<<<「LC2012出張」報告>>>

これは、 Linux の国際会議 LinuxCon North America 2012 の場で CaitSith を紹介するためにアメリカのサンディエゴへ出張したときのレポートです。

===========準備編(当日までの出来事)===========

2012年4月1日(日) CaitSith 0.1 がリリースされる。まだ動作テストが不十分な上、ドキュメントの整備もできていなかったため、バージョンを 1.0 ではなく 0.1 とした。

5月23日(水) CaitSith は会議で発表しておくのに値する進歩であると考え、アブストラクトを作成し Linux Security Summit 2012 に提案する。

5月25日(金) セキュリティの専門家よりも非専門家に試してもらいたいと思い、 LinuxCon North America 2012 にも提案する。

6月7日(木) まずは Linux Security Summit の方で採用が決まる。ただ、選考委員が本人の応募を採点するというのはなんだか複雑な気分である。

6月12日(火) CaitSith 発表内容のプロットを作成する。やはり今までの TOMOYO での試行錯誤を抜きにして CaitSith を語ることはできないことに気づく。

6月20日(水) LinuxCon North America の方にも採用されたので、 LinuxCon の参加申し込みをする。発表者はイベントの参加費が無料になるので、今年は Paypal などのお世話にはならないで済む。

7月23日(月) CaitSith 発表資料を英語で作成する。

7月24日(火) 今年はセキュリティキャンプから声がかかってきた場合に備えて、夏休みの枠だけ割り当てていたのだが、声がかからなかったので確認してみたところ、OSレベルでのアクセス制御をやりたいという受講生がいることが判明したので、熊猫が担当することになった。

7月30日(月) 熊猫が担当することになった受講生は中学2年生とのことで、英語のままの資料では難しいかと考え、 CaitSith 発表資料の日本語版も作成する。

8月13日(月) 渋谷の東急ハンズで名刺に貼るための熊と猫と桜のシールを買う。さすがは渋谷店。去年豊洲店では無かった桜のシールまで売っていた。残念なのは、桜のサイズが大きくて熊と猫に比べて目立ち過ぎていること。まぁ、他に無いので仕方がない。

8月14日(火) 朝、コンパイル環境として使っているノートPCの Ubuntu 12.04 にデスクトップ環境をインストールする。そして、昼からのセキュリティキャンプ2012@千葉幕張セミナーハウスに参加する。何故か懐かしい感じがしていたのだが、2007年に会社の研修で使用した施設であることに夕食時に気が付いた。現地で資料を作成しようとしたら、まだ日本語入力環境をインストールしていなかったことに気づく。宿泊場所は隣の駅のアパホテル&リゾート(東京ベイ幕張)。ハウスキーピングを省略すると、アパ水を貰えるとのこと。22Fの部屋なので、結構な高さである。

8月15日(水) お昼過ぎまでは「セキュアなOSを作ろう」クラスの共通講義。その後、受講者ごとにテーマを決めての開発作業。
セキュリティキャンプ2011で使用した TOMOYO の資料と、 LinuxCon および Linux Security Summit で使用する CaitSith の資料を用いて、アクセス制御の悩み事について伝授する。アクセス制御のためのポリシー言語の仕様策定とは、プログラミング言語を作成するようなものだと思う。
キャンプ期間中に作業できる時間があまりないことから、 CaitSith のサブセットみたいな内容で、ポリシーファイルとして外から制限をかけるのではなく、プログラムが自発的に制限をかける仕組みを作る方向を提案した。開発する内容についてクラス内で発表することになったのだが、プロジェクタへの出力方法が判らずに慌てた。昨日デスクトップ環境を入れたばかりで、まだプロジェクタ接続を試していなかったのである。

8月16日(木) 今日が開発のメインとなる日。昨日伝授した内容を元に、「ああいう指定をしたいと思うユーザも居るよね?」「こういう指定をしたいと思うユーザも居るよね?」といった感じで、どのようなポリシー構文だと使い勝手が良くなりそうかを一緒に考えていく。
昨日の CaitSith の説明を聞いていた Gentoo 好きなチューターの一人から、 CaitSith パッチを当てたカーネルの起動時にエラーが出て止まるという報告を受けた。調査の結果、カーネルコンフィグとタイミングによって静的変数がメモリ解放の対象になってしまうという不具合だった。今まで一度も引っかからなかったのが不思議である。

8月17日(金) 寝不足で辛かったので眠気醒ましのために、午後からのCTFでは宝探し(CTFの問題が格納されているUSBフラッシュメモリ探し)イベントに参加。う~んと、え~っと、これは~、隠しているとは言わないと思う。
夜、熊猫が担当している受講生の目標達成が危ぶまれたので、アクセス制御以外の処理を行う雛型パッチを作成した。今年は研修会場とホテルが別の施設であるため、昨年のように夜遅くまで一緒に考えるということができないのが残念。
その後、昨日のバグ修正の結果を反映したものを CaitSith 0.1.4 としてリリースした。特定のハッシュ値を持つ tar ball を作成するプログラムを gcc でコンパイルする際に、 openssl/md5.h の MD5 が見つからないというエラーへの対処方法が判らず、古い環境でコンパイルして実行するという対処を行った。

8月18日(土) キャンプ最終日。キャンプ期間中に目標としていたところまで開発することはできなかったけれど、これからも頑張ってほしい。
昨年のキャンプでの流行語は Gentoo だったが、今年の流行語はアパ水となった。来年のキャンプではどうなるのかなぁ?

8月26日(日) 毎月のCGを描く。今回の出張では TOMOYO での試行錯誤の歴史も紹介するつもりなので、 ARIA の過去のシーンから選んだ。

===========2012年8月28日(火)===========

(5:50)起床。

おまじないとして、今年はCCさくらの音楽CDを聴く代わりに、 ARIA the Origination のDVD最終巻を観た。

(9:50)家を出発する。

(10:04)仙川駅で各駅停車新宿行に乗る。予定より1本早い。

桜上水駅では回送電車2本とすれ違った。朝ラッシュが終わって本数の調整を行っている時間帯なのだろう。

(10:24)笹塚駅で各駅停車本八幡行きに乗り換える。

(10:46)馬喰横山駅で乗り換え。

(11:06)東日本橋駅でアクセス特急成田空港行きに乗る。

車窓の風景は、スカイツリーが完成していること以外は2年前と変わらない・・・と思っていたら、もう一つ2年前と違った点として、途中で節電のために一時的な車内消灯があった。

成田湯川駅で少し待った後、単線区間に入ってしばらく行ってすれ違い区間で再停止して対向のスカイライナー通過待ち。すごいスピードですれ違う。向かい席の乗客が「事故ったら怖いね」と言っていたけど、その通りである。待っている間に隣の線路のJR車両ともすれ違った。

(12:12)成田空港第1ターミナル駅に到着する。

(12:23)両替を行う。(10602円→130$)2年前の出張時の残りがあるので、今回は少なめ。

(12:40)荷物のチェックインが完了する。

(13:00)海外旅行保険に申し込む。保険料が予想外に高かった。

(13:15)セキュリティチェックの列に並び始める。

(13:18)出国審査を済ませる。2年前は夏休みで出国する人々で溢れていたが、今回はガラガラである。

(13:23)搭乗ゲートに到着する。

暇つぶしにターミナル内をウロウロする。北ウィングと南ウィングとでお店の種類が違う感じがした。南ウィングは日本の航空会社の出発ゲートだからなのか、日本人(というかアジア人?)向けなお店が多い感じがした。2年前は南ウィングを利用したので、ウロウロしながら懐かしいと感じた。

「動物とは離し上手に」「蚊意外に危険あり」「鳥扱い注意」とかいった感染症への注意を促すポスターがおもしろかった。

(14:55)搭乗する。デルタ航空618便ポートランド行き。座席のTVが無かった。

(15:33)ゲートを離れる。離陸待ちの行列が長かった。

(15:57)離陸。

(17:21)夕食。照り焼きミートボールとインゲンのサラダ、季節のグリーンサラダ・パプリカ・トマト・キュウリを添えて、若鶏のグリルのタイムソース仕立て・各種野菜とパスタを添えて、パンとバター、チョコレートケーキ。

(18:22)夕食の蓋に書かれていた数独の問題を、リアル鉛筆と消しゴムを使って解いている間に機内消灯。

今回は忙しくて時差が何時間あるのかも確認してこなかった。しかも、座席のTVも無いので、飛行状況もローカルタイムも確認できない。

(現地時間7:50)朝食。季節の新鮮なフルーツ、チョコレートデニッシュ、明治ブルガリアヨーグルト(いちご)。日本製の日本人向けっぽい食事といった感じ。

(8:54)ポートランド国際空港に着陸。時差は16時間のようだ。

(9:05)入国審査の列に並び始める。窓口数が足りない気がする。

(9:40)入国審査を済ませ、荷物を受け取り、税関を通過して、再度荷物を預ける。

(9:50)セキュリティチェックを受ける。歯磨き粉がNGというのが聞き取れなかった。

(9:58)搭乗ゲートに到着。

暇つぶしにターミナル内をウロウロする。アメリカだからなのか、それとも国内線乗り継ぎターミナルだからなのか、レストランが多い。2007年に行ったシカゴのオヘア国際空港ではターミナル内に油の匂いが充満していて気分が悪くなるほどだったが、ここはそれほどでも無かった。マルゲリータという名前のピザ屋があった。ベネツィア出張なら ARIA 絡みで食べるところだろうが、ここで注文しようものならアメリカサイズで困ったことになると思い、通りすぎるだけにした。あと気がついたのは、車椅子の数がとても多いこと。

(11:17)搭乗する。アラスカ航空578便サンディエゴ行き。この機体の中ではWIFI通信が使えるらしい。バッテリーがすぐなくなるので通信設備より電源設備の方が嬉しいんだけどなぁ。

(11:39)ゲートを離れる。

(11:53)離陸する。眠い。

(14:03)サンディエゴ国際空港に着陸する。

(14:07)ゲートに到着する。座席の真下が荷物格納庫だったため、機内から荷物を降ろす作業がよく見えた。作業員の荷物の扱いが雑で、ポンポン放り投げているという感じ。コワレモノ注意のシールが貼ってあるものでも丁寧とは言えず、壊れるんじゃないかとドキドキだった。作業を見ていた近くの座席の人も、「 That was my collection. 」とわざわざ is じゃなくて was にするくらい、壊れて使えなくなるんじゃないかと冗談半分で心配していた。

(14:24)荷物を受け取る。

(14:36)ホテル行きのシャトルバスに乗る。尤も、歩いていける距離なのだけれども。

(14:40) Sheraton San Diego Hotel & Marina に到着する。

(14:48)チェックインする。

(14:53) LinuxCon 2012 の受付も済ませる。TシャツやノートPCを入れるケースを受け取る。その他に、発表者特典としてスケートボードを貰えるとのことだったが、日本への持ち帰りが面倒なのと、家にあっても誰も使わないので断った。

(14:58)7Fの部屋に到着。メールのチェックを行い、明日の発表のために CentOS 6.3+CaitSith および Ubuntu 12.04.1+CaitSith のデモ環境作りを始める。

(17:40)夕食のイベントに参加するためにロビーへ移動する。同じ職場のフェルナンドさんに出会う。

(18:07)バスに乗ってイベント会場へ向かう。街並みが2007年に行ったサンフランシスコと似ていた。まぁ、同じカリフォルニア州の中なのだから、似ているのも納得。

(18:27)イベント会場である Andaz San Diego ホテルに到着。屋上でタイ風料理をいただく。日本人の参加者が少ない。OLS2007の頃が一番多かったかなぁ?

(20:21)明日の準備をするため、少し早めにホテルに戻るバスに乗る。

(20:34) Sheraton ホテルに到着。

(20:38)7Fの部屋に到着。出発前に開始しておいた CaitSith パッチを当てた CentOS 6.3 カーネルのコンパイルが終わっていた。続いて CaitSith パッチを当てた Ubuntu 12.04.1 カーネルのコンパイルを開始。

(22:30)就寝。何か音がしている。雨が降ってきたのだろうか?

===========2012年8月29日(水)===========

(5:10)起床。メールをチェックする。寝る前に開始しておいた Ubuntu カーネルのコンパイルが終わっていた。デモ環境を構築していたら、 CentOS カーネルはシェルスクリプトの typo ミスによって CaitSith パッチが当たらないままコンパイルされていたことが発覚。ミスを修正して再コンパイルを開始。

(8:05)朝食。マフィンとパウンドケーキ?とジュース。毎度のことながらアメリカの食べ物は甘い。2年半ほど前に TOMOYO のバグ修正パッチを投稿してくれた Oracle の Dan Carpenter さんに声をかけられた。

続けて発表会場となる部屋をチェック。13座席×7列という部屋の広さ。この半分の広さでも十分過ぎるんだけどなぁ。

(8:40)7Fの部屋に戻ってデモ環境の構築を続ける。メールをチェックしたら tomoyo-users-en MLに質問が来ていた。デモ用ポリシー例を考えていたら、環境変数のチェック処理にバグがあることを発見してしまった。今から再コンパイルする時間は無いので、デモ用ポリシーの方を修正する。

(10:45) SELinux の Stephen Smalley さんによる Security Enhanced Android の話を聞く。聞いているだけだと時差ぼけで眠くなる。静かに Android 対応は進んでいるらしい。

(11:40) AKARI と似たようなことをやろうとしている Corey Henderson さんによる Security Hardening for Distribution Kernels の話を聞く。準備が間に合ったらやると言っていた AppArmor 対応のデモは無かった。

(12:20)発表会場の部屋に残って準備を続ける。セキュリティキャンプで手間取ってしまったプロジェクタ接続のチェックを済ませる。 Credentials の David Howells さんに声をかけられる。みんな CaitSith という名前はファイナルファンタジーに登場するほうから命名されたと思っているようだ。それだけファイナルファンタジーが広く知られているゲームであるということなのだろう。実際は ARIA に登場するほうから命名した訳だけど。熊のように大きな猫の妖精。でも、猫妖精であって、熊猫妖精ではない。(謎)

(14:00)熊猫の発表開始。久しぶりの英語だったので(ユーザ空間でのアクセス制御だけでなく)熊猫の舌の回りも problematic だった。

(14:45)熊猫の発表が終わる。聴衆は15~20名くらいだったかな?時間が足りなくてデモまではできなかった。

(14:55)昼食としてビスケットを食べる。例によって激甘。1枚で胸やけしてしまった。

7Fの部屋に戻ろうとしたのだが、ルームキーが開かない。仕方がないので発表会場の近くでこのレポートを書く。現時点までのレポートを書き終えてから再度7Fの部屋に戻ろうとしたが、まだルームキーが開かない。昼間はメンテナンス中か何かと思って追求しなかったが、まだ直っていないことからルームキー側の問題だと判断し、フロントへ報告する。いろいろ手間取った末、最終的にルームキーを書き換えることで対処した。ルームキーは電子機器であるから、専用の装置で書き換えができるようだ。

(17:10)7Fの部屋に戻ってメールのチェックをする。

(18:00)夕食のイベントに参加するためロビーへ移動。昨日とは比べ物にならないくらいの人だかりができていた。

(18:12)クルーズ船に搭乗。およそ2年ぶりの乗船。

(18:30)クルーズ船が出港する。最近は ARIA ばかり観ているので、気分は水無灯里ちゃん状態である。

(18:53)陸続きの Bali Hai Restaurant に到着。ベトナム風料理のお店のようだ。大音量でのライブ演奏は熊猫にとっては騒音そのものである。みんなよく平気でいられるなぁ。ニンニクがたっぷり効いた揚げ餃子がおいしかった。

(21:28) Sheraton ホテルに戻るために、来たときと同じクルーズ船に搭乗する。

(21:36)出港。もう暗いので誰が乗っているのか区別できない。

(21:55) Sheraton ホテルの船着き場に到着。

(22:07)7Fの部屋に到着。

環境変数のバグ修正を行う。早くテストプログラムを作成しなければと思いつつ、仕事が忙しくてまだできていないので、まだ他にもバグがあると思う。

(25:38)就寝。

===========2012年8月30日(木)===========

(3:30)目が覚める。全然眠れそうに無い。昼間にコーヒーを飲みすぎたのか、それとも時差ぼけのせいか。

雨かと思っていた音は、どうやら噴水の音のようだ。

CentOS カーネルを再コンパイルする。待っている間にこのレポートの続きを書く。このレポートは2年前のレポートをテンプレートにして書いているのだが、行動がよく似ている。きっと今日は眠気に悩まされるのだろう。

(8:05)朝食。クロワッサンとデニッシュ、フルーツとジュース。昨日の激甘と違って食べやすい。トマトジュースが予想外に塩辛かった。

(8:58) Linux Security Summit 2012 の会場となる部屋へ移動する。 Keynote Speech と SELinux/rpm 連携の発表を聞く。

(10:43)眠くて仕方がなかったので7Fの部屋に戻る。環境構築をするつもりだったがベッドの上で横になっていたらいつの間にか寝てしまった。なんせ、日本時間なら午前3時前ですもの。セキュリティキャンプでは寝不足になると言われているけれど、キャンプ以上に寝不足である。

(13:53)目が覚める。12:00~13:30は発表者とスポンサーを対象とした昼食会が予定されていたが、 Linux Security Summit の会場にずっといると思っていたので不参加という返事をしていた。実際には寝ていて不参加という形になってしまった。

(14:28)昨日のバグ修正の結果を反映したものを CaitSith 0.1.5 としてリリースした。 openssl/md5.h の MD5 が見つからないというエラーへの対処は、 Ubuntu 12.04.1 では -lssl の代わりに -lcrypto を指定することで対処できた。

(14:50)昼食としてチョコチップクッキーを1枚。結果は予想通り、甘すぎて1枚でさえ完食できず。コーヒーを飲んで眠気対策。

(15:00) Linux Security Summit の会場で Stephen Smalley さんによる Middleware MAC for Android の話を聞く。

(15:45)今回の出張の最大の目的である CaitSith の発表を行う。聴衆は昨日より少し多かった。当初は試行錯誤の歴史を中心に紹介する予定だったが、昨日の発表での経験から試行錯誤の話を減らして、デモの時間と質問の時間を割り当てることにした。

(16:30)無事発表が終了した。ギリギリまで準備をしていたデモ環境も出番があってよかった。これといった反対意見は無く、メインライン化提案しても TOMOYO の時ほど揉めることは無さそうな感じ。 CaitSith の構文を気に入ってくれた人が居た。

(16:55) Linux Security Summit 初日のスケジュールが終了。

(17:11)7Fの部屋に戻る。このレポートの続きを書く。

(17:59)夕食のイベントに参加するためにロビーに行くが、整理券が必要だったらしい。整理券を貰っていなかったので、熊猫はイベントに参加できず。まぁ、眠いし残タスクもたくさんあるので参加できなくても(夕食以外に)問題ないけれど。

7Fの部屋に戻って、残タスクの消化。メールのチェックを行う。 tomoyo-users-en MLに来ていた質問に回答する。 TOMOYO パッチを当てた CentOS 6.3 カーネルのコンパイルを行う。待っている間に、このレポートに詳細を追加していく。

(24:05)カーネルのコンパイルとアップロードまで終わったので就寝。あ、夕食食べてなかった。

===========2012年8月31日(金)===========

(6:03)起床。メールをチェックする。今日の発表用のメモを作成していたら OpenOffice がクラッシュした。

(8:05)朝食。マフィンとパウンドケーキ?とフルーツとジュース。マフィンは甘すぎず、日本人でも食べられそうな味。

(8:24)7Fの部屋に戻る。日本時間では既に9月なので、CGをホームページにアップロードする。

(8:57) Linux Security Summit の会場へ移動。午前の部では各サブシステムの進捗についての発表が行われる。

(11:02) TOMOYO 2.x の進捗についての発表を開始。これ以上の機能強化にはLSMフックの追加が必要であることを伝える。 execute handler の用途についての質問あり。 CaitSith もメインライン化を目指すことも伝える。 RHEL で SELinux をユーザに可視化/管理可能化する努力をしてほしいということも伝えた。

(11:20)熊猫の発表終了。

(12:13)午前の部終了。

2年前と同様に Fedora ブースに行って Leslie L. Hawthorn さんに対して、 Fedora に TOMOYO や AppArmor を提案したいと伝える。詳細をメールすることになったので、メールの文面を作成する。

(14:00)午後の部が始まる。

ライトニングトークで、LSMスタッキングの話で盛り上がる。 SMACK の Casey Schaufler さんが SELinux と AppArmor と Yama を同時に有効にするデモを行う。LSMスタッキングの必要性の議論は過去のものになっているようで、近い将来LSMスタッキングが実現されそうな気配である。

(15:00)セキュリティワークショップが開催される。安全なコードを書くために何をすべきか、何ができるかについて議論が交わされる。

(15:37)午後の部終了。 Casey Schaufler さんからどうやって void *security フィールドのやりくりをしたのかを教えてもらう。

(15:55)昼食としてビスケットを1枚。もうイベントは終了して片付けモードに入っていたので、さらに2枚貰っておく。その後、ホテル内のお土産屋をチェックする。

(16:18)7Fの部屋に戻る。今日帰るためにチェックアウトする人も結構いるようだ。

メールをチェックしたところ、物事が既に動きだしていた。14:31にはカーネルコマンドラインの security= 指定とは無関係に Yama を有効にするパッチが提案され、15:49には SELinux の Eric Paris さんが同意していた。

OOM killer の問題についても進捗があったようだ。

Leslie さんにメールを送る。2年前の提案はボツったけれど、今回はどうなるかなぁ?

TOMOYO 2.5 でのワイルドカード化について質問メールが来ていたので回答する。

(19:10)夕食も兼ねて空港まで散歩する。今回のホテルは空港まで歩いていけるほど近い。だから、飛行機の離着陸の音が一日中聞こえてくる。でも、空港前の道路は立体交差で交通量が多く、歩いて渡るのは容易では無かった。

道を間違えながらも空港に到着し、空港内にどんな店があるかを確認する。国際空港という割には、規模は小さめでお店の数も少なめかなぁ?セキュリティチェックの先にはいろいろなお店があるのかもしれないけれど。

(20:05) Baja Fresh Express というレストランで鶏肉とシーザーサラダのロールサンド($7.70)を食べる。チョコレートクッキーだのビスケットだのを朝食や昼食として食べていたので、久しぶりのまともな食事という感覚。

立体交差で見通しが悪い中を歩いていたら、また道を間違えた。でも、途中で異変に気づき、すぐに修正できた。

(20:53)ホテル内のお土産屋でチョコレートとドライフルーツとチーズスティックを買う($72.18)。今回は関係者が多いので多めに買った。アメリカ人向けのチョコは激甘で気持ちが悪くなるけれど、ゴディバのようにまともなチョコは日本でも買えてしまうので、出張先でチョコレートを買うべきかどうか毎回悩むものである。

(20:58)7Fの部屋に戻る。メールのチェック。このレポートの続きを書く。

(24:26)就寝。

===========2012年9月1日(土)===========

(2:13)目が覚める。全然眠れそうに無い。

CaitSith のポリシーのパーサ機能のテストを行うプログラムを作成する。パースできるべき条件式が無効と判定されるバグを発見。でも、他にも条件式がいくつかあるだろうから、これだけを直すことはまだしない。

(6:40)1Fのレストランへ行って朝食。プレート皿に盛られたフルーツ($10)とオレンジジュースを注文する。フェルナンドさんに出会ったので、一緒のテーブルで食べる。いちごがとてつもなく大粒。量も多かったが何とか完食。代金はハウスキーピングを省略することで貰えるバウチャー$5×3日分で支払った。5年前に泊まった宿では、環境汚染対策として使用済タオルだけを申告してもらうという程度のものだったが、毎日ハウスキーピングするのはサービス過剰であると感じていた熊猫にとっては嬉しい出来事であった。今では多くのホテルで何らかのご褒美を伴うレベルにまでに浸透してきているんだなぁ。

(7:15)7Fの部屋に戻って出発の準備をする。

(7:48)ホテルをチェックアウト。

(7:52)空港行きのシャトルバスに乗る。バスはホテルを出ると空港とは反対方向へ進み、 Sheraton San Diego Bay Tower ホテルにも寄ってから空港へと向かった。

(8:04)サンディエゴ国際空港に到着。セルフチェックイン装置でチェックインしようとしたら、ターミナルが違うことが判明。第2ターミナルではなく、空港の建物が別れるほど離れた所にあるコミューターターミナルで降りる必要があったのだ。

(8:20)ターミナル間を循環するエアポートループバスに乗る。第2ターミナル前を通ってぐる~っと移動。車の量が多いなぁ。

(8:24)コミューターターミナルで降りる。

(8:40)チェックインする。セルフチェックイン装置が故障していたようで、人手による手続きを行っていたので時間がかかった。

(8:47)セキュリティチェックを済ませる。検査官の Completely Clear という声が繰り返し聞こえてくる。

セキュリティチェックを抜けると搭乗ゲートは目の前。お店も1件しかない。搭乗ゲートと機体とを繋ぐ地上トンネル通路も無い。2009年に行ったオーストラリアのホバート空港もこんな感じだったなぁ。セキュリティキャンプの一部の関係者の間では必須の眠気対策飲料となった RedBull がある。去年のセキュリティキャンプ以降、 RedBull をあちこちで見かけるようになった気がするなぁ。

(10:21)搭乗する。デルタ航空4807便ロサンゼルス行き。

(10:31)動き出す。

(10:41)離陸。

(11:08)ロサンゼルス空港に到着。あっという間である。バスでも移動できそうな感じ・・・って Google で調べてみたら、ロサンゼルス~サンディエゴ間は2時間ちょっとで移動できちゃうらしい。

(11:17)ゲートに到着。

(11:53)ターミナル内をウロウロするが、チョコレート以外にお土産にできそうなものは無い。日本でも見かけたような気がしなくもないが、とりあえず買っておく。($19.99)

(12:31)搭乗する。デルタ航空283便成田経由バンコク行き。今度は座席のTVが付いていた。

(13:07)ゲートを離れる。

(13:27)離陸。とても眠い。うっかりしていると離陸のタイミングに気がつかないくらい。

(14:59)昼食。シュリンプカクテル、季節のグリーンサラダ・チェダーチーズ・キュウリ・トマトを添えて、牛肉のブラックビーンソース炒め・野菜・ご飯、パンとバター、チョコレートケーキ。

暇つぶしに座席のTVを使って数独で遊ぶ。小さな画面にタッチして操作するので操作性はよくない。だいぶゲームに慣れてきて、自動ペンシル機能があればミディアムはだいたいクリア、ハードは予想が当たればまれにクリアできるようになった。エクストリームは手も足も出せない。

(19:28)おやつとしてアイスクリームサンドイッチが出る。アメリカ製なので例によって甘い。

アメリカ方面から日本ヘ戻ってくるときは、ずっと昼間なわけだが、ずっと海の上か雲の上かで、時差ぼけで眠くなってグッタリしているので、窓側席に座ってもあまり景色を楽しめる訳ではないのかもしれない。

===========2010年9月2日(日)===========

(日本時間:15:40)朝食。季節の新鮮なフルーツ、タマゴ・スイスチーズ・トマトのブレックファストサンド。

(16:42)成田国際空港に着陸。少し雨が降っていた。

(16:59)ゲートに到着。移動中に機体の翼の先端が空港のフェンス壁にぶつからないかドキドキした。

(17:16)入国審査を済ませる。ICチップ対応パスポート所持者を対象としたセルフ審査装置の実験が今日まで行われていたので、参加してみる。パスポートを入れて、顔写真を撮って終わり。帰国のスタンプはどうするのかと思ったら、その後で人のいるカウンターを通って押してもらうようになっていた。帰国した日本人には質問攻めを行わないので大してすることが無く、これってセルフ審査装置が役に立っているのかどうかは微妙かも。

(17:33)荷物を受け取る。

(17:45)税関を通過する。お土産としてドライフルーツを購入していたので、念のため植物検疫カウンターに寄っておく。

(18:15)アクセス特急がすぐに出発しそうになかったので、京成線特急上野行きに乗る。この時間帯はスカイライナーが中心なのかな?

(18:39)久しぶりに佐倉駅に停車。懐かしい「さくら」駅。はにゃ~ん?それとも、わ~ひ?

(17:24)青砥駅で各駅停車三崎口行きに乗り換える。3月までは豊洲から眺めていたスカイツリーを、間近から見上げる。

(17:47)東日本橋駅から馬喰横山駅へ移動し、各駅停車笹塚行きに乗り換える。眠くて仕方が無い。

(20:08)笹塚駅で各駅停車高尾山口行きに乗り換える。

(20:25)仙川駅着。

(20:35)帰宅。何故か懐かしさが一杯の出張でした。

===========後日編(その後の出来事)===========

2012年9月5日(水) Leslie Hawthorn さんから「 SELinux の Daniel Walsh さんに転送したよ」というメールが届く。いきなり彼宛に転送されちゃうとは。(汗)
Casey Schaufler さんが LSM スタッキングのパッチを投稿してきた。

2012年9月14日(金) LSM スタッキングパッチの第2回目が投稿された。

2012年9月17日(月) 年休消化しながら少しずつ進めてきた CaitSith のポリシーのパーサ機能のテストを行うプログラムが一応動くようになり、パーサ側の不具合も修正できたのでパッチをレポジトリに追加。次は判断部分の動作テストをするプログラムを作成する必要がある。

2012年9月20日(木) LSM スタッキングパッチの第3回目が投稿された。そろそろ方向性が決まるかな?

2012年9月21日(金) せっかくスタッキングできるようにするなら、動的追加もサポートしてみたらと提案する。

2012年9月29日(土) LSM スタッキングパッチの第4回目が投稿された。動的追加はまだサポートされていない。

2012年9月30日(日) 月例のCGを描き上げて、 LSM スタッキングパッチの動作テストをする。 TOMOYO の部分に関しては問題なく動作しているようだ。動的追加もサポートしてほしいとコメントする。そろそろ Linux 3.6 が封印解除されるので、 linux-next の動作テストをしてみたら、不具合が2件見つかった。1件は修正パッチを投げて、もう1件は原因が判らなかったので全体を git bisect 中・・・に10月に入ってしまったので、この報告書はこれにて終了~。


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