あれこれチャレンジ
このコーナーではプログラミングの話題を離れ、 いろいろとチャレンジした事をレポートします。
第3回 おいしいパンを焼いてみよう
プログラムばかりするのもなんなので、たまにはパンを焼くぜ!! 俺も今日からジャムおじさん!
つまり料理は女に任せておけばいいって意味じゃないみたい。だいたい今の時代、台所で生きた豚や鶏をさばく奴なんていねぇっての。いたら怖ぇよ。
という訳でパンを焼く。作るのは基本中の基本であるロールパンだ。これが出来れば、あんパンもクリームパンもソーセージパンも応用で作れる。
材料はどれもスーパーに売っているものばかりだ。注意することは強力粉と間違えて洗濯粉を買わない事と、イーストと間違えてトーストを買わない事くらいだ。
まずは、大きめのボウルの中に、ふるいに掛けた強力粉と塩、砂糖、イーストを入れてさっくりと混ぜる。
中央のベージュ色の粉がイーストだ
ここまでは誰でも出来る。猿でも出来る。へっぽこプログラマの俺でも出来る。 パンを作るに際して最も気を使うことは温度。こねてから発酵させるまでの温度が低すぎても高すぎてもよろしくない。低すぎるとイーストが風邪を引くし、高すぎると熱中症で倒れる。この辺は人間と同じだ(ホンマか!?)
イースト菌が活発に動き、そしてパン生地に最適な温度が 28 ℃。
だらだら〜 ここでは 30 ℃と書いたけど、冬の寒い日にパンを焼くのであれば 40 ℃くらいに上げていい。ただし、水温が 60 ℃を越えるとイーストが死んでしまうので注意!!
卵水と混ざる前はベトベトで手に引っ付くけど、ひたすらこね続ける。すぐにまとまってくる。 こねるときの注意は生地を引きちぎらないこと。上に下に丸めなが無我になってこねまくる。
こねる事によって小麦粉からグルテンが作られる。そのグルテンが膜を作り、その膜の中に空気が溜まることにより、ふかふかのパンになるそうだ。
ベトつかなくなって更にしばらくこねたら無塩バターを加える。 それにしてもバターを入れたとたん生地がねちょねちょになって、すげーこねにくいのだが……。
こねこねこねこね……
十分こねられたら生地を左右に引っ張ってみてほしい。手元にある本には『薄く伸び、下の指が透けて見えたら』いいらしい。ちゃんとこねる事が出来て生地に弾力があればそういう風になるんだろう。 が、俺のパンは様子がおかしい。
いつまでこねても全然まとまらず、べちょべちょのままなのだ。これは明らかにおかしい。もう 30 分もこねているのに……( 30 分じゃ足りないの?)
10 分後。状況変わらず。もう、あかん! 疲れた!
異常事態発生!! 全然 まとまらない。
いや、せっかくここまで頑張ったんだから最後まで作ろう。しかし、ちゃんと焼けるかどうか怪しいぞ。でも、焼いたら意外とおいしいかも………って悩んでいる間にもどんどんと発酵して膨らんでいくんですわ! もういい!最後まで作ってやる! 発酵するって事はイーストが活発に活動してるって証拠だしね。
ここから一次発酵だ。生地を油を薄く塗ったボウルに戻しサランラップを掛けてしばらく置く。この時の温度も 28 ℃だ。温度が高いと過発酵になるし低いと時間が掛かるので注意。
この一次発酵を終えたら『フィンガーテスト』というものをする。これは生地に指を突き刺して、そのへこみ具合からちゃんと発酵したかを確認するものだ。 指を抜いたときに、へこみがそのまま残っていればオーケーだ。へこみが戻るようであれば発酵不足。もう少し発酵させよう。
で、俺のパンはというとフィンガーテストどころではない……
フィンガーテストが済めば今度は生地全体をこぶしで押してガスを抜く。発酵してずいぶん膨らんでいたのが元の大きさくらいに戻るはずだ。
というのは理想論であって俺のパン生地はそれどころではない。24 個に切ろうとしても引っ付きまくって切れないので、なんとか手で引きちぎった。結果 18 個に分かれた。
ここからが楽しい成型だ。この生地をロールパンにするのも、ジャムパンにするのも、あんパンにするのも、ソーセージパンにするのもここが分岐点。
それぞれの作り方を簡単に書くと、ロールパンは麺棒を使い生地を涙型(ドラゴンクエストに登場するスライムを縦にびよーんって伸ばした形)に伸ばし、太いほうからくるくると巻いてゆく。
続いて二次発酵だ。今度は 40 ℃くらいに設定したオーブンに入れ、約 40 分待つ。表面が乾かないように時々霧吹きをしてやるらしい。
はけを使ってドリュールを塗る
今の状況はこれ( 上の写真 )だ。ぶくぶくとした謎の物体がパン生地。
オーブンの温度は、、、180 ℃〜 200 ℃くらいの間でいいだろう。時間は 15 分から 25 分間くらい。焼け具合を見ながら時間を調整しよう。 わりとすぐに表面はいい色になる。でも、これは表面に塗ったドリュールが真っ先に焼けているだけで、中身は全然焼けていないので注意。 しばらくするとパンの焼けるいい匂いがしてくるはずだ。そこまで来たら完成は間近!
オーブンからパンを取り出す。うーん、途中はどうなるかと思ったけど、ちゃんと焼けているではないか。
しかし、予想以上に不細工なパンだ。24 個のロールパンになるハズが全部引っ付いてしまい 2 個の巨大な物体になってしまった。
さっそく紅茶をいれて食べてみた。 ジャムおじさんがこの程度の腕前だったら、バイキンマンの天下だな。 しかも、この量はかなり多い。24 個のロールパンを食べると思ったら、2 〜 3 日は掛かるだろう。そのくらいのパンが目の前に……。
教訓:パンはパン屋で買おう! でも、ちゃんと全部食べたよ |