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プレーヤーの対応、認識から導かれる要素

 プレーヤーの対応、認識から導かれる要素から、ゲームの構成を考える。各要素は、各要素が導かれたプレーヤーの対応、認識に起因する。それゆえ、ゲームの構成を考えるにあたっては、プレーヤーの対応、認識を十分に理解することが必要である。
 また、それぞれの要素の有る様は利点と欠点を持つ。よって、ゲーム設計時には、複数の要素が補完し合うように構成するのが望ましい。たとえば、プリンセスメーカーは能動的、改善系に属するゲームである。しかしながら、「自分の娘」の将来に種類を複数設けた上で、最終目標たる「プリンセス」にするためには複数の難しい条件をクリアしなければならないようにした。これによって、プリンセスメーカーは獲得系の要素を合わせ持ち、能動的、改善系の欠点を克服することとなった。
 以下に、プレーヤーの対応、認識から導かれる、要素の利点と欠点を挙げる。

 能動的ゲームにおいては、プレーヤーが能動性を十分に発揮するため、プレーヤーの自由度が高い方が望ましい。反面、能動的ゲームは、ゲームの目的や内容が散漫になりやすい点に注意すべきである。
 受動的ゲームにおいては、プレーヤーの環境悪化に対する学習効果を高めるため、環境悪化をパターン化するのが望ましい。反面、受動的ゲームはゲーム内容の強制感を与えやすい。

 獲得系ゲームにおいては、能動性欲求を高めるために、獲得対象の価値をよりよく見せ、獲得しづらく希少にすることが望ましい。すなわち、獲得系ゲームはプレーヤーに、対象を獲得するまでストレスを与え続ける。獲得系ゲームは、プレーヤーのゲーム継続性を高める反面、ゲームクリア挫折時の心理的ダメージも大きい。獲得系ゲームは、突破すべき障害として構成され、多分に攻撃的、破壊的な内容を持つ。
 改善系ゲームにおいては、能動性欲求を満足させるために、プレーヤーの行動に対する改善対象の反応をより機敏に明示することが望ましい。改善系ゲームは、プレーヤーにストレスを与えない反面、プレーヤーのゲーム継続性に欠ける。改善系ゲームは、影響力の対象として構成され、より戦略的、建設的な内容を持つ。
 確認系ゲームにおいては、能動性欲求を高めるために、確認対象のはっきりとした内容情報を与えないことが望ましい。確認対象はプレーヤーにとって望ましいものである必要はない。確認系ゲームは、ゲームが進行するにつれてストレスが解消される。それゆえ、ゲーム継続性が高く、クリア挫折時のストレスも少ない。しかしながら、ゲーム制作者が魅力的な確認対象を創造するのが難しく、プレーヤーの再プレイ率も低い。



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