☆“タングラム”問題集 Part13(ダブル・タングラム編 PART1)
- Double Tangram Uni. -

  1. 正方形・特大
  2. 中抜き正方形(枠)
  3. 凸八角形
  4. 凸七角形
  5. 星形16辺形

 

・『ダブル・タングラム』とは?


ダブル・タングラム
ダブル・タングラム

 前回(Part12)のコラムでもちらっと触れましたが、タングラムを2セット、14片で形を作ること(またその出来た形)をダブル・タングラムと言います。
 今までの『ミニ・タングラム』、『親子タングラム』、『拡張タングラム』と言った言葉は、半ば私が考えた独自の定義が含まれているのですが、この『ダブル・タングラム』に関しては、文字通り『タングラム』のセットが『ダブル』なわけであり、一般にも認められている言葉と言ってもいいもの。実際、タングラムのセットが2セット入っているモノが『ダブル・タングラム』という名前で市販されています。
 さて。このダブル・タングラムですが、実際には更に大きく二種類に分けることが出来ます。
 一つは、用意された14片を全て使って一つのカタチを作るもの。もう一つは、本来のセット7片ずつでそれぞれ関連性のある二つの形を作るもの。
 ここでは前者を『ダブル・タングラム・ユニ』、後者を『ダブル・タングラム・デュアル』と呼ぶことにします。これは私が勝手に考えた呼び方です。

 以下に掲げる5つのシルエットは、全て『ダブル・タングラム・ユニ』です。
 しかも。全て何か具体的なモノの形を表したものではなく、抽象的な幾何学図形ばかり。
 敢えてそうしたことは、それなりの理由があるのですが、それは次のシルエット問題Part14のコラムで触れることにします。

 では、タングラムは2セット準備できていますか?
 以下にもう一つコラムを挟んで、『ダブル・タングラム・ユニ』全5問をご用意しました。
 次のコラムを読み飛ばされる方は、こちらをクリックして、早速挑戦してみてください( ^^)/




 

・特設コラム:凸多角形とは?(★)


 はじめに:このコラムには、ちょっとだけ難しい数学の話が出てきます。
 興味のない方は、読み飛ばして下さっても構いません。早速問題に取り組んでみて下さい( ^^)/

 以下の問題143144で、それぞれ『凸八角形』、『凸七角形』という言葉が出てきます。
 この『凸○角形』というのは、簡単に言えば「へこんでいる部分がない○角形」ということです。
 これを少し数学的にかっこよく言うと、「全ての角が180°未満の多角形」と言うことが出来ます。

 こう書いてもまだピンと来ない方もいらっしゃるかもしれません。
 例えば、以前に問題に出した、(親子タングラム編)111.112.(無題1)を見てみて下さい。これも、辺の数が6つ(従って角も6つ)あるので「六角形」です。でも、右側がへこんでいますね。そのへこんでいるところの角の角度は、(角度は内側を測るので)270°になっています。明らかに180°以上ですね。
 こういう図形は、「凸でない六角形」なわけです。
 実は、タングラムで出来る図形は、「凸でない多角形」が圧倒的に多いのです。
 逆に言うと、タングラムで作られる凸多角形を探すことは、(数学的に)それなりに意味があるのです(^^)
 しかも! ピース数が多い、従って自由度が増す『ダブル・タングラム』ならなおさら!

 実は、『ダブル・タングラム・ユニ』の問題として、幾何学図形などの抽象図形ばかりを扱った理由は、この辺にあるのです。

 ここから更に少し数学的になります。
 数学で言うところの「凸」という考え方は、例えば“円”のように 角 がない図形でも定義することが出来ます。それは次のようになります(あまり厳密でない定義です):

 ある領域(=平面図形)が凸であるとは、その領域内に勝手な二点を取ったとき、その二点を結ぶ線分がその領域の境界と交わらないことである。
 つまり、逆に言えば、うまく二点を取ってそこを結ぶ線を書いたとき、その線が図形からはみ出てしまうようなときは、「凸でない図形」だというわけです。
 “円”は凸な図形です。ヒトデのシルエット(星形)は凸でない図形です。また殆どの図形は(“凸”という字のカタチさえ(笑))凸でないことが分かると思います(^^)




 

141.正方形・特大


Db1:正方形  まずは、やっぱりやっぱり基本形、『正方形』。

 ノーマルタングラム、ミニ・タングラム、拡張タングラムに加え、ダブル・タングラムでも、やっぱり正方形が作れます!
 と言っても、大きさがミニ・タングラム×4(もしくはノーマルタングラム×2)であることに気付けば、答えは超簡単ですけどね(^^;


 

142.中抜き正方形(枠)


Db1:中抜き正方形(枠)  上の『正方形・特大』より更に一回り大きな正方形から、一回り小さな正方形のあ穴をくり抜いた図形。

 因みにくり抜かれた正方形の部分は、拡張タングラムで出来る『正方形・大』と同じ大きさです(^^)


 

143.凸八角形


Db1:凸八角形  『凸○角形』という言葉の解説は、特設コラム凸多角形とは?をご覧下さい。

 実は。凸八角形は(この形と相似な物に限らず)ノーマルタングラムでは作れません!
 (うそだと思ったら、試しに作ってみて下さい!)
 そんなに難しい図形じゃないのに、なんか不思議な感じがしませんか?

 因みに。←この図形そのものは、あることに気が付けば答は簡単に出ます(^^)(って言うかばればれ(笑))


 

144.凸七角形


Db1:凸七角形  『凸○角形』という言葉の解説は、特設コラム凸多角形とは?をご覧下さい。(コピー&ペースト(笑))

 綺麗なカタチとは言えませんが、凸七角形です。
 これも凸八角形と同じく、ノーマルタングラムでは実現できない種類の図形。
 しかも、この問題は意外と難しいかもしれませんよ! ご注意!


 

145.星形16辺形


Db1:星形16辺形  ピース数が多い故に出来る、ハデハデ(笑)なスペシャルシルエット!

 ダブル・タングラムを用意できたら、一度はこの形を作りましょう!って感じの、個人的にとってもオススメのカタチです(^^)

 さてさて、『ダブル・タングラム編 Part1』は、簡単ですがこれにて終わりです。



  ●“タングラム”で遊ぼう!

  ☆Part1

  ☆Part2(動物編)

  ☆Part3(パラドクス編)

  ☆Part4(人間編)

  ☆Part5(器・入れ物編)

  ☆Part6(建造物編)

  ☆Part7(動物編 PART2)

  ☆Part8(アルファベット編)

  ☆Part9(幾何学図形・その他編)

  ☆Part10(ミニ・タングラム編)

  ☆Part11(親子タングラム編)

  ☆Part12(拡張タングラム編)

  ☆Part14(ダブル・タングラム編 PART2)



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