超暇人MSX

大衆は常に調教されている

身近にある謀略本

大衆を欺く政治的意図のある“謀略本”という類の本があります。多くは権力の側にある団体が、自分たちの利益や政治的な目的に都合の良いように大衆を洗脳するため、団体そのものの名を隠して、例えば大学教授であるとか経済学者であるとか、ずばりベストセラー作家であるとか、そういう比較的信頼を受けやすい人・一見権力と無関係な人を傀儡(くぐつ)として出版するのです。自国のマスメディアを1地方に集中させて都合よく管理している様な政治権力や、世界中のメディアを所有する金融グループといった連中なら、自ら組織的・大々的に絶賛しまくりベストセラーにするのも容易いですからね。

例えば報道こそされませんが、今現実に日本の“組織犯罪”や“外国人犯罪”は東京と周辺都市に圧倒的に集中しているわけです。が、(元)組織関係者が書いたとか称して出版されるドキュメンタリー仕立ての本は、確実に東京ネタを避けていますよね。西日本ばかりを題材にして、東京には殆ど触れない時点で意図がバレバレというか・・・組織だって「東京にはそんな組織は居ませんよ」と思わせる方がずっと美味しいですし。

『シオンの議定書』みたいに、いつまでも「謀略本だ!」「本物だ!」と真贋論争の絶えない怪しい本は、私がちょっと調べてみただけでも10を超えるほど見つかります

最近の一例、 『EXTREME PREJUDICE』 2010年 Susan Lindauer著。著者はイラク関連ロビーをしていたジャーナリストで名門のユダヤである。国連の経済制裁は酷くて中東の200万人が死んでいる/CIAやNSA等の米政府機関は911テロを予め知っていたが、中東を侵略したいために止めなかった、という内容(他)の本である(らしい)。が、著者の出自と背景/国連の経済制裁はアメリカの圧力/あの様な高層ビル爆破は内部共謀以外に不可能、(要するに本の内容は、事実の断片をちりばめて、たくみに米国政府を庇っているように受け取れる)という理由から、911真実追求運動家からは米政府諜報機関の謀略本だとされている。

スパイハッカーとネット管理者の戦いを“事実に基づいて”(^^;)書いたという90年代のベストセラー『カッコウはコンピュータに卵を生む』は、そういう本の一つだそうで、読んでみると、なるほどそこかしこに政治的な怪しい匂いが漂っています。

1.出版当時の時代背景   80年代後半から90年代初頭、アメリカは元よりイギリス・カナダ・ドイツ辺り   にもインターネットに繋がるコンピュータが激増。その多くは大学の管理下に有っ   たが、当時の大学は丁度ベトナム反戦世代が管理職に付いていて、(米国政府の尺   度では)相当にリベラルであり、またその教職員自体コンピュータに疎く、いまだ   学生の個人情報等もデジタル化されておらず、ネットハッキング行為についても無   頓着であった。 2.アメリカ政府の対リベラル大学策   大学教職員や将来有望な院生等に声をかけ、金銭や将来の地位といった何らかの報   酬を与える代わりに各学部内の情報(各人の政治的指向や研究内容)を提供させた。   つまり、主だった大学には必ず政府機関のスパイが複数居たわけである(あるいは   現在でも?)。なお、米政府はこれを肯定も否定もしていない。日本の大学にも政   府のスパイはいるのだろうか?   3.本のあらすじ・・・どのくらい事実?   (そういう工作員の一人だったと噂される)著者が、管理している大学系研究所の   コンピュータに侵入を繰り返しているハッカーを発見し追跡する内に、実はそのハ   ッカーは研究所のコンピュータを踏み台にして軍の専用ネットに侵入し、機密を盗   み出しているスパイであることに気づき、警察からFBIやCIAにNSAや複数   の軍の諜報機関まで巻き込んで調査、結局ドイツのハッカーグループがソ連に機密   を売っていた事をつきとめ、ドイツ当局と協力して彼らを起訴する注1。 4.本の怪しさ   A.著者は上巻の初めから下巻の最後まで、自分が他の多くの大学教職員同様にリ     ベラルであることを強調する。そしてその上で、CIAやNSA他の対外諜報     機関に協力することは決して平和を願う市民への裏切りでないと再三強調する   B.本筋と関係ないのにユダヤ系が温和であるという描写を入れる。日本で言うと     大学のネット管理者がサーバー上でロシア人のハッカーを追ってるストーリー     なのに、ストーリーと関係のない東京新大久保の韓国人街や東京池袋の中華街     が実に素晴らしいという描写を入れるようなもの   C.警察は警官の人柄は良くても無能である。FBIはこういう事(情報だけをス     パイする行為)にほとんど無関係・無力である。CIAやNSAこそ国を愛し     活躍してくれる役に立つ機関である、と。つまり諜報機関は素晴らしいと繰り     返し語る   D.ホントか嘘か、CIAには著者の大学が自慢している10数台の大型コンピュ     ータ室などけし飛んでしまう野球場を越える広さの大型コンピュータ室があり     数百台の大型コンピュータで中国やロシアはもちろん、全世界の全衛星通信や     全ネット通信を傍受していると言う注2   E.ソ連も中国も第三世界もネットを持たない当時、最もハッキング行為を行って     いたのは米国内の米国人ハッカーであろうし、この話でも1人キーパーソンと     して米国人ハッカー(というかブローカー?)が出てくるが(どうやらオサマ     ・ビン・ラディンのようなCIAの工作員らしいけれど)、何故か(当然?)     さらりと流し「悪いのはドイツ人ハッカーとソ連だ!」とする     

というわけで、これらをまとめると、米大学各学部にネットが普及し出した頃、大学関係者自身の政府に対するハッキング行為や、外部から大学を仲介して各種ネットに侵入されるのを恐れた米当局が、“大学系の研究所を踏み台にして軍のネットに侵入するスパイハッカーを、ただの1研究員が追跡して米国の危機を救う”という英雄的な筋書を通して、政府機関から直接とやかく言われるのを嫌う当時のリベラルな大学教職員に、ネット管理にたいする危機意識をもたせ、CIAやNSAは市民の味方でありドイツやソ連は汚い奴等ですよと印象付ける為に作った“洗脳本”であり、ハッカーに対しては“米国諜報機関はいつもあなたを見張っています”という威嚇・警告を発するために書かれた本なんですね。

もし、書いてあることに幾分の事実があるとすれば、当時も今も米政府が仮想敵国とする国に情報を売ろうとする米国人はたんと居るでしょうに、わざわざドイツのハッカーグループを引き入れるという手口が、そこはかとなくイヤラシイですし、ソ連との窓口になったとされるハッカーは遺書もなく森で焼身自殺!!したのでソ連と繋がりが辿れないという終わり方も注3、恐ろしい上にひどく胡散臭いですし、初めからベストセラーにする予定で全て米国諜報機関の仕組ん・・・

注1.ドイツのハッカーは当時から散々米国諜報機関のターゲットにされ、現在は米機    関の為に働く者も多いという。「罪一等を減ずる代わりに手下になれば金をやる    」というやつである。事実はどうだか知らないが、TORが米海軍の技術を使っ    ている点なんかも、いかにも米国の囮っぽくて面白いよネ
注2.彼らのトラッキング(ネット・ストーキング)方法は簡単である。例えばアドビ    フラッシュなら、どのサイトでプレーヤーを使っても、その場でプロバイダ、居    住地区と、ブラウサの種類は元よりOSやマシンの性能等が特定される。という    具合に、こちらの情報を送らなければインタラクティブな機能が使えない仕組み、    所謂、ブラウザ用の○○スクリプトを利用するのである    もう一つは、IPアドレス、プロバイダ、ブラウザ情報の特徴、アクセス地区、    時間帯、等々(フィンガープリント=指紋と呼ばれる)から、個人を特定してス    トーキングするもの。例えば楽天やGoogeといったネット企業が主催、ある    いは提携するサイトで同じブラウザを使えば、関連する全てのページで、そのブ    ラウザ = 個人を追跡できるのである。クーキーなんて、追跡して下さいと自ら    宣伝しているようなものであるし、今や何らかの形でGoogleに関わってい    るページは、ほぼどのサイトにもある。貴方がブラウザで何かする度にデータを    送信する○○ツールバーをインストールすれば、ネットに繋いでいる限り、関連    サイトに居なくても追跡されてしまうし、下手をすると個人情報が筒抜けである。    (ちなみに私のブラウザはかなり個性的な情報を吐く(吐かない)ので付け回し    放題(^^;))    貴方は、WindowsやIEが、インストール直後の初期状態では、かなり非    セキュアな設定になっていたり、殆どのソーシャルメディアが、初期状態では、    他人に筒抜けになるように設定されているのを、不思議に思わないか? 楽天で    買い物をした履歴が絶対にネット上から消せないのを不思議に思わないか? 技    術力の無い小企業ではなく、何れも最大を誇る企業の商品である。わざわざそう    してある理由は、彼らの所属するグループが他企業、他国、他人の秘密を覗ける    ようにだとしか思えない(OSのセキュリティアップデート後や、ブラウザやプ    ラグインのバージョンアップ後や、楽天等のネットショップのシステム変更後に    は、必ず設定を見直すこと、勝手に非セキュアに設定変更されている事が多い)。    そういう事をする連中の言うことを貴方は信じられるか?    Windowsには、毎月の様にセキュリティホールが発見されるが、その内の    幾つかを、初めからマイクロソフトが知っていたらどうだろうか? 誰かが報告    するまで、彼らはそれを利用し放題である! いや、もしかすると意図的にセキ    ュリティホールを組み込んで・・・    そして、アマゾンも楽天もGoogleも、一度でも購入すれば、貴方の住所氏    名電話番号年齢性別趣味と、カード番号を知っている。要するに、彼らは貴方が    どこの誰でどんな趣味で何を見て何を買ったのか全て知り得るのだが、表向きに    は「そういう情報は、他には言わないヨ、使わないヨ」と言っているワケである。    実際には、データベース化して、グループ企業などと称して、ストーキング情報    と組み合わせ、普通に共同で使いまくっている    ●貴方がググった際にグーグルに伝わる情報     IPアドレス、プロバイダ地区、ググった内容、ブラウサ、OS、PC性能    ●貴方がググって買い物をした際に、グーグル関連サイトで共有する貴方の行動     ググる → 見て回った品物の全て → 店で買った物    ●その買い物をしたサイトのグループ企業に伝わる情報     住所、氏名、電話番号、年齢、性別、趣味、カード番号    もしグーグルと店が提携していれば、上記三つともが共有される。まるっきり    ヘンタイ中年の薬中の異常者に一日中つきまとわれたのと同じ結果だネ(^^;)。    とすると、Googleと提携企業はヘンタイ中年薬中の異常者同等??    さらに、ISP(プロバイダ)や通信業者は信用できるだろうか? TORを使    おうがSSLで暗号化しようが、何をしようがISPや通信業者は、その手続き    をする全てのパケットを拾えるし、MACアドレス(通信機器固有の識別番号)    も知っているし追跡も出来るのである。外部からは調べようがないのだから、「    ISPや通信業者が可能な悪事」は、全て現実に行われていると考えて行動すべ    きである。SOPAやACTAや英国のBLACKBOX等は、それをこっそり    ではなく、日の当たる所で堂々と行いたいというだけである    ●なぜ、スキルのある“とされる”ハッカーは、簡単に捕まらないか?     ISPや通信業者による盗聴は外部からは調べようが無いので、     自分からは顧客の通信を監視/盗聴しているとは言わない                  ↓     国家権力側は、ISPや通信業者を組織的に監視している事を隠す。     「お前らの通信を傍受して犯人を突き止めました」とは言えない                  ↓     そもそも、ハッキング自体が金主権力側の為のスパイや内外への     宣伝工作である事が多い                  ↓     正体/背景が分かっていても、誰も本気で捕まえようとしていない!     捕まるのは、逆宣伝用工作員や背後関係の無い連中である    話を戻して。トロイや回線盗聴、業者内部の人間による通信内容公開などの非合    法な手段を除いても、ネットに繋げばこれだけ簡単に、貴方は何もかも知られて    しまう浮気調査の探偵は1日中貴方を張らなければならないが、ネット上なら    1度セットすれば、眠っていても自動的に貴方の全ての行動が記録されるのであ    る。しかも、パスワード総当りといった一番単純なメールや個人情報へのハッキ    ング方法に対してさえ、事実上無力・無対策な業者が圧倒的に多いのだ    (例えば、私のプロバイダのウェブメールは、パスワードやIDが違う場合の、    ログイン失敗回数制限が無いし、パスワードも最高でたったの8字である。8字    なんか総当り5分だろ? 現状、覗きたい人は覗き放題である。わざとか)    それらのネットストーキング技術を利用して、リアルタイムで更新される「貴方    のネット戸籍+趣味趣向カード番号+毎日の行動表」を作るのは、世界一諜報活    動にお金をかけているスパイ大国アメリカなら、いとも簡単なことであろう。例    えば、中国政府は中国内を通る物に対してしか(合法的には)それを出来ないし、    東京政府は日本人に対してそれを行っているが、アメリカとその配下の企業は、    既に全世界に対して(合法的に?)それができる状態にある。(PRISM騒ぎ    で、一部が暴露されましたネ)    「ワレワレの監視など無いよ」「ワレワレこそ被害者だ」と宣伝しているその裏    では、せっせと犯行を重ね、普通にネットを利用しているだけの無辜の一般市民    に、権力を振りかざして監視と脅迫を続け、己が嫌らしい欲望を満たすのである

注3.他殺による「自殺」は昔から使われる手である。何しろ自殺だから犯人を捜査す    ることはない。自爆テロも同様、自爆なのだから逃げた犯人は居ない、捜査する    必要もない。捜査しないので、元から存在しない人物が自爆でOK。便利便利

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