◆ 画像の減量
- ベタッとした白と黒だけの背景画像なら2色に減色。BMPで保存
- JPEG 向き画像か BMP 向き画像か、きちんと考える
- JPEG 画像は色化けしやすい。High Color 環境で見栄えを確認
- Card Wirth が認識する JPEG 画像の拡張子は ".jpg" か、".JPG" のみ
Card Wirth シナリオのファイルサイズが肥大化する大きな原因は画像ファイルにある。減色、縮小、マスクの上手な利用、画像の使い回し等いろいろと工夫をして、全体のサイズを抑えよう。特に、画像の縮小は有効だ。最大サイズ 632×420 の画面に 800×600 の画像を表示するような無駄はやめよう。
ver.1.20 になってファイルサイズが激減するJPEG形式の画像が使えるようになった。これを大いに活用したいところだが、なんでもかんでもJPEG化すればよいのかというとそうでもない。
★JPEGの特徴
- True Color 画像のファイルサイズが激減する
- サイズが減った分、画像が劣化する
- High Color 環境で色化けが生じやすい
- LHAやZIPによる再圧縮がほとんど効かない
- 縮めたものを広げる分、表示が遅くなる
大雑把な言い方をすると、同じような色の領域をまとめて単純化することにより、驚異的な圧縮率を叩き出すのがJPEG方式だ。その様子は極度に画像品質を落として(圧縮率を上げて)みると確認できる。
JPEGにおいて、画像の劣化とファイルサイズの減少はトレードオフの関係にあり、品質とサイズのバランスをとるのになかなか根気がいる。
ここにBTJ32という素晴らしいフリーソフトがある。リアルタイムに変化するプレビューを見ながら、画像品質とファイルサイズ双方に納得のいく変換をしよう。
一つ注意したいのは、JPEG画像は High Color(15,16bits) 環境で色化けを起こしやすいということだ。画像品質を下げれば下げるほど無惨に色化けしてしまうのだが、True Color(24,32bits)環境ではその度合いが分からない。
では、画像モードを High Color に設定すれば色化けを確認できるかというと、これがそうとは限らない。ビデオカードや画像ビュアーによっては、この色化けを補正して表示することがあるからだ。画像の最終チェック時には、補正を切るようにしよう。
色化けがどんなものか見てみたければ、ディスプレイを High Color に設定してpinksea.jpgをクリックしてみよう。空の部分がジャギジャギになり、同心円状のグラデーションが確認できれば色化け実験成功だ。
High Color 環境というのはかなり一般的な設定で、当サイトの調査によるとカードワース愛好者の半数以上が High Color 環境に設定している。
となると、なんとかしてこの色化け問題を解消したくなるのだが、有効な手段は JPEG の画像品質をほぼ最高に設定するくらいしかない。だが、それではファイルサイズが膨らみ過ぎ、JPEG を使うメリットが薄れる。色化けしにくくなるよう画像を描き換えたり、画像の大きさを小さくし、その分画像品質を上げるなどの工夫が必要になってくるだろう。
一番良いのは「細かいことは気にしない」ことか?
★JPEG化に向かない画像
- 透過部分がある画像
- はっきりした輪郭線や均一な塗りが持ち味の画像
- 色数の少ない画像
透過部分がある画像は、画像劣化(色むら・ピンぼけなど)によりその機能を損なう可能性が大きいので、絶対に JPEG 化してはいけない。その他は、圧縮率が悪かったり JPEG 化に伴う画像の劣化が大きくなったりするので、あまりお薦めしないということだ。これらの画像は BMP で保存した方が良い。
普通、シナリオ配布時に LHA や ZIP、CAB などの形式でファイルを圧縮するわけだが、この時に画像のサイズの大幅減が期待できる。だいたいどの程度になるかは、256色あるいは16色の GIF 画像や PNG 画像を作ってみると目安になる。その際、誤差拡散をしない方がファイルサイズを小さく抑えられることも覚えおこう。これは BMP を圧縮する際にも言えることだ。
もちろん、BMP として保存する際はきちんと減色することを忘れずに。true color の BMP ファイルのサイズを考えるとちょっとゾッとする。
★JPEG化に向く画像
- 背景用の写真などの、色数が多くて(True Color)複雑な画像
- ぼやけた画像
GIF や PNG などの形式では色数を減らせばファイルサイズが小さくできるからといって、256色に減色した画像などを JPEG 化することは、あまり意味がないのでやめた方がいい。画像の品質を落とし、ファイルサイズを増やすという最悪の結果に陥ることがよくあるからだ。JPEG はやはりフルカラー画像で威力を発揮する。
次のぼやけた画像が向いているというのが分かりにくいかもしれないが、これは高い圧縮率が出やすいという意味だ。試しにブラー(ぼかし)をかけた画像を JPEG 化してみると良い。同じ品質でセーブしても、ファイルサイズにかなりの開きが出ることが確認できるはずだ。背景だけぼかすなどの手法も有効だぞ。
ただ、JPEG にはいろいろな魔物が棲んでいるので、思いもよらない問題が生じることがある。テストプレイの際には画像の見栄えもチェックしよう。
なお、画像形式変換・減色に有用なソフトを以下に紹介しておくので参考にしてほしい。
- ★ BTJ32
- 画像形式変換ツール。JPEG変換前後の画像が表示される二つの窓を見比べて、品質とサイズとのバランスを納得行くまで調整できる。今まで、画像をセーブしては確認し、また調整して…という地道な作業を繰り返していた君に!
- ★ Padie
- 様々な方式での減色を試みることができる上、16bits color 環境(かなり一般的な環境だ)での見栄えを考慮したり、透過色を指定することができるのが特徴。ウルトラお薦め!
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