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ま〜ちゃんの簡単ディンギーヨットレース教室

 基本的なセーリングの技術が身に付いたら、仲間とレースを行ったり、レースに参加したりするとよい。ただ、艇を走らせているだけでは、なかなか上達しない。レースを行って、より早く、よりうまく走る努力をすることが上達への近道である。2杯だけでも、適当な目印、ブイをマークに見立てて、マッチレースが行える。

 間違い等を見つけられた方、ご意見等は まで、お知らせ下さい。

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 クロースホールドの帆走の角度から、ヘッダ、リフトを簡単に見分ける事ができる、セーリング角度計算尺(http://ykt.my.coocan.jp/ssc/s_course.xls)はここです。
 


目次


 1.ディンギーヨットレースの基礎知識
 2.ルール
 3.スタート
 4.セーリング
 5.ストラテジー(戦略)とタクティクス(戦術)
 6.トリミング他
 7.ディンギーヨットレース参考図書、ビデオ、パソコンプログラム他
 8.神奈川県セーリング連盟ヤードスティック・ナンバー
 9.ディンギーカリキュラム例


1.ディンギーヨットレースの基礎知識


 ヨットレースには、主にクルーザーで行われる、オーシャンレースの、例え ば「シドニー・ホバートレース」のようにある地点から、ある地点までのレー スと、図1の例のように、マークと呼ばれる、ブイを打ってそのブイをある順 番でまわるレースがある。ディンギーのレースはほとんど後者であるが、参加 制限の少ない、親善レース、オープンレースなどで、前者が行われることがあ る。

 また、モノタイプの規格艇だけで争われるレースと、各種規格艇が一緒に走 り、例えば、後に示すヤードスティックナンバーなどを使い、所要時間を修正 し、その修正時間で争われるレースがある。ディンギーではオープンレースな どでこの方法のレースが行われる。ヤードスティックナンバーによる、修正時 間は次の式で計算される。

修正時間=所要時間×(100/ヤードスティックナンバー)

 レースは、図1のようなオリンピックコースと呼ばれる三角形のコースでレー スを行う。下マーク(第三マーク)と本部船のマストを結ぶ仮想の線をスター トラインとし、第一マーク、第二マーク、第三マーク、第一マーク、第三マー ク、とまわり、上マーク(第一マーク)と別の本部船のマストを結ぶ仮想の線 をフィニッシュラインとする。指定の時刻以降にスタートラインを通過し、所 定のコースを決められた方法でまわり、決められた方法で早くフィニッシュラ インを通過すればよい。

 ディンギーヨットレースでは、運営の都合や、気象によって、コース等の設 定は異なる。また、気象状況の変化等により、コースの変更も行われる。実際 のコースについては、帆走指示書やレース前のミーティング等で確認しておく 必要がある。

 レースのスタートの合図、コースの変更、短縮等のレースの指示は、本部船 から、レース委員が行う。これらの指示は、通常、フラッグ(旗)によって行 い、あわせて補助的手段として、ホーンなど音響信号が使用される。

 通常、用いられる指示等を以下に示す。

(1)スタート5分前(予告信号)
スタート5分前には、本部船のマストにクラス旗を展開し、音響信号を1発鳴らす。
クラス旗は帆走指示書に示された、国際信号旗または特定の旗である。
(2)スタート4分前(準備信号)
スタート4分前には、本部船のマストに国際信号旗の P旗、I旗、Z旗、I旗とZ旗、 または黒色旗を展開し、音響信号を1発鳴らす。
I旗が展開された場合、スタート信号の1分前以降に、スタートライン又はその延長線上より、一部でもコースサイド側に出たら、スタートラインのいずれかの端をまわって、スタートしなければならない。(ラウンド・ジ・エンドルール)
黒色旗が展開された場合、スタート信号の1分前以降に、スタートラインの両端と最初のマークで作られる三角形の中に、一部でも入ると、失格となる。
スタート4分前以降、レーシングルールが適用され、レース中となる。
(3)スタート1分前
スタート1分前には、準備信号をおろし、長音音響信号を1発鳴らす。
(4)スタート
クラス旗をおろし、音響信号を1発鳴らす。
(5)リコール
スタート直後に、国際信号旗のX旗が展開され、音響信号がさらに1発鳴らされた場合は、スタート信号前にスタートラインを越えた、早すぎるスタートをした、リコール艇があることを意味する。
(6)ゼネラルリコール
スタート直後に、国際信号旗の第一予備旗が展開され、音響信号がさらに数発鳴らされた場合は、スタート信号前にスタートラインを越えた、リコール艇が多数あり、再スタートが行われることを意味する。
(7)そのほか、国際信号旗のAP旗(回答旗)でスタート延期、S旗でコース短縮、C旗でコースの次のレグの変更、N旗でレース中止を指示したりする。


国際信号旗(クリックすると新しいウィンドウに図が表示される)

 レースのフィニシッュ(ゴール)は、先に述べたように、フィニッシュライ ンを通過したときである。順位は失格にならなければフィニッシュの順位、または、修正時間が用いられるときは、その順位で決められる。 得点は、1位を1点、2位を2点、以下順位=点数となる低得点法を用いる事が多い。

 レースは複数回行われることが多く、その場合、複数回のレースの内の最も 悪い成績をのぞいた、残りのレースの得点が最も少ない艇が優勝となる事が多 い。

 レースは、図1のようなオリンピックコースと呼ばれる三角形のコースでレースを行う。下マーク(第三マーク)と本部船のマストを結ぶ仮想の線をスタートラインとし、第一マーク、第二マーク、第三マーク、第一マーク、第三マーク、とまわり、上マーク(第一マーク)と別の本部船のマストを結ぶ仮想の線をフィニッシュラインとする。指定の時刻以降にスタートラインを通過し、所定のコースをまわり、早くフィニッシュラインを通過すればよい。

 コースは、図1でわかるように、クロースホールドのレグ(区間)とウィンド・アビーム、ランニングのレグができるように設定されていて、そのコースで、いかに早くフィニッシュラインを通過するか、艇・セールのトリミング(調整)、セーリング、タクティクス(戦術)、ストラテジー(戦略)、精神的集中力を駆使して競うのがヨットレースである。

 ヨットレースでは、下マークから上マークまでの距離を1000mとすると、ジグザクに進むので、その帆走距離は、1500m程度になる。同時にスタートした二艇が、異なるコースをとり、上マーク付近で再び出会う場合を考えると、どちらが先行するかの差は、高々一艇身、約4m程度になり、0.3%以下の差でしかない。先に述べた、トリミング、セーリング、タクティクス、ストラテジー、精神的集中力のわずかな差が、勝敗を分けることになる。


図1ディンギーヨットレースのコース(クリックすると新しいウィンドウに図が表示される)


2.ルール


 ヨットレースのルールについて簡単に述べる。

(1)タックが異なる場合(ハルに対してセールのでている向きが異なる場合)
ポートタック(左舷開き:右舷側にセールがでている状態)の艇は、スターボードタック(右舷開き:左舷側にセールがでている状態)の艇を避けなければならない。(規則10)
(常に自艇のタックを意識して、他の艇に注意しなければならない。)
(2)同一タックでオーバーラップしている場合(横方向に重なっている場合)
風上の艇は風下の艇を避けなければならない。(規則11)
(3)同一タックでオーバーラップしていない場合
追い越し艇(クリア・アスターンの艇)の艇は追い越される艇(クリア・アヘッドの艇)を避けなければならない。(規則12)ただし、バックしているクリア・アヘッドの艇に権利はない。(規則22.3)
  ルールの基本
     +−−異なるタック−−−−−−−−−−−−−スターボード・タック優先
     |                    (ポート・スターボー)
  優先権|
     |       +−−オーバーラップ有り−−下優先(上・下)
     +−−同一タック|
             +−−オーバーラップ無し−−追い越され(クリア・アヘッド)優先
                          (追い越し・追い越され)
(4)タッキング中
風位を越えた後クロースホールドのコースになるまでは、他の艇を避けなければならない。(規則13)
(5)コースの変更
権利艇は、相手艇に避けるための余裕を与えながら、コースを変更することができる。(規則16.1)
(6)プロパー・コース
クリア・アスターンからオーバーラップした風下艇は、プロパー・コース(マークまでもっとも早く到達するコース)より風上を帆走してはならない。(規則17)
(7)マークと障害物
風上以外のマークから3艇身の位置で、オーバーラップしていた場合、外側の艇は、内側の艇にルーム(水、回航または通過に必要な余地)を与えなければならない。(規則18.2)
風上マークの場合は、同一タックの場合だけ内側の艇に航路権があり、タックが異なればスターボードタック艇に航路権がある。(規則18.1)
回航または通過するためにタッキングが必要な場合はルームを与える必要はない。(規則18.3)
スタートするために近づいている時から通り過ぎるまでのスタートマークに於いてもルームを与える必要はない。(C節まえがき)
(8)復帰中、ペナルティ履行中
早すぎるスタート(リコール)のため、復帰中の艇、マークとの接触、その他規則違反で回転のペナルティ履行中の艇はそのほかの艇を避けなければならない。(規則22.1、22.2)
(9)失格に代わるペナルティ
レース中(準備信号後:スタート4分前以後)に艇が出会った場合の規則に違反した場合は、2回のタックとジャイブを含む同じ方向への2回転のペナルティを履行することによって失格を免れる。(規則44.1)
レース中にマークに接触した場合は、タックとジャイブを含む1回転のペナルティを履行することによって失格を免れる。(規則44.1)

 詳しくは、ISAF(International Sailing Federation:国際セーリング連盟)のレース規則、及びその解説書を参照されたい。又実際のレースにおいては、当該レースの帆走指示書による。
 RACING RULES OF SAILING(http://www.sailing.org/documents/racingrules/index.php)


3.スタート


 ヨットレースのスタートは本部船からの合図による、所定の時刻以降にスタートラインを通過することによって行う。一般的には、5分前、4分前、1分前の信号(フラッグ、号砲)でスタート時刻を知りその時刻に会わせてスタートする。スタート時刻以前にスタートラインを越えた場合(リコール)は、一度スタートライン内に戻って再スタートする必要がある。

 スタート時には、スタート時刻に会わせ、スピードを付けてスタートラインを通過すること、他の艇のブランケットやバックウィンドを避けること、スタート後のコースを考えて、行きたい方向へ行くことができる位置からスタートすること、スタートラインの有利な位置からスタートすることが必要である。これらの条件は必ずしも全てが同時に満たされるものではない、その時々の条件によって、必要ならば、重要なものを選択することも必要である。

 スタート時刻に会わせ、スタートラインを通過するには、簡単には、5分前以降、偶数分前(4分前、2分前)にスタートライン付近にいるようにして、スタート時刻(0分前)にスタートライン付近を通過するようにすると良い。艇数が多く、ポジショニングが難しいときには、2分おきを、3分おき(6、3、0分前)、4分おき(8、4、0分前)にすればよい。

 スタート時には、ポジショニングも重要である。ポジショニングとは、スタートとスタート後に、なるべく自分の思いどおりのコースを取れるように、回りの艇、スタートラインとの位置関係を保つことで、一般的には、スタートラインの有利なサイド近くで、スタート時の加速のために自艇の風下側にルームをとると良い。スタートのポジショニングを行うためには、ルールに熟知し、ルールを活用して、他艇の排除と、自艇のコースの確保を行う必要がある。簡単にはポート・スターボ、上・クリア・アスターン、クリア・アヘッド、タッキング中・ジャイビング中、等の場合の権利艇(太字)、非権利艇の関係を十分に理解することである。

 スタートラインが風上に向かって直角に設定されている場合は、上マークまでの帆走距離は、どちらのエンドから出ても等しい。しかし、風がふれたりして、スタートラインが風上に向かって直角でなくなった場合は、風のふれた側のエンドが上マークに近くなり、反対側のマークが下マークに近くなる。スタートラインの右側のマークが上マークに近い時(風が右に振れた時)上有利、反対の場合を下有利という。

 次図によって説明する。風がWの場合にADFCのコースとBEFCのコースをくらべると、FCは同一レグ、またクロースホールドのポートタック、スターボードタックの風向とのなす角度は等しいので、BEFDは平行四辺形になり、辺BEとDFの長さは等しい。次に辺EFと等しい辺BDと、ADをくらべる。クロースホールドのポートタック、スターボードタックのスタートラインとの角度は等しいので、三角形ADBは辺ADとBDの長さが等しい、二等辺三角形になる。ところが、風がA側に振れW’になった場合には、スタートラインの設定が風に直角でなくなり、D点がA点に近づき、辺AD’<辺BD’になり、コースAD’F’Cが、BE’F’Cより短くなる。



4.セーリング


 いうまでもなく、ヨットレースで勝つためにもっとも大切なのがセーリングである。次のマークへもっとも早く到達するために、艇の性能を100%引き出し、最速のコースをベストセーリングで走ることが必要である。
  基本セーリング
           +−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−
           |ヒール  |シート   |ティラー   |センター
  −−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−
  クロースホールド |ヒール  |引く    |風に合わせる |下げる  
  −−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−
  アビーム     |フラット |風に合わせる|艇を真っ直ぐに|半分上げる
  −−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−
  ランニング    |アンヒール|出す    |風に合わせる |2/3上げる
  −−−−−−−−−+−−−−−+−−−−−−+−−−−−−−+−−−−−

 下図はスターボードタックのヨットの風に対する各方向のスピードを示した ポーラーダイヤグラムである。(通常ポートタックの場合も同様で風に対して、 左右対称になるので省略する)風上に向かう場合は、補助線Aと接する点aま での→が示す方向とスピードが最速で、風下に向かう場合は、補助線Bと接す る点bまでの→が示す方向とスピードが最速となる。速度の風上、風下へのベ クトル成分、oa'、ob'をVMG(Velocity Made Good) と言い、これが最大になるようにすると、風上行き、風下行きが最速になる。 風上に向かう場合は、急激にスピードが落ちる寸前の角度が最速となる。風下 に向かう場合は、真追手(180度)で進むより、わずかに風上側に向いて走 り、ジャイビングした方が早くマークに到達することになる。


 このポーラーダイヤグラムは、艇種によって変わることはもちろん、セールのトリム、風速、波によっても変わる。艇のベストスピードのポーラーダイヤグラムを感覚的につかんでおくこと、つまりこの風ならこれくらいの角度ではこれくらいのボートスピードが得られるという感覚が、ベストセーリングに必要である。

 帆走中の艇の上で感じる風は、静止系での風である真の風と、艇のスピードを合わせた、見かけの風である。セーリングはこの見かけの風に合わせて走ることになる。クロースホールドでは真の風より強く、かつより風下側にふれたように見える。クロースホールドでは風速が上がると見かけの風は風上側にふれ、より風上側へ向けて走れるようになる。ブローに合わせてセーリングすることで、高さを稼ぐことができる。


5.ストラテジー(戦略)とタクティクス(戦術)


 ヨットレースのストラテジーの基本は、風のシフトの大きさ(角度の幅)、周期(時間)を読んで、それにあわせて帆走することである。風のシフトを読む(予想する)ことは難しい、しかし、スタート前になるべくコース全体を試走して、場所、時刻、風向、風速を記録することによってある程度の予想ができる。また、気圧配置等の気象に関する情報を事前に把握しておくことでもある程度の予想ができる。

 試走による風のデータは、例えば、次のようにして集め利用する。艇の左右のデッキに、ガムテープ等を貼り付け、クロースホールドで帆走し、その時の上り角を油性のフエルトペン等で記録する。真の風向は両方のタックの上り角の1/2の角度である。記録された角度とレース中の上り角を比較すれば、その時がヘッダなのかリフタなのかわかる。

 風が周期的にシフトする場合のクロースホールドでの風のシフトに対するストラテジーは、リフトの風を選んで走ることである。また、風が一方向にシフトする場合は、シフトする方向にいたほうが有利になるので、シフトする方向に向かう。ランニングではこれが反対になる。

 クロースホールドの帆走の角度から、ヘッダ、リフトを簡単に見分ける事ができる、セーリング角度計算尺(http://ykt.my.coocan.jp/ssc/s_course.xls)を用意した。ダウンロードしてファイルに保存し、印刷して組み立てて使う。簡単な使い方は次の通りである。
  1. クロースホールドで帆走しコンパス角度を合せる。
  2. タックして反対タックのクロースホールドのコンパス角度をチェックする。
  3. 両方の角度の1/2の角度の風軸が表示される。
  4. クロースホールドの角度が変化した場合、変化の方向によってヘッダかリフトかがわかる。
  5. スタートラインを流した時に、下有利、上有利がわかる。
  6. 内角60°のトライアングルコースの場合の1マークから2マークへのコンパス角度、2マークから3マークへのコンパス角度がわかる。
 ヨットレースのタクティクスの基本は、ブランケット(風の陰)である。マストの高さの3倍といわれる、セールの風下にできる、風が遮られ、風が弱くなるブランケットを、相手艇にかぶせ、攻撃する。クロースホールドでは先行艇が相手の風上でタッキングして攻撃する。フリーのレグでは、後続艇が後ろから先行艇をブランケットにいれて攻撃する。

 クロースホールドでこれを用いて、優位な位置を守るタクティクスがカバーである。相手艇が近いときには、常に相手艇をブランケットゾーンに置く位置でタックして、タイトカバーする。相手艇から十分にリードした時には、相手艇と次のマークの間の位置でタックして、ルーズカバーする。

 S.L.P.(Safe Leeward Position:風下の安全地帯)は、クロースホールドのブランケットゾーンのやや前方で、風上艇は風下艇のセールによって乱された風を受けるため、風下艇が有利になる。十分先行していない場合でも、うまくS.L.P.にはいるようにタッキングできると攻撃できる。

 マーク回航も先行艇を抜くチャンスである。マークから2艇身になったときに、オーバーラップが存在すると、外側の艇は内側の艇に、回航のためのルーム(水、回航に必要な余地)を与えなければならない。つまり、後続艇は先行艇にわずかでもオーバーラップしていれば、先にマークをまわることができ、先行艇を抜くことができる。


6.トリミング他


 セールのトリミングについて基本的な考え方を簡単に述べる。一言でいえば、フル(アールの深い)なセールはパワーがあり、フラット(アールの浅い)なセールは、上りの角度がより稼げる。そこで、風が弱いときには、フルなセール、風が強いときには、フラットなセール、波があるときには、フルなセール、波がないときには、フラットなセールということになる。また、アビームやランニングではパワーのあるフルなセールで帆走する。

 セールをフルにするには、マストをベンドさせず、アウトホールをゆるめ、ジブのフェアリーダーは前にする。セールをフラットにするには、マストをベンドさせ、アウトホールを引き、ジブのフェアリーダーは後ろにする。セールをフラットにする場合は特に、セールにしわが寄らないように注意する必要がある。
  クロースホールドでのセールトリムの基本
        +−−−−+−−−−+−−−−+
        | 弱風 | 中風 | 強風 |
  −−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+
  パワー   | 大        小  |
  −−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+
  セール   | 深く       浅く |
  −−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+
  シート   |弱く引く|引く  |引く  | 引くとマストベンド、セールが浅く 
  −−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+
  カニンガム |ルーズ |弱く引く|引く  | 引くとアールが前に
  −−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+
  アウトホール|弱く引く|弱く引く|引く  | 引くとセールが浅く
  −−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+
  ブームバング|ルーズ |引く  |引く  | 引くとマストベンド、セールが浅く
  −−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+
  トラベラー |弱く引く|引く  |引く  | 引くとブームが外へ
  −−−−−−+−−−−+−−−−+−−−−+

 タッキング、ジャイビング、スピンのアップ・ダウン、マーク回航、プレーニング、サーフィング等のセーリングテクニックは十分に訓練を積んでおくことが必要である。タクティクスを使おうとしても、これらのテクニックに自身がなければ、躊躇してしまう。また、風に合わせてタッキングしてコースをとっても、タッキングのロスが大きいと、トータルでロスしてしまう。これらのテクニックは、風の強さ、波の高さ等によって異なるので、様々な条件で、練習を積むことが必要である。

 簡単にレースのポイントを列挙する。詳しくは、参考図書等を参照のこと。


7.ディンギーヨットレース参考図書他


 ○ディンギーヨットレース参考図書をあげる。(太字はおすすめ図書)


書名 著者 出版社 発行年 価格
高木裕の図解ヨットレーシング 高木裕 舵社 1998 ¥1,600
図解ヨットのルール 日本ヨット協会 成美堂出版 1998 ¥600
ウィニングイン470 ハーミッシュ・ウィルコックス 舵社 1993 ¥2,000
ディンギーセイリングStandard Book 佃昭二 BABジャパン 2000 ¥2,000
目で見るヨットレース教室 石井 正行 舵社 1990 ¥950
(実戦)ヨットレース・ルール解説1997〜2000 ブライアン・ウイリス 舵社 1997 ¥1,900
国際ヨット競技連盟判例集 IYRU 舵社
レーシング・セール講座 戸谷壽男 舵社
ヨットレースルール解説 平田 克巳 舵社 1992 ¥3,883
ヨットレースルール実戦講座 石井 正行 舵社 1992 ¥1,942


 ○ディンギーヨットレース参考ビデオをあげる。

  舵社|DVD

 ○ヨットシミュレーションゲームをあげる。



 ○ディンギーヨットレース得点計算エクセルファイル




8.神奈川県セーリング連盟ヤードスティック・ナンバー

神奈川県セーリング連盟ヤードスティック・ナンバー
艇種 YN
水中翼モス 49
49er 60
RS800 67
ナクラ5.2 67
国際14 64
RS700 72
FD 75
505 77
ホビー16 78
29er 80
470 80
RS500 80
セーリングスピリッツ 80
ファイアボール 80
B14 82
K16 82
ホビー14 84
シードスポーツ 86
シーホース 87
テーザー 83
レーザーVORTEX 87
モス 89
スナイプ 90
B14スモールリグ 92
バレオ 92
420 93
FJ 94
RS200 94
カシオペア 94
シーホッパー 94
シーラーク 94
レーザー 94
ウィンドコール 95
ビジョン 95
Y15 98
シーラス 98
B14斉藤スペシャルリグ 100
K420 100
シーマーチン(2枚帆) 100
シーホッパーSR 101
レーザーラジアル 101
シースパイダー 102
シカーラ 102
フィーバXL 103
フィーバXM 106
フィーバXS 109
LT17 110
R17 110
ミラー14 110
レーザー4.7 110
シーマーチン(1枚帆) 112
葉山12 112
ミニホッパー 113
デイセーラ 115
A級ディンギー 120
K16C 120
シースパロー 120
トッパー 126
CJ 129
ミラー 129
アクセスディンギー303 130
アクアミューズ 130
ダックリング 140
OP 144
アクセスディンギー2.3 150


9.ディンギーカリキュラム例


 ディンギーカリキュラム例を参考までにあげる


Suiyu's Web! のMaking of HTMLのフリー素材の国際信号旗アイコンを利用させていただきました


ま〜ちゃんのヨット関連ホームページ