緊張が抜けた状態なわけですね。圧倒するとか、縮こまっていたのを開放するとか、そういう感じです。延々競争し続けるというのも、それはそれでちっとも緊張が抜けないんで、スカッとしないわけです。

で、そのシヴィライゼーションの勝利条件は、やっぱりゲームのためのものわけです。領土を広げようが、宇宙開発競争に勝とうが、スコアが一番だろうが、そのどれもが競争の果てに来るものであります。シミュレーションの対象である文明や国自体の目的とは異なります…多分(^^;;市民が幸福であることも実は勝利条件をかなえるひとつではあるんですけども、たいがいの場合、資金や資源は市民のためではなく兵器や文化の発展のみに使われます。この辺は国家の目的というなんだか哲学的な話になってきそうですね。

ここで強制的に三國志製作に入りますと(^^;;A三國志の英雄の目的って、やっぱりやや不明瞭なんですね。競争が基本であるゲームの目的だから全国統一でいいじゃないか、ということでこれまでのどのゲームも統一を勝利条件にあげてきたわけです。が、よくよく考えますと、始皇帝の時代じゃあないわけで、敵は他国という存在ではありません。衰えたりとはいえ、そもそも漢という統一国家が前提としてあるんです。魏が禅譲を受けた時も、漢領全土を譲り受けたと言う建前です。

曹操にしても劉備にしても、これは漢という国家を前提にしての勢力争いと見ています。いってみれば反乱軍討伐的発想ですね。そうであれば、別に他の勢力を完全に滅ぼして全国統一なんかしなくてもいいわけです。他の勢力が膝を屈するというか、皇帝にちゃんと臣従してさえすればいいんです。孫策や周瑜は全国統一をしようという野望はあったようですが、孫権はどう考えても領内自治国家でいいや!という感じですね。

もともと始皇帝、というよりもっと前の周朝やら商朝やらの時代から、中華思想、すなわち世界の中心が皇帝で、皇帝が世界を支配し、皇帝の直轄領が中原、という思想があるところです。異民族国家であっても、とりあえず中国の支配下という建前です。そういう建前があるので、直轄領の中原の中でたまたま同民族別国家があっても、中国皇帝の支配下であることに矛盾はありません。

もちろんここで、皇帝を倒せばどうなるか、という問題があります。世界の中心であり、世界の象徴たる皇帝を倒す者は、世界の外にいることになります。そうして皇帝を倒した者が、それによって手に入れるのは皇帝と世界からの独立であって、世界からの分離です。曹操にせよ、曹丕にせよ、漢朝をおそれ、漢朝を倒さなかったのはその状況をおそれたからでしょうか?皇帝を外から倒しても、世界を手に入れることにはならないのです。世界から独立するにすぎないのです。

なんだか不思議な話になってきましたね(^^;;これはちょっと、次回まわしにしましょうか。。。

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