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32GB以上のIDEディスクに対応していないBIOSで大容量ディスクを使う

Last modified: Thu Mar 18 07:33:17 2004 PDT

一つ上へ

[副題]: M/B ベンダが BIOS アップデートを出していない場合の姑息なあがきの記録……

このお話は 1999年時点のものなので、32GB の制限が話題になっています。 が、基本的には 128GB 制限つきの BIOS にも通用する(かもしれない)話です。

ディスクが足りな〜い

も〜全然ディスクが足りない〜とほざいていたら、ふと気付くと世の中15GB, 20GBはあたりまえになっているでわありませんか。 し、しかもめちゃめちゃ安いぞ。

というわけで、Maxtorの40GBのATA/66ディスクを買ってしまいました。 いえね、最初は27GBのディスクが$230で売られているのをふと発見して、 こりゃぁ安いぜ買いだぜ買いだぜと騒いでいたに過ぎないんですが(ふふっ可愛いもんだぜ今にしてみれば:)、 価格比較のWebであれこれ調べていく と、なんと40GBのディスクがたった$250そこそこではありませんか。 こりゃもう買うしかないねっ

で、懲りずにWeb通販。Buy.comで買ったわけです。他のところよりも送料が若干安かった分、FedexのNext Dayデリバリにしてしまいました。発注してから3日で手元に届きました。

それにしても不思議なことが一つ。買ったのはATA/66用ケーブルやら5.25"ベイ用のマウンタやらがついているRETAIL版です。入っていたドライブは94098U8というドライブなんですが、実は裸のドライブよりも、おまけのつ いているRETAIL版の方が$50くらい安いんです。3つほどWebショップを調べても、どこもそうでした。
これって何故なんでしょうか。 確かに、RETAIL版では、容量と速度さえ満たせば、実際にどのディスクが入っているかは分からないということになってます。しかし、MaxtorのWebページを見ても他に該当するドライブはな いし、明らかに94098U8だと分かるんですけど。なにしろ、"40.0GB EIDE ULTRA-DMA/66 3.5LP 5400RPM 9MS 2MB *RETAIL*"と、回転数・平均シークタイム・キャッシュサイズまで明記されているのだから。

玄関先に放置されているのを夕方気付いたので、ドライブは冷え切っています。室温に馴染むまで一晩待つことにしました。

おーいBuy.com、出荷したらメールくれるって言ってたじゃないか〜。遅いなぁと思いながら、メールばかりチェックしていたのに。念のため夕方にOrderをTrackingしたら、いつのまにかFedexのTracking Numberが出ている ではありませんか。早速FedexのWebサイトへ出かけてチェックしてみると、なななんと、朝の10時ごろに玄関先に置いてきた、と書いてある〜。なんてこったい。ダッシュで玄関先へ走ると、そこには寒い寒い戸外で冷え切 ったダンボール箱が…

というわけで、寝て起きていざインストール。

BIOSが古いことに気付いた瞬間

マシンの蓋を開け、セカンダリについているCD-ROMを外し、バラックな状態でディスクを接続しました。ケーブルは、キットに付属のATA/66専用。マザーボードのI/FはATA/33だけど、Webでリサーチした限りでは問題ないは ず。
結線をチェックして、電源を投入。BIOS Setupに入り、IDEのAuto Detectを実行しました。………………1分待っても3分待っても5分待っても10分待っても終わらない。どうしたことだこれは。

BIOSでの設定は一旦置いておいて、NT5をブートしてみました。当然というか、Computer Managementのディスク一覧には現われません。うーん、困った。

さんざん試してみたのですが、どうにもいけません。 これはもしやBIOSがLBAの変換に26ビット分しか対応していないのではないか。"Super Power"という無名なメーカのM/Bで、 ここはどうもBIOSアップデートがよろしくない。 でも一応Webを見てみよう……………あれ、 Web ページが出てこない。どうもサーバが落ちている、あるいは消えてしまった?(*) げげん。さぁ〜っと頭の後ろから血が引いていきます。
うー、欲張らずに27GB程度で満足しておけばよかったのか。大蔵大臣になんと言い訳すればよいのだろう。

ちなみに、ドライブについてきた紙ぺら3枚のうち、一番小さな紙には、こう書かれてありました。Last Minute Noteみたいなものですな。

32GB Notice
Some computer systems cannot support hard drive capacities that exceed 32GB. The primary symtom that may alert you to this problem is a system hang that occurs when the drive is installed into your computer. This is a system limitation and not a problem with your Maxtor hard drive. ...

一応MaxtorのWebページを調べてみるも、製造元からBIOSのアップデートを手に入れろ、というだけです。

さらに調べていくと、これだ!という情報にぶちあたりました。 IBMのWebページによると、AWARD BIOS Version 4.5xはover 32GBのIDEディスクを扱えないということです。うちのマシンは、見事これに該当します。ちなみにWinMSDでは、"Award Modular BIOS v4.51PG" と出ま す。
やはりLBAの計算が26bit分しかできない、ということか。あ〜あ、どうしよう。

(*) 数日後、Super PowerのWebサイトは復活していましたが、over 32GBドライブ対応のBIOSは出ていません。参考までに、ASUSはちゃんと出しているようです。ASUSのM/Bを使っている人は、ここでの姑息な手段など用いず に、BIOSをアップデートしましょう。

ドライブのジャンパを変更してリミット2GBにしてみる

最後の手段なわけですが、 ディスクの容量を2GBに制限してBIOSへ通知するするジャンパは用意されてます(32GB問題用のジャンパはありませんが)。Last resortとして、このオプションを試してみることにしました。マシ ンをシャットダウンし、元電源スイッチを切ってジャンパを設定し再起動、そしてBIOS Setupへ。自動認識を実行してみたところ……。

なぜか、ここでLBAモードで32GB分認識されました。何故なんでしょう。かのジャンパは、シリンダの数を4096に制限するもののはずですが、LBAではCyl=4111, Head=255, Sec=63の33816になっとります。なんだか 良く分からないけどラッキー。

とりあえずNTを立ち上げ、パーティションを作り、NTFSでフォーマット。読み書きができることは確認しました。

ジャンパを元に戻してリミットを外す

駄目元で、NTではどう見えるかと、リミットを外してみました。 最初のケースと同じなので、BIOSでは認識されません。マシンがハングしたような感じで、POSTが終了しません。とりあえずSETUPに入り、ディスクがないことにし、再起動しました。

DiskManagerというこのツールは、
フロッピーを作成してそこから
ブートしてくれます。DOSは不要。

ここで半分あきらめかけたのですが、念のためIBMのWebから取ってきたツール、DiskManagerを動かしてみました(一応IBMのIDEディスクもつながっているから、 使用条件に反しているわけではないということで…)。 する と、そのツールからはディスクの緒元がちゃんと見えるではありませんか。
正確にはエラーメッセージが出たわけで、「BIOSの情報とディスクのリポートする容量・ジオメトリが違っている、プライマリ側のIDEバスに刺してみろ」と言われました。

てやんでぇ、どうせプライマリにつなげたって駄目なんだよぉ

てぇことは、多分NTもBIOSに惑わされず、正しいジオメトリが取得できるかもしれない。

も〜この際BIOSでの認識なんかど〜でもいい。NT5で使えればいいや。

ディスクにシグネチャは付けたんだから、BIOSが無視してもNT5ではイケルんじゃないか。かすかな希望が…。

NTのディスクマネージャで40GB分見えた!

ということでNTをブートしてみると、なんとさっき領域確保した32GBの後ろに、残りの7GB弱(NTは1G=1024MBで数えるから…)が見えるではありませんか! ラッキー。

ということで、すかさずパーティションを切りなおし、40GBをNTFSのパーティション一個でフォーマットしました。

以上、めでたく40GBが使えるようになったよ、というご報告でした。

おまけ? ATA/33とATA/66の混在

上記のテストは、セカンダリにつながっていたCD-ROMドライブの接続を外して、バラックな状態でおこなったものです。さて、実際にシステムに組み入れるに当たって、どこに入れればいいかいろいろ考えました。

ATA/66では、 80芯の、グランドで信号線をはさんだケーブルを使えと指定されています。ATA/33ドライブとATA/66ドライブは同じケーブルにつながないほうが良い、とはあちらこちらで書かれています。ということで、ま ずはATA/33ドライブとATA/66ドライブを同じケーブルに接続し、どうなるのか実際に実験してみることにしました。

その1

・既存ドライブ(ATA/33):プライマリのマスター
・新ドライブ(ATA/66):プライマリのスレーブ

+---+   ATA/66ケーブルまたはAT/33ケーブル
|   |----+------------+
+---+    |            |
ATA/33   |            |
I/F   ATA/33        ATA/66
      IBM 371010   Maxtor 940098U8

ATA/66用のケーブル…× POSTの画面も出てこない
ATA/33用のケーブル…× NT5までブートはしたが、新ドライブが認識されない

ATA/66ケーブルでは、マスターとスレーブの位置も変えてみましたが、POSTが終了せず。 ということで、混在はやっぱり駄目なようです。

その2

次に、ATA/33ドライブをATA/66ケーブルでつないでみました。

・既存ドライブ(ATA/33):プライマリのマスター
・新ドライブ(ATA/66):接続せず

+---+   ATA/66ケーブル
|   |----+
+---+    |
ATA/33   |
I/F   ATA/33
      IBM 371010

ATA/66用のケーブル…× POSTの画面も出やしない

ということで、ATA/33のドライブは、ATA/66用の80芯のケーブルでは全く使えない、という結論に達しました。

その3

結局、次の接続に落ち着きました。

プライマリインタフェース
+---+   ATA/33ケーブル
|   |----+------------+
+---+    |            |
ATA/33   |            |
I/F   ATA/33        CD-ROMドライブ
      IBM 371010    Toshiba XM-6302B
      マスター      スレーブ

セカンダリインタフェース
+---+   ATA/66ケーブル
|   |----+------------+
+---+    |            |
ATA/33   |            |
I/F     N/C         Maxtor
                    94098U8
                    マスター

CD-ROMドライブ(タワーケースの最上部にマウントされている)にもともとつながっていたATA/33用のケーブルの中間部分のコネクタの位置(普通はスレーブを接続するのでしょうが)が、IBM 371010を接続するのにぴったり だった、という理由も大きい。CD-ROMドライブ接続用の特殊なケーブルなのか、中間部分のコネクタと終末のコネクタの位置が、かなり離れて圧着されているケーブルでラッキーでした。ドライブの場所を入れ替えるのが面 倒だったもので…。

なお、面白いことに、うっかりMaxtor ATA/66ドライブのジャンパをスレーブにしたままNTを立ち上げたとき、セカンダリにはマスターのデバイスがなかったにも関わらず、ちゃんとドライブが認識されました。そういうこ ともあるんですね。不安なので、後でしっかりマスターにジャンパを設定しなおしましたが。

DISCLAIMER

ここでの体験記は、 私の場合たまたまこれでうまくいったよ、 という程度のもので、同じステップを踏んで全てのマシンでうまくいくかどうかは分かりません。また、文中に出てくる"NT"とは、Windows 2000のことです。 NT4ではまだどうなるのか試していません。

ということで、駄目だったらあしからず…。

まとめ

要するにですね、

  1. ジャンパを使って BIOS の認識できるディスク容量に制限する

  2. NT/2000/XP からパーティションを切る。ディスクシグネチャをつけるのが目的。

  3. ジャンパを外してフル容量にする。BIOS からそのディスクを使用しないよう設定

  4. NT/2000/XP からフル容量が見えるはずなので、あらためてパーティションを切りなおす

とこんな感じです。

追記

なお、XP SP1 からは 132GB を越えるラージディスク = 48bit LBA がサポートされています。 それ以前の XP では、レジストリを書き換えてラージディスクが動作する場合があります(あくまでサポート対象外ですが)。 お約束を見てください。

なお、XP 以前の OS でも Intel などの IDE ドライバを使用することでラージディスクに対応できる場合があります。


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