2003年7月24日 21:56:52
1年足らずで個人用ノートパソコンを追加購入することとなった。
元のノートパソコンは、ここでもたびたび紹介しているCompaq Presario 710Jである。よく働いてくれたし、気に入っていたのだが、あまりに酷使したせいか、調子が悪くなってしまった。なにしろ、鞄に入れたまま約1mの高さから落下させたこと数回、カバーの一部が変形破損しているくらいなので、よくもまあタフなパソコンだと感心してしまう。
● HP compaq nx9005
そうはいってもPresario 710Jは十分に使える状態だったので新規購入までは考えていなかったのだが、一応次期機種を考慮してはいた。偏見ではあるが、頑丈そうなノートパソコンとして、IBM、HP/Compaq、東芝あたりのホームページを何度か訪問していた。少し前に、HP
compaq nx9005のDVDドライブへの無料アップグレードキャンペーンがあり、そのときは購入する気はなかったので、注目するだけにしていた。
だが、元のパソコンがいよいよ仕事には使いづらくなってきたので、購入を前提に調査することにした。残念なことにnx9005のキャンペーンは終了していて、まあそれでもCD-ROM専用ドライブのを買おうかと思っていた。ところがしばらくして、HPのホームページに7月7日午前8時から限定2000台で無料キャンペーンを復活させるとの掲示が出た。これは千載一遇のチャンスとみて、当日朝からアクセスしてみたのだが、なかなかつながらない。つながっても最終の購入ページまでセッションが続かない。結局当日も翌日もだめで、ついにはキャンペーン終了の掲示が出てしまった。ところが、なぜか、九十九電機のオンラインショップで限定20台の同じ商品が1円安く手に入る広告が掲載された。半信半疑で申し込んでみると、どうやら7人目あたりだったらしく、何とか購入でき、こうして私の目の前で、その一台が稼働していることとなった。
HP compaq nx9005のCPUはAMD社のモバイルAthlon XP-M 1800+である。広告通り、静穏性は抜群である。能力的にはライバルに一歩もひけをとらず、しかもお買い得感がある。OSはWinXP
HOME SP1である。
購入時のメインメモリは256MBで、VRAMに64MBも使用されているので、メモリだけは近所のパソコンショップで追加購入することとした。迷ったあげく、豪華にも512MBのメモリを追加した(主記憶は704MBとなる)。ビデオチップはたいした性能のようで、Windows向けの古い3Dゲームが飛ぶような速さで動作する。
レガシーインターフェースが多数あり、さすがにジョイスティックポートまではないが、PS/2、パラレルに加えシリアルポートのコネクタまである。シリアルポートに関しては、マウスや無停電電源くらいしか応用が思い浮かばないとはいえ、自作マザーボードにはしつこく付属している点から考えて、無いと困る人もいるのであろう。
● 使い心地
ソフトはほとんどが移行できるのだが、今このホームページを作成しているホームページビルダだけは契約上移行は無理と考え、新規購入した。抗ウイルスソフトもバンドル版の期限が終了したら、新規購入になると思う。
メーカも同じでOSも同じなので、ほとんど使い心地は変わらない。最近、DOSゲームがかなり良好に動作するのを発見して、喜んでいる。FM音源のレジスタを直接変更するソフトは無理のようだが、効果音とMIDI音楽は快適に再生できる。NTのDOSバーチャルマシンはよくできているようだ。
最近のパソコンの発達には驚くもので、かなり負荷が重いはずの多人数用データベースソフトも軽々と動いてしまう。性能については対価格的には大満足である。
さすがにHP製で、機能的なデザインには感服する。キーボードの使い心地は最高の部類に入ると思う。青色LEDを多用しているので、デザインが引き締まって見える。
● DVDドライブ
購入したセットにはDVD-ROMのドライブがついている。試しに手元の映画のDVDを再生してみたら、すばらしい画像が出てきた。
むろん、経済的な液晶ディスプレイなので、コントラストはまずまずなのだが、解像度が高いので画面の詳細や質感がよく表現できている。周囲を暗めにすると、まるで映画館のようだ。DVDはMPEG2の信号のはずなので、テレビでの色むらはNTSC信号の都合となるから、それがないパソコンでは非常に鮮明に見える。
スピーカはステレオで、中音域の音質が良好のようで、なかなかの迫力である。小さいスピーカなので大音量は出ないし、重低音はとても無理なのだが、それでも画角を稼ぐためにディスプレイに50cmほどまで近づくと、大きく聞こえて細かい音まで分かる。個人でDVDを鑑賞するには贅沢と言えるほどだ。
ということで、勢いで映画のDVDを2枚買ってしまった。パソコンの音楽CD再生が何となくおまけ機能なのに比べて、パソコンのディスプレイの高機能さから、DVDプレーヤとしては対価格を考えても実用機の一つと考えて良いと思う。
だめもとでチャイコフスキーのクラシック音楽CDを内蔵スピーカで再生してみた。MediaPlayerでラウドネスを効かせないと聞けたものではないが、しかし、意外に健闘している。ファンとCDドライブの騒音が比較的目立たないのが良い。
次に、17インチ、ダイヤモンドトロンのCRTディスプレイを接続してみた。ピクセル数を1600x1200にすると、どうやらフィルムからMPEG2にするときのサンプリング点数を超えてしまっているようである。もはや、元のMPEG2の信号にあって、ディスプレイに映っていない要素は皆無ではないかと思える。
細かい点で最高、とまでは言えないのが残念だが、これ以上の品質を追求するとかなりの出資になりそうだ。今の構成でDVDの潜在能力が引き出せているので、十分楽しめると思う。
● HPの想い出
ついにHewlett Packard(HP)社のコンピュータを個人で所持したことになる。
HPといえば、私の印象はまず測定器の会社であって、次に計算機の会社である。計算機といっても、初めて実物を見たのは電卓であった。HPの測定器は高価な印象があって、大学の研究室でシステムオシロスコープを見たことがあるが、自分で使ったことはない。
HPのプログラム電卓は、かつてはあこがれの的であった。今、譲り受けた横河ヒューレットパッカード(YHP)社のベストセラープログラム電卓、マイクロカリキュレータ25ミニを所有している。逆ポーランド記法順に入力する、独特の操作性の電卓である。その昔、プログラマブルでない関数電卓を所有していたこともある。また、古いHPのミニコンピュータを見たことがあって、なんでも教授が私財をはたいて購入し、BASICを使っていたとのことだが、残念ながら動作しているのを見たことがない。その大学の教室には、コンパクトな一体型のHPのパソコンがあって、たしかPASCALマシンだったと記憶している。また、大きめの一体型のBASICパソコンもあった。だから、人によっては、HPは元から小型の計算機の会社、ということになろう。
今のHPはかつてのDECもcompaqも合体しているので、さまざまな文化が融合した計算機メーカと思う。OSも複数所有しているから、自前で完全なシステムを組める、数少ないメーカの一つであろう。