データ作成上の注意
¥workフォルダーについて
- このフォルダー(オプション指定の作業フォルダーを含む)は、計算の中間ファイルを格納しています
再起動のとき、空にしますのでこのフォルダーには、保存するべきファイルを入れないでください
- 既定フォルダーとして¥workフォルダーにデータのバックアップファイル(ファイル名=バックアップ.拡張子)を作成します
フォルダー変更・バックアップ間隔(既定10分)変更は、「オプション」で変更ください
データ作成上の注意
- 構造計算プログラムでデータを作成することは、そのプログラムのデータ種別に応じて、それらを配置し、建物の構造をモデル化することです
データにはその目的があり、また制限もあります。これらを逸脱したデータでは意図した結果は得られません。
例えば、
令46の「床面積」と算定される「地震床」の外周部には、「外壁」が存在するのが通常、です。
よって、見付面積・風圧力を算定するデータには、「地震床」の外周部には「外壁」を設けるというデータ作成上に「制限」があります
「床面積」には算入したいが、外周部には「外壁」を設けたくない場合は「ダミー外壁」を配置、逆に「床面積」には算入しないが「外壁」を配置するには「ダミー地震床」を配置する。
これらの「制限」から外れる計画の場合は、ダミーデータまたはその他のデータ種別の利用など、プログラムのデータ種別の組み合わせを考え、それらを配置ください
- 「梁」「柱」などにレベルを示すプロパティがありますが、これはスキップフロアを容認するものではありません
「スキップフロア」として設計条件で設定されていない場合は、これらは「軸組図」作成においてのみ考慮され、軸力算定などでは支持条件はレベルを考慮せず平面上の一致においてのみ支持条件を検索します
- 下記荷重の流れを理解のうえ適正な部材、荷重を配置のこと
- 梁の両端は、必ず 有効な支点を持つこと
梁は、経済的な出来得る限り長い区間とすることにより耐力壁の機能を十分に発揮させる梁配置とする。
耐力壁の両端を梁の両端とするような梁配置は耐力壁に余力を与えないし、曲げ影響のある場合、下部の架構によっては不静定架構となる場合がある。
「2008年版」では「梁上に載る耐力壁の剛性低減」で「水平力時の耐力壁等の転倒モーメントは、耐力壁下部の梁組だけで抵抗するものとして・・・」また「3階の梁上耐力壁に水平力が作用したとき、2階の床梁が曲げを受けるような軸組架構については適用範囲外とする」とあり、このような場合「立体フレーム解析などで適切に評価する」とある
当プログラムは「立体フレーム解析」しない
上図は架構として悪いサンプル
・@には耐力壁があるものとすると上梁A下梁Bが耐力壁の中間で切れている
・耐力壁@の右柱の下部の柱が抜けている
・梁が細切れでり耐力壁の機能を十分に発揮させる梁配置ではない
・2F柱Cの下部の柱が抜けているので「2階の床梁が曲げを受ける」架構となる
など
最後の項によりこの耐力壁@の剛性低減の計算ができないメッセージが出る
梁の架け方は最低限として梁Aは1本に、2階3階の梁は赤線の区間の梁とすべき。
- 片持梁の元端は、必ず 有効な支点を持つこと
片持梁は梁の延長線であり同材であること、柱に剛節するとは木造では考えない。(荷重の流れが変わる)
梁を有効な支点(レベル違いの梁を力桁)とする片持梁は可能です。
- 柱は、下階の柱位置と同じ または 梁上にあること および 柱頭には 梁があること
- 有効な支点とは、柱、有効な支点を持つ梁に直交する点、有効な片持梁に直交する点
すなわち、卍組となるような梁配置は、出来ません
梁を十字にクロスさせてもその交点を支点とはしません
- 外壁、内壁、耐力壁、準耐力壁の上下には、梁があること
- 手摺は 梁または片持梁の上にあること
- 束は、母屋の支持材であり、柱、梁または片持梁の上にあること
- 母屋の両端は、束に支持されること。外壁当たりとなるような場合ダミーの束を入れてください
(伏図には出力されます。)
- 柱入力よりも耐力壁を先に入力するとその両端に柱を自動設定します
- 部材は重複しないこと(地震床の物置や地震屋根など意図的に重複する場合を除く)
- 床、バルコニー・屋根は、支持材が1つであること(同一線上を除く)
床、バルコニー、屋根のデータは根太、垂木の荷重を示し、その支持部材(梁または片持梁、母屋)の材軸方向に荷重の分布範囲を、直交方向の高さで、荷重の大きさ(負担巾)を示すような線分で示し必ず支持部材と交差するように配置ください。始点側は On Line でも可。支持部材の検索は、その線分の方向により、始点からはじめて交差する梁などを支持部材としますので間隔が小さい場合など注意ください
荷重の分布範囲・荷重の大きさを変えずに支持部材に直交する方向に移動することは計算の上では同じことです
斜め方向の梁に負担させる場合、三角荷重など等分布荷重にならない部分は「多角形」で設定ください。
地震用の仕様と同一仕様を同一範囲に設定のこと(ダミーを含む)
参照:線データで作成するデータ その1
- 屋根の支持材は「母屋」を優先します
母屋と母屋の間の「梁」は本来、屋根の支持材ではありません
データ割付にご注意ください
- 出隅の判定
地震用床、多角形地震用床の外周線の出隅を出隅と判定します。
「地震バルコニー」を地震用床とみなし外周線とする場合、出隅判定サンプル を参照ください
- 耐力壁の傾斜軸組について
60度未満の傾斜軸組は耐力壁としません
このときこれらの部分の荷重を屋根とする場合、地震力算定の関係で「地震屋根」を階の中央で上下の階に分けて設定ください。「屋根」「棟」もそれぞれそれらの階で作成ください
風圧力算定で正確には風力係数を変更する必要があります
外壁とする場合はXまたはY移動量を設定ください
- 耐力壁の上梁に勾配が付く場合
筋かいの場合接合金物が多分ないでしょう、ボード類でも壁倍率制定の根拠からふさわしくないので低い方のレベルに水平な梁を設ける必要があります
「新グレー本」QA2-110 参照
勾配が設定された部材に対して水平な重複梁の入力を認める(逆も同様)
チェックにかかる場合「重複をチェックしない」として入力ください、だだし両方とも勾配付きにしないこと
- 耐力壁の柱が面内に傾斜した場合
「新グレー本」QA2-111 で「適切な実験・解析等によって確認」とあり本プログラムでは無効とします
- 耐力壁の「梁またぎ」
梁の端部が耐力壁の中間にあるものをいい、これらの梁構成を認めない
- 令用壁量について
令用壁量には耐力壁の傾斜軸組(60度未満は0)・階高差を考慮しません
水平構面データ
水平構面の配置範囲にはオーバーハング部分は含めるが、以下の範囲を含めない
参照:新グレー本 QA 2-86
重量関連データ
- 床荷重用データは地震用データと同一仕様範囲で割付ること
鉛直荷重計算で柱軸力誤差が大きい場合、確認ください
-
大屋根形式の場合、地震用各階重量が反映されるように床荷重用データと共に、階の中央で分ける
荷重の階とその支持材の階に注意する(「屋根」算入階プロパティ)
-
混構造の場合、木造部との荷重比算定ができるよう1階の壁・柱などの重量関連データも必要です
また2階床が木造でない場合はその重量を反映させてください
鉛直荷重の流れ
屋根 → 垂木 → 母屋 → 束 → 梁・片持梁(下階柱)
屋根 → 垂木 → 梁 → 束 → 梁・片持梁(下階柱)
床(バルコニー)→ 梁・片持梁
壁・手摺・補助壁 → 梁・片持梁
梁 → 梁・片持梁 または下階柱
柱 → 梁・片持梁 または下階柱
水平荷重の流れ
鉛直荷重の流れに同じ
曲げ影響のある耐力壁を受ける梁は最下階の支持材を含め、不静定とならないこと。
mail-address タニサワ設計
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