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例題部品ブラケットを2個、4工程で加工した場合の作業時間を図16に挙げている。この事例では、ユーザがコンピュータを使用してモデリング(CAD)とCAM作業を行った時間は、合わせて93分、2個の工作物に要した加工時間は126分である。 この加工時間には、CNC運転の自動加工時間と、初品加工時にユーザが一時停止をかけながら工具運動の正しいことを確認するのに要した検証時間が含まれている。初品の加工を行って、NCプログラムの正しいことを検証した後、第2品は全自動で加工を行っている。検証に要した余分な時間は、初品に要した加工時間から第2品めの加工時間を差し引くことによって推定できる。
図16 例題工作物ブラケットを2個製作するのに要した作業時間データ
図17 初品のみを製作する場合の作業時間の内訳パーセント
ほかに、2個ずつ製作した二つの事例を加えて、作業時間を整理し直し、初品の1個のみを製作する為の時間配分を求めてみると、図17の様に示すことができる。 すなわち、1個だけ製作する場合には、準備時間の総計が80%、純NC加工のみの時間はわずか20%にすぎない。また、加工機(MC)を必要としない準備時間は、加工機を占有する時間(加工時間と工作物段取り時間、および工具準備時間のごく一部)とほぼ半々の割合になっている。 これは、初品の製作に要する時間であって、第2品めを製作するには工作物段取り時間とNC加工時間のみであるから、その合計は、初品製作に要する時間の32%、つまり三分の一の時間で繰り返し加工が行えることを示している。
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