しばらくの間、カナル型ヘッドフォンから離れていた。カナル型のものの音が貧弱で、オーバーヘッド型の方が音がいい時代が続いていたからである。
その間に、使用する音源はMP3などの圧縮音源からロスレスやWAVに変わっていた。
何を思いついたのか自分でもよくわからないが、久しぶりにロスレス音源を昔買ったカナル型で聴いてみようという気になった。
NWーS616FとMDR−EX90SLとロスレス音源との組み合わせは、想像以上に素晴らしかった。もちろんATH−A900にかなうべくもないが、別次元の音として音楽を楽しむのに十分なものがあった。
そこでわかったことがある。カナル型のヘッドフォンは、その製品によって圧縮音源の粗を隠すものと、粗をそのまま出力するものの差が極端にあるということだった。
MDR−EX90SLは、粗をそのまま出力するタイプのカナル型だったのである。ロスレスやWAVを再生すると、十分な低音と十分な伸びある高音を出してくれる。圧縮音源だと、低音部の解像度が極端に悪くなり、潰れた高音部がシャリシャリいう。
Youtubeなどからダウンロードしたものの3分の2は、何とかしてCD音源を手に入れる羽目になった。
いつかレビューしたように、すでにNWーS616Fの4Gでは普段音源にしているもの全てを入れるのは不可能になっているので、NW−S739F用にもうひとつ音のいいカナル型が欲しくなった。しかし、MDR−EX90SLは生産終了で売っていない。
すでにレビューしたATH−CK9は全く使い物にならなかった。MDR−EX90SLでもイコライザーを使用しないと使用に耐えなかったが、ATH−CK9はイコライザーをかましても音質が変わらないのである。これには本当にがっかりした。
もう一台あるATH−EA9rはカナル型でないので、音は良かったが取り扱いが面倒でやっぱりNGだった。
NW−S739Fに付属のカナル型はNCタイプのものだったが、30時間エージングしても高音が鉄板を鳴らしているような音ばかり出るので、使用を諦めた。
そこで価格コムで評価の高い実売1万円以下のものを探していたら、
・パナソニックRP−HJE700 約7000円
・オーディオテクニカATH−CKS90 約7000円
・UltimateEars MetroFi220 約8500円
・ビクターHA−FXT90 約7000円
・MONSTER CABLE Jamz MH JMZ IE 約8600円
・DENON AH−C710 約9000円
というエントリーがあった。
RP−HJE700は低音が出ないという評価でパス。ATH−CKS90はNC型ということでパス。MetroFi220はiPod向きということでパス。HA−FXT90はいいという評価とダメだという評価で割れているのでパス。Jamz MH JMZ IEはクリアさにかけるという評価があるのでパス。
残ったのは、DENON AH−C710だけだった。価格コムの表は高音がきついという評価。アマゾンでの評価は結構いいものが多かった。
ということで、14000円出してSONY MDR−EX600を買えない私は、DENON AH−C710を買うことに。長い前置きだ。
聴いてすぐに分かったことは、DENON AH−C710は圧縮音源の粗を隠す傾向のあるカナル型であるということであった。
では、原音は全て特定の傾向にマスクされてしまうのかというと、いいものはいいなりに鳴らす。だが、悪いものでも粗はあまり出さないという、ちょっと信じられない傾向があるのだ。
MDR−EX90SLではイコライザーに使用は必須だったが、DENON AH−C710はイコライザーの操作はほとんど不要。低音ブーストを1段に設定して、最高音を1段上げるだけで他の操作はしないほうがいい。いじりすぎると音が破綻してしまう。
音量はMDR−EX90SLは13くらいで設定しているが、9くらいで十分である。というか9でも重低音で頭が痛くなることがある。音源のレベル調整は必須だ。
分解能のある分厚い低音と、高域よりの中音部、伸びのある高音という傾向は、MDR−EX90SLと似て非なるものだが、これはこれでなかなか素晴らしい。
ケーブルのタッチノイズもほとんどない。遮音性も音楽が鳴っているあいだは、ほとんど外の音が聴こえなくて危険を感じるくらいだ。
これが9000円で買えるなら、安い買い物だと思った。ブラボー!DENON!
試聴に使ったロスレス音源
・12月のエイプリルフール EPO
・クリスマスプレゼント 古内東子
・ハナミズキ 一青窈
・記憶 RAMJA
・さいごのひ スキマスイッチ
・ふるさと 嵐
・あなたのキスを数えましょう 小柳ゆき
・桜色 中川翔子
・ロードショウ 石川優子
・涙のソリティア 石川優子
・風まかせ 三沢あけみ
・オールアットワンス ホイットニー・ヒューストン
・バイバイ 相川七瀬
・In My Dream 真行寺恵里
・世界で一番熱い夏 プリンセス・プリンセス
・All Wanna Do Is Make Love To You Heart
その他多数
さて、マメモ tm2だ。
使ってみてすぐに分かったことがある。字の太さを3段階に変えられるのだが、この処理のために、描画がかなり遅い。線を一本引く動作をすると少し間を置いて画面に線が現れるくらいの遅さなのだ。これにはがっかりした。これならWizのほうが反応が早い。これは速攻で修正してもらいたい。まあ、細い線を使えばいいだけの話だが。
2つ目の弱点。消しゴムの範囲が狭すぎる。何回もペンを往復させないと、字一つ消せない。
3つ目の弱点。ページや範囲のコピーが出来ない。これではコンピューターを使っている意味が無い。同じ内容のものをすこしずつ修正するといった使い方ができない。
ページのコピーは、範囲のコピーと同義として、範囲指定のカットアンドペースト及びコピーアンドペーストは次のバージョンで必ず入れてもらいたい。時間の表示領域が上下に1つずつあるが2つもいらない。上の表示領域を使って、範囲のカットアンドペースト指定のボタンにしてもらいたい。
4つ目の弱点。カバーがやわらかすぎる。
5つ目の弱点。OFFボタンがない。
だから、胸ポケットに入れておくと勝手にONして、勝手に書き込んでしまう。OFFボタンなしでいいから、Wizをみならって、折りたたみ式のハードカバーにしてほしい。これも次期バージョンでは必須要件である。
6つ目の弱点。これは同僚に言われたことだが、記述した内容をUSBケーブルでPCにメモリ経由なしに転送できるようにしてほしい。これも次期バージョンでは必須要件である。
こんなに弱点があって使ってないのかと言われると、じつはかなり重宝している。
日頃、様々な業務をこなしているので、こなしているあいだに思いついてもこなしている間に忘れているということがままある。忘れた内容があまり重要なことでない場合は影響がないのだが、よく重要なことまで忘れていることがある。ボールペンを取り出して、紙に何を書くか考えてという動作しなくすむ。思い着いたときに思いついたまま書けるというはうれしい。
7つ目。描いた内容を漢字に変換できるようんしてほしい。これは多分今必死になってテストしているとは思うが。
頑張れ!キングジム!
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