梱包を解いて、バッテリー装着して、ACアダプタつないで、 MOREソフト管理画面からデバッグモードにして、 MI-C1 からケーブル(CE-170TS)つなぎかえて、 SZAB 上でデバッガ起動。
GA 3D Engine v1.01 (開発中のChiRaKS) は何の問題もなくきちんと動作しました。 これで MI-P10 を入手した当面の目的は果たしました・・・。
MI-C1-A を発売と同時に購入してから10ヶ月。 MI-P10 が発売されてから2ヶ月。 スーパーモバイルな液晶画面からモノクロ16階調になっただけで、 機能的に MI-C1 とほとんど変わらないことを知りつつも、突然 igeti MI-P10 を購入してしまいました。
その理由は本当に「GA 3D Engine の動作確認のため」です。 こういう投資のしかたをするようになるとは、もうかなり終わってます。 (もちろんこれだけでは終わらなかったのです。 次回に続く)
zxLinux の MI-P10 版カーネル 開発での苦労を元に、GA 3D Engine にも MI-P10 用の処理を フィードバックさせました。 ですが一度も実際に動作させていないのと、zxLinux のとき 手元にマシンがないばかりにデバッグに苦労したので 思い切って入手してしまったわけです。 だけど一発で動いてしまったらちょっと寂しい。
igeti MI-P10 は、新Zaurus 仕様初のモノクロ機種です。
従来の PowerZaurus 仕様の Zaurus に比べて、新Zaurus 仕様は次のように 改良が施されています。
などなど。 これ以外にもいろいろ違いがあるとは思いますが、 公開されている資料から推測できるのは現状でこれだけです。 (ICRUISE MI-EX1(TR1) のデータを元にしてるので、 すべてが C1/P10 でも当てはまるかどうかの保証はありません。)
これらの仕様変更は、もともと ICRUISE(アイクルーズ) MI-EX1 で行われました。 MI-EX1 はご存じのように VGA 液晶(640x480dotの高詳細液晶)を搭載しており、 画像にしろちょっとしたりソースデータにしろ 必然的に扱うデータ容量が大きくなります。 普通の Zaurus は QVGA (320x240dot) ですから単純に4倍です。
そのため RAM 容量の増加などは、必要に迫られた仕様変更であったと考えられます。
そのシステム改良が、そのまま QVGA Zaurus にもフィードバックされました。 それが PowerZaurus MI-C1 であり、 そのモノクロ版である igeti MI-P10 になります。 よって、新仕様 Zaurus は 2000/09/26 現在 MI-EX1/TR1、MI-C1、MI-P10 の3種類です。
これは zxLinux が動く動かないの境界線とぴったり一致します。 新仕様 Zaurus なら、zxLinux が動くわけです。
ColorZaurus仕様 | |||
機種名 | RAM | work | code |
MI-10 | 1M | 400K | 32K | PowerZaurus仕様 |
機種名 | RAM | work | code |
MI-506/504 | 2M | 800K | 128K |
MI-110/106 | 2M | 800K | 128K |
MI-610 | 2M | 800K | 128K |
MI-310 | 2M | 800K | 128K |
MI-P1/P2(/J1?) | 2M | 800K | 128K |
MT-200/300 | 2M | 800K | 128K |
BrowserBoard | 2M | 800K | 128K | 新Zaurus仕様(ICRUISE仕様) |
機種名 | RAM | work | code |
MI-EX1/TR1 | 8M | 5M | 512K |
MI-C1 | 8M | 5M | 512K |
MI-P10 | 8M | 5M | 512K |
実際に MI-P10 を(まだちょっとだけ)使ってみました。 MI-C1 とどれくらい変わっているのか、気がついた点を書いてみます。
液晶画面左横のタッチキーの並びは、ほとんど C1 と同じです。 ただしダイレクトキーの [アドレス帳] [スケジュール] がありません。 また、専用のインデックスキーであった[ツール]ボタンが無くなりました。 インデックスキーは [ホームインデックス] 一つです。
インデックスの構成は C1 と完全に同じです。 [機能]+[インデックスバー] で表示される、謎の「しおり」もしっかりありました。 いったいこれは何に使うんでしょうか。
本体機能インデックスで C1 から減っているアイコンは 「ワープロ」「インクワープロ」「ボイスレコーダー」の3つだけです。 「ワープロ」と「インクワープロ」は、従来の igeti MI-P1/P2 と同じように MOREソフトとして SharpSpaceTown で販売されています。 「レポート&自由帳」は最初から内蔵されています。 ボイスレコーダー機能はハード的に持っておらず、 イヤホンマイク端子もありません。 「カメラ」はあります。
標準添付のMOREソフトも変更されています。 まず大きいのは「乗り換え案内」が無いこと。 そして、マンガビューアやプレイインデックス関連のソフトが最初から入っています。 これらは他の Zaurus(MI-C1等) でも SharpSpaceTown からダウンロードすれば手に入ります。
MORE ソフトのみならず、 スケジュールやアドレス帳の初期データが入っていませんでした。
PCリンクの簡単設定が、MOREソフトでなく本体組み込みになっているようです。 簡単リンクを削除して、 PCリンクの設定画面にすぐ移ることができなくなっています。
PHSなどの通信ドライバ類は、 MOREソフトで組み込むドライバでなく その多くが本体内蔵になっているようです。
大きさは MI-C1 をちょうど細身にした感じになります。 横幅も厚さもほとんど変わりませんが、角が取れて丸くなり、 高さ(縦持ちの時の幅)が細くなりました。 縦持ちしたときに C1 よりスリムで持ちやすいサイズになっています。 ただしカバーの分を含めるとC1サイズくらいの出っ張りがあります。 本体をよくよく比べてみると、MI-P10 は C1 でのカバーのヒンジの分だけ 小さくなっていることがわかります。
厚さは意外にも、MI-C1 とほとんど変わりません。 むしろ若干厚くなった気がします。 リチウムイオンのバッテリパックが、 タッチパネルの下側にまで入り込んでいるためでしょうか。
MI-P10 はモノクロザウルスでは初の リチウムイオンバッテリータイプ です。 今までのモノクロ Zaurus は全部乾電池でした。 MI-P10 は最初から AC アダプタもついてます。
重さは明らかに軽くなっています。 寸法などカタログ上の数値は MI-C1 とあまり変わりませんが、 角が取れて無駄が無い分細身で軽くなっているようです。 角張ったデザインの MI-C1 とは対照的です。
スクロールボタンや決定ボタンなど、 ハードキーは igeti MI-P1 から搭載されるようになりました。 MI-P10 ではさらにボタンが一つ増え、 [プレイインデックス] が追加されています。
どの状態でも、 このボタンを押すとプレイインデックス画面が表示されます。 ボタンを押すたびに縦画面横画面の切り替えが可能で、 この画面だけでネットからメールを取り込んだり、 ダウンロードしたさまざまなコンテンツを見たり読んだりすることができます。
SHARP は MI-310 のころから、 起動画面を如何に簡単にし、わかりやすくするかという命題に取り組んできました。 プレイインデックスもおそらくその一環で、 本体機能とは独立して全く新規にデザインされています。 プレイインデックスは、MOREソフトとして実装されている点が これまでにない特徴です。
igeti MI-P1/P2 や MI-C1 など、以前の機種でも MOREソフトを組み込めば プレイインデックスを使用できるようになります。 (SpaceTown のポストマガジンクラブからザウルス用ツールダウンロードに進みます。 ここです。)
ふと、プレイインデックスのMOREソフトを削除したらこのボタンが どういう反応を示すか気になりました。 プレイインデックス機能を紹介しておきながら、 未練もなくこの MOREソフトを削除してしました。 押してもなにも反応しない、ただの飾りボタンになってしまいました。 でも大丈夫、 MI-P10 用のプレイインデックスMOREソフトも ここ からダウンロードできます。
コネクタ類は、ボイスレコーダー用のイヤホンマイク端子以外は全部ついてます。 コンパクトフラッシュスロット、オプションポート16、キーボード端子、 ACアダプタコネクタ、赤外線ポートです。
MI-C1 用のカメラユニット CE-AG06 もそのまま使用できます。 さすがにモノクロなので画面の見た目は厳しいものがあって ピントあわせもいまいちよくわかりません。 もっとも、MI-C1 でもよくわからないときはわからないので、 気にしなければ大丈夫かもしれません。
カラー液晶の機種と比べては、最初から かないません。 他の PDA 用のモノクロカメラとの比較なら、 ファインダーは 320x240dot 16階調で、 保存もカラーで行われるので、完全に割り切れば使えるでしょう。
筆者は偶然 MI-C1 と MI-P10 を両方持っているときに、 たまたま写真をどうしても撮りたいときがあって使いました。 MI-C1 の本体メモリを食いつぶし、バッテリーも心配になったので 次に MI-P10 にカメラを装着。 助かりました。
MP3プレイヤーユニット CE-AP1 は当然のごとく使えます。 CE-AP1 付属の MI-P10 専用コネクタカバーがついに役立つときが来ました。 これをつけるとオプションポート16のコネクタをしっかりホールドし、 外れにくくなります。
いつものように MP3 の再生時間テストを行ったので結果を載せます。
結果はなんと 5時間10分再生できました。 専用の MP3プレイヤーと比べても遜色ない数値です。
ほぼ同条件のテストで、 MI-C1 の結果は こちら(ZaurusをMP3プレイヤーに CE-AP1 その3) に、また MI-P2 での結果は こちら(ZaurusをMP3プレイヤーに CE-AP1 その4) に掲載しています。
機種名 | カタログ値 (プレイヤー画面を隠す) | カタログ値 (AnimationON) | 画面OFFでの実測値 |
MI-C1 | 3時間30分(210分) | 2時間(120分) | 5時間 1分(301分) |
MI-P2+ニッケル水素 | なし | なし | 3時間25分(205分) |
MI-P2+アルカリ電池 | 3時間20分(200分) | 1時間30分(90分) | 未計測 |
MI-P10 | 3時間30分(210分) | 1時間40分(100分) | 5時間10分(310分) |
一つ気になったのは、画面の表示を OFF にしても、 液晶自体には電圧がかかっているらしいこと。 表示は出ていないけど、液晶のパターンはうっすらと見える状態です。 ひょっとしてモノクロ液晶の表示はさほど負担にならないのではないだろうか。 もしかして、画面を表示したままでもたいしてかわらないのでは? という疑問が生じます。
ためしに、プレイヤー画面のまま(アニメーションOFF) 連続再生させてみました。 結果は 4時間41分 再生できました。 プレイヤーは再生時間など画面の書き換えを行うので、 プレイヤー画面を隠すだと、また違った数値になっていたかもしれません。 表示ONでも結構長持ちします。
MI-P10 の表示はどうも MI-C1 より速いような気がします。 特にアイコンなどの描画が速く感じます。 きっちり測定したわけではありませんが、 画面切り替えでも 全般的にウィンドウの描画が高速です。
モノクロ液晶の Zaurus は描画の反応速度が遅いので、 体感的に描画速度が速く見えることがあります。 カラーの TFT 液晶は描画更新にきっちりと追従してくるので、 画面を書いている途中の様子まではっきりと見えてしまいます。 モノクロの場合はある意味微妙にフェードイン・アウトしてるわけですから、 更新がなめらかになり、描画の遅さが目立ちません。
でも P10 の場合は、純粋に描画アルゴリズムが改良されているらしく 本当に速くなっているようです。
MI-C1 でできて MI-P10 でできないのは、、 ・・カラー表示できないのは当然として、 ボイスレコーダ と 地図ビューア(今のところ)、モバイルレッスン(英会話) でしょうか。 モノクロ液晶がアクションゲームに向かないことも、 ChiToShu や ChiRaKS をやってみるとよくわかります。
逆に MI-P10 でないとできないのは、 プレイインデックスキーがないこと、 蓋が透明じゃないこと、 MP3プレイヤーのコネクタカバーが使えないこと、、 ハードがらみのことが多いようです。 あと本体が軽いこと。
MI-C1 を持っているユーザーが、敢えて MI-P10 に乗り換える必要はほとんど無いといえます。 当たり前でした。
ちなみに MI-P10 は、今後 zxLinux の動作テストにも 使うつもりです。 これで zxLinux が動くハードのうち MI-C1 と MI-P10 の2つがそろいました。
[メニューに戻る] | [ZAURUS総合] | [DirectX] | [Ko-Window] | [Win32] | [WinCE] | [携帯電話] | [その他] |
フルパワー全開 | Hyperでんち |