ひなこじしょ

 英語の予習を超簡単に済ませる、自動辞書引きソフト「ひなこノート」は親の愛なしでは考えられないがんばりが見られたが、いうまでもなく、引く対象の「辞書」を作る方が大変であった。辞書に含める単語の範囲をどうするか、は結構大変。最初は「中学生で習う英単語」「高校生で習う英単語」あたりで妥協しようと思ったが、やはり大学入試の試験問題分析まで使えるものとしたい。となると、、、それに辞書を引くのだって「活用形」をいちいち考えながら弾くのは面倒である。どうせなら「活用形全部」が辞書に載っていてほしいのだ。そんなもんあるのか???なんとなく、探せばあるような気がした。見つかった。FireFoxの「スペルチェック辞書」。(後で考えたらOpenOfficeのスペルチェック辞書の方がよかったかしらね。)
 これを元に辞書をつくるのだが、いちいち単語を引くのもなんだし。ということで
「英辞郎」
で調べることにした。会員登録して、アクセスして、HTML解析して。これが一筋縄ではいかないのだ。ブラウザで見た範囲では整然と見えるが、内部的にはいろいろ継ぎ足した跡が見られる。なので作っては流し、途中で無限ループに入ったり、止まったり。苦労して苦労して苦労した。んでもって何とか動くようになったが、あれ?連続でアクセスすると過重アクセスでサーバーから拒絶されるのね。だいたい100語引いたところでアウト。ここで心が折れかけましたが、たまにもっと行くときもある。測りました。10秒に1語のペースならずっと続けて引ける。
 時間に対して投げやりになれば訳語を集めてこれるめどは立った。(ただし、結局β版の完成はうちのガキのテスト前日までずれ込んだ。)
 こんなことなら書籍版英辞郎、捨てるんじゃなかったなあ。(それでも古本屋にないか探して歩いたのだ。)

 集めた訳語、ついでに品詞、発音記号、フリガナ。これをもとに作ってゆくのだが、一つ計算違い。スペルチェック辞書に活用形が載っているわけではないのね。ただし英辞郎辞書にはそれも含まれているので一緒に取得(つまり最初から取得をやり直し)して、あとで見出し語として展開した。名詞で語尾がsなら複数形、動詞なら三単現のsです。ちゃんと分類します。もっとも不規則変化動詞なんぞはスペルチェック辞書に元々あるので、展開形と同じ単語があれば出力しません。
 こうして、規則変化の過去分詞と分からなくてもちゃんと引ける便利な辞書が出来上がった。

 自動で英辞郎を引いてゆくパソコンを見てうちの子は爆笑。さらにスペルチェック辞書にある単語を引いている旨を聞いて腹を抱えている。「才能の無駄遣いだ」。ただし考えている機能を聞いて真顔になった「はやくつくれ」。

 私以外の人にとっての問題は、著作権の関係でこの辞書を他に公開できないということである。というわけで欲しい人は、私と同様に延々頑張って作らないといけないわけだ。余分な例文をカットしたり、フリガナを代表的な1つにまとめたり、と割り切って見やすくするといった作業も自動化してはいるのだが大変なことには変わりない。

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