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 白色LEDライト

2002年9月28日 21:58:48

 早いもので、本ホームページを立ち上げてから、3ヶ月が過ぎようとしている。トップページの訪問者数は200程度で、よく来てくださったと、感謝している(5%程度は自分で踏んでしまったものだが)。
 日記が続いたためしはないので、月に一度くらいなら続くか、と思って始めたのがこのコーナーであり、何とか三日坊主ならぬ三ヶ月坊主は突破したようである。

● 白色LEDライト

 最近まで凝っていたのが、白色LEDライトである。職業上、ペンライトが必要なのでどうしても関心が出てしまう。
 もちろん、数ヶ月前までは通常のフィラメントを用いたライトを使っていた。最近のフィラメントタイプのライトはめちゃくちゃな明るさで、その点については文句はない。しかし、光の色がどうしても黄色くなるのと、照射野に光量のムラができてしまうのが弱点である。安いものだと信頼性がいまいちで、使っているうちに接触が悪くなり、ちらついてしまう。高価なライトもあるので、それにすれば良いのだが、若干赤っぽい光の色と光量のムラはどうしようもない。
 東急ハンズで白色LEDライトのコーナーがあり、ああ、これがうわさのライトか、と思いつつも、数千円という価格に二の足を踏んでいた。ところが最近、日曜大工用品店などに安価な白色LEDライトが出回るようになったので、購入してみた。

▼ その一、1LEDタイプ

 最初に見付けたのは、LEDが一個で、電池が単五サイズ3本のものである。ボディはアルミニウム合金削りだしの、非常に美しいライトで、価格が千円弱だったと記憶している。もちろん、見るなり購入してしまった。
 胴体はかなり太く、単三電池タイプと同程度である。ヘッドを回して焦点を合わせるタイプで、おそらく、フィラメントタイプのライトを改造したのであろう。

 さて、恥ずかしながら、このLEDライトを買うまで、白色LEDとはどのようなものかを知らなかった。青色LEDは有名であるので、てっきり赤・緑・青の三つのLEDチップを組み合わせたものだと思っていた。Webで調べる限り、そのようなタイプのものもあるようだが、購入したライトのLEDは全く発光原理が異なっていた。
 青色LEDチップの表面に蛍光塗料を塗って、プラスチックの透明ケースに封入ているようだ。LEDを覗き込むと、黄色の塗料が見え、LEDチップそのものは見えない構造になっている。蛍光塗料が青色の光を受けて、他の色を発色するために白に見えるようだ。発光してるLEDを遠くから見ると輝くばかりの美しい白色で、表示部品としては良くできていると思う。

 ところが、照明装置としてみると、癖がある。まず、照射野は中心部が青っぽく、周辺部がやや黄色い。しかも、最初の数秒、色が安定しない。もちろん、フィラメントタイプの光量ムラよりもよほどましではあるのだが。
 手のひらなどを照らしてみると、赤い色の印象がまるで違う。白熱灯どころか、蛍光灯とも違うのである。発光原理からは蛍光灯に近いと思えるのだが、微妙に違う。しかし、昔の水銀灯ほどは赤は落ちていない。

 ということで、白色LEDの光のスペクトルを知りたくなってしまった。とりあえずプリズムはないし、と考えていたら、身近に回折格子があるのに気が付いた。CDの表面である。CDの記録面は虹色に輝いているが、たとえば、三色タイプの蛍光灯を見てみると、ちゃんと数色の蛍光灯が映って見える。
 見る前に予想してみた。赤が弱くしか発色しないため、青はLEDの色を利用し、蛍光塗料は黄色を補っているので光を見ると白色に見えるが、三原色ではないために何かを照らすと妙な色になるのだと予想した。
 驚いたことに、青色以外に目だったピークはなさそうで、赤から青まで連続したスペクトルを持っている。さらに驚いたことに、紫色まで見えるような気がした。おおっと、これがうわさの非線形光学素子か、と一瞬思ったのだが、それは半導体レーザーの話で、白色LEDに関しては錯覚のように思う。

 とても残念なことに、このライトは光量不足で仕事には役に立たなかった。とはいえ、通常のライトとしては使えるので、家庭用に使用している。

▼ その二、3LEDタイプ

 別の日曜大工用品店に行ったときに偶然見付けた3LEDタイプのライトである。プラスチックの半透明ケースで、単四電池三本を使う。単四電池は容量が大きいはずだから、電圧降下にびくびくすることなく使える利点がある。
 明るさは十分で、少し青っぽい光である。非常に気に入ってしまい、仕事にはもっぱらこれを使っている。
 照射野の色むらも光のスペクトラムも相変わらずで、赤色は乏しい。照射された物体は、蛍光灯とは明らかに色が違って見える。
 ヘッドを回転するとスイッチが入るタイプなのだが、使いすぎたため、先日ついに回転を支える部分が割れてしまった。瞬間接着剤で何とか接着して使い続けている。現時点では満足の商品である。

▼ その三、6LEDタイプ

 外形は最初の1LEDタイプのライトの胴を長くした感じで、6つの白色LEDを3本の単三電池が駆動する。
 もちろん、非常に明るい。それでも、フィラメントタイプには負けてしまう。
 電流の制御は行っていないためか、LEDに明るい暗いが多少ある。照射野の色むらは相変わらずで、中心部が青っぽく、周辺がやや黄色い。赤が足りないのも同様である。
 上述の3LEDタイプと交替で使っている。握りやすい分、大きく重い。頑丈なので、外出時にも使う。

● まとめ

 白色LEDライトは実用域にある。Webでは米国でも流行しているようで、私の購入先の日曜大工用品店でもまずまずの人気のようである。
 白色LEDは照明器具としては、まだ改良の余地があると思う。第一に、光に赤味が乏しい。しかし、蛍光灯でも三原色タイプにたどり着くまでに随分時間がかかったので、将来に期待しないといけないのだろう。次に、照射野の色むらがさらに改善できれば、と思う。
 白色LEDを照明として使う分野は今後増えると思う。普及すれば、研究開発も進むであろう。